テナント契約の初期費用は結局いくらかかる?保証金、礼金、前家賃の目安をわかりやすく解説します

店舗の内装工事 店舗独立開業のポイント
店舗独立開業のポイント

「飲食店を始めようと思うんだけど、テナント契約の初期費用はいくらぐらいかかるのかな?」

「テナント契約の初期費用の相場・目安を詳しく知りたい」

このように、飲食店や小売店などを始める際、テナント契約の初期費用がどのくらいかかるか分からなく、いくら用意すればいいか悩んでいるオーナーの方は、多いのではないでしょうか。この記事では、テナント契約に必要な初期費用の相場・目安を各項目ごとに詳しく解説していきます。

店舗をオープンするにあたり、テナントの契約は必ずしなければならない、重要な行事の一つ。テナント契約の初期費用の相場・目安を知っておかないと、予想より高い費用がかかってしまい、店舗開業の計画が崩れてしまう可能性が。この記事を参考にして、テナント契約の初期費用の相場・目安を把握し、テナント契約をスムーズにおこなえるようにしましょう。

私たちTO(ティーオー)は、店舗・オフィスなど商業施設の設計を得意とするデザイン設計事務所です。私たちTOのデザインの強みに関しましては、こちらのページにて詳しく解説しています。ぜひこちらもわせてご参照ください。

店舗賃貸契約の初期費用項目

店舗賃貸契約の初期費用

店舗賃貸契約の初期費用は、主に以下7つから構成されます。

  • 保証金・敷金
  • 礼金
  • 前家賃
  • 仲介手数料
  • 保険料
  • 保証会社利用料
  • 申込金

上記7つの各項目の相場を知ることで、店舗家賃の初期費用の相場・目安を把握することができます。それでは、それぞれの項目を詳しく解説していきます。

保証金・敷金

万が一の家賃滞納に備えた費用が、保証金・敷金です。借りる賃貸物件が事業用なのかどうかによって、保証金・敷金の額が大きく変わってきます。

  • 事業用物件の場合→おおよそ賃料の10ヶ月〜12ヶ月分
  • 事業用物件ではない→おおよそ賃料の3ヶ月〜6ヶ月分

事業用物件の場合は、お店を運営するのが前提となることから、保証金・敷金が高く設定されています。家賃の滞納で退去となった場合、お店の原状回復費用が一般の居住用物件より高額になるためです。事業用物件は、保証金だけでも100万円以上はみておくといいでしょう。

一方、事業用物件でない場合は保証金・敷金の費用は安く済みます。30万〜50万程度です。ただし、事業用物件ではない物件を店舗にする場合、貸主の許可が必要になるので、貸主・管理会社に必ず相談するようにしましょう。

礼金

貸主にテナントを貸してもらうお礼として支払うのが、礼金です。礼金は退去時に返却がありません。礼金の相場は賃料の1ヶ月〜3ヶ月ほどになります。最近では、礼金がない賃貸も増えてきているので、必ず用意する初期費用というわけではありません。

前家賃

テナントの契約時に前もって家賃を納めておくことを、前家賃といいます。契約月と次の月の2ヶ月分を支払うのが、一般的です。入居が月の途中からの場合は、日割り計算でその月の分を払うことになります。

仲介手数料

テナントを契約する際、不動産会社を通した場合は、仲介手数料を支払う必要があります。仲介手数料は、法律で家賃の1ヶ月分が上限と定められています。契約内容によって、支払う金額が異なるのが一般的です。まるまる1ヶ月分を借主が支払う場合もあれば、貸主が0.5ヶ月分、借主が0.5ヶ月分や貸主が全額支払うケースもあります。契約時に仲介手数料がいくらかかるのかを、必ず確認しましょう。

保険料

店舗火災保険や製造物賠償責任保険など、店舗を開業するにあたり入るべき保険が多くあります。特に、火災保険は賃貸契約時に加入義務が課される場合が多いです。入る保険のプランによって金額が変わりますが、月額5000円程度をみておくといいでしょう。不動産屋が保険プランを提案してくることもありますが、自分自身で吟味して保険に入ることも可能です。

保証会社利用料

万が一家賃が支払えなくなった場合に、仮に支払いをしてくれる保証会社の制度があります。貸主を守る保証と言っても過言ではありません。物件によっては、決まった保証会社の加入が必須となることがあるでしょう。保証会社利用料は、家賃の0.5ヶ月〜1ヶ月分が一般的です。

申込金

借りたい物件があった場合、「この物件を借りたい!」と意思表示する際に支払うのが、申込金です。申込金を支払ったからといって、契約に至るというわけではありません。また、申込金は気が変わったなどで契約に至らなかった際、全額が返金されます。申込金を入れた後、契約に至った場合は、申込金が契約金に充当されます。

申込金とにているのが、手付金。物件の借り抑えで支払う費用です。手付金は、申込者が契約をやめた場合預けた費用が返ってきません。一方、オーナーが物件を貸せなくなった場合は、手付金の2倍から数倍にして申込者に返還する義務があります。

店舗賃貸契約の初期費用を安く済ませる方法とは?

店舗賃貸契約の初期費用を安く済ませる方法

テナントを借りる際に初期費用を安く済ませる方法は、「敷金礼金がかからない物件の契約」と「貸主・管理会社に家賃交渉をする」の2つです。2つを意識して実践することで、テナント契約の初期費用を抑えることができるでしょう。

敷金・保証金・礼金がかからない物件の契約

敷金・保証金・礼金がかからない物件も多く存在します。敷金・保証金・礼金がかからない物件に絞って、賃貸物件探しをすることも可能です。たとえば、家賃20万円で敷金・保証金が家賃の10ヶ月分、礼金が家賃の3ヶ月分かかる物件を借りる場合、トータルで260万円ほどかかります。

一方、敷金・保証金・礼金がかからない場合、0円で済みます。敷金・保証金・礼金があるかないかで初期費用に大きく差が出るので、敷金・保証金・礼金があるとしても、できるだけ低額の費用で済むようにするといいでしょう。

貸主・管理会社に家賃交渉をする

家賃をできるだけ下げてもらうのも初期費用を抑えるポイントです。家賃が下がると敷金・保証金・礼金や前払い家賃、保証会社利用料なども一緒に下ります。契約することが前提となりますが、物件を借りる際は、家賃の交渉を貸主にしてみてください。

初期費用だけでなく、開業した後の固定費も安くなるので重要な交渉となります。ただし、人気物件の場合は、家賃交渉をすると、借りられる可能性が低くなるので注意しましょう。

まとめ

人気物件の家賃交渉

この記事では、テナント契約に必要な初期費用の相場・目安を各項目ごとに詳しく解説してきました。この記事の重要なポイントは以下です。

  • 事業用物件は、保証金だけでも100万円以上はみておくといい
  • 事業用物件ではない場合の保証金は30万〜50万程度をみておく
  • 前家賃は契約月と契約の次の月の2ヶ月分を支払うのが一般的
  • 仲介手数料は、家賃の0.5ヶ月分〜1ヶ月分を支払うことが多い
  • テナント契約時に火災保険に入らなければならないため、月額5000円程度をみておく
  • 家賃滞納に備えた保証会社利用料は、家賃の0.5ヶ月分〜1ヶ月分を用意しておく
  • 気に入った物件の借りたい意思表示をするのが申込金
  • 敷金・保証金・礼金がかからない物件を契約すると、初期費用が100万円単位で安くなる
  • テナントを借りる際は、家賃交渉をして家賃を下げてもらうと初期費用が安くなる

テナント契約の初期費用は、店舗開業費用の1/3を締めると言っても過言ではありません。テナント契約の初期費用を抑えることで、店舗の内装費に浮いた費用を充てることができるでしょう。しかし、初期費用を抑えることに焦点を当て過ぎてしまうと、いい物件を逃してしまう可能性もあります。初期費用の目安を把握し、いい物件を借りるためにも、上記のポイントを参考にしてみてください。

私たちTO(ティーオー)は、店舗・オフィスなど商業施設の設計を得意とするデザイン設計事務所です。お客様と「持続可能なお店」を作り上げることを理念として、店舗デザインに対して真摯に向き合い、無理のない最適なプランニングをしております。私たちのデザインしたデザイン事例はこちらのページをご参照ください。