ベニヤ・合板・コンパネの違い|定義と特徴をわかりやすく解説します。

建築設計デザインの基礎知識
建築設計デザインの基礎知識
「店舗の什器を作るにはベニヤ・合板・コンパネのどれを使用するといいんだろう?」
「ベニヤ・合板・コンパネの特徴を詳しく知りたい」

このように、店舗の什器などを作る際に使用する木材はどれが適しているのか、悩まれるオーナーの方は多いのではないでしょうか。この記事では、店舗の什器のなどによく使用されるベニfヤ・合板・コンパネの違いや特徴について詳しく解説していきます。

木材といっても無垢材やベニヤ、合板など種類は数多く存在します。木材の種類それぞれ価格や使用する用途が異なるのが特徴です。なにも考えずに木材の種類を決めてしまうと、後に後悔することになってしまう可能性が。木材選びで失敗しないためにも、この記事をチェックしてみてください。

木材に対する想い・木を使用したデザインの強みはこちらの特集ページでも詳しくご紹介しています。建材としての木材には、デザイン性の他にも様々なメリットがあります。木がお店に与えるデザイン的な効果と、部材としてのメリットを解説します。

ベニヤ板・合板・コンパネの違いとは?

ベニヤ板・合板・コンパネの違い

ベニヤ板・合板・コンパネの違いは板を作る工程。ベニヤ板は一枚板で合板は、複数の板を重ね合わせたものです。合板の種類の一つに該当するのがコンパネになります。分かりやすく表すと以下になります。

  • ベニヤ板→1枚の板からなる木材
  • 合板→2枚以上の複数のベニヤ板を貼り合わせた木材
  • コンパネ→合板の種類の一つ

合板もコンパネも元はベニヤ板から作られている考えていいでしょう。強度や価格などが異なるため、使用する用途も3種類で異なります。次の章でそれぞれの違いを詳しくみていきましょう。

ベニヤ板とは?

合板とは

ホームセンターなどに売っているベニヤ板と表記されている物は、複数の薄い板を貼り合わせた合板であることが多いです。しかし、本来のベニヤ板は木をカツラ剥きした単層の板(1枚の板)になります。

複数を貼り合わせた板ではありません。間違われやすいので注意してください。ベニヤ板は住宅の天井や壁などに使用されることも多く、内装向きの素材といってもいいでしょう。

ベニヤ板のサイズ規格

厚さが0.6mm〜3mm程度の一枚板からできているものがベニヤ板です。

ベニヤ板の価格相場

一般的にベニヤ板の価格相場は500円〜になります。ベニヤ板の厚みが厚くなるごとに値段が上がっていきます。また、ラワンベニヤが一番安くシナベニヤ、曲げベニヤなどになると価格が上がるのが一般的です。ベニヤ合板がベニヤ板と表記されることも多いので注意しましょう。

ラワンベニヤ→500円〜
シナベニヤ→2,000円〜
曲げベニヤ→2,000円〜
化粧ベニヤ→1,500円〜

合板とは?

ベニヤ板を複数枚貼り合わせた木材を一般的に合板と呼びます。横から見ると薄板の層が何枚も重なりあっていることがわかります。あらゆる方向からの衝撃に強く耐久性が高いです。

また、釘やビスなどの保持力も高いため、DIYで家具などを作るのに向いている素材になります。一枚のベニヤ板に比べて反り返りにくいのも特徴です。

合板サイズ規格

ベニヤ合板のサイズ基準は910mm×1820mmです。サブロク(3×6)なんて愛称で建築業界では呼ばれています。サブロクという呼び名は、建築業界などでよく使用される単位の「尺」からきています。ベニヤ合板のサイズを尺に変換すると横3尺で縦が6尺になるということですね。

合板の等級

合板には等級というものが存在します。いわゆるランクです。主に以下4つの等級に分類されます。

  • 特類
  • T1ベニヤ板
  • T2ベニヤ板
  • T3ベニヤ板
・特類
フェミノール樹脂系接着剤が使用されているものを特類と呼びます。ベニヤ合板の中で一番耐水性が高いのが特徴です。湿気の影響を受けにくいため、住宅の耐力壁や構造用耐力部材として使用されます。
・T1ベニヤ板
メラミン樹脂接着剤などが使用されているのがT1に属します。湿気に強く防水性に優れているのが特徴です。主に後ほど紹介するコンクリート型枠用合板や住宅下地用、建物の外装用に使用されます。
・T2ベニヤ板
ユリア樹脂接着剤などが使用されているのがT2になります。T1よりも湿気や耐水性が劣るため、湿気や水に触れることが多い部分での使用には注意が必要です。一般的なベニヤ板がT2に属するので、住宅の内装や家具などに適しています。
・T3ベニヤ板
T3は、T1・T2に比べて耐久性と耐水性が劣ります。湿気が全くない部分での使用に限られるため、現在では生産量が非常に少なくなっています。

合板の価格相場

ベニヤ合板は長さや厚み、種類によって価格が大きく異なります。一般的なサブロク(910mm×1820mm)で1,500円程度から購入できます。また、等級が高くなるほど価格が上がるので、使用の用途に合わせて合板選びをするといいでしょう。

コンパネとは?

コンパネは厚さ12mmの耐水ラワン合板を指す言葉です。一般的に5枚の板が重なって作られており、厚みは12mmです。

本来、コンパネはその名前(コンクリートパネル)の通り、コンクリートの型枠で使用されてるため、見た目を重要視していません。表面がガサついていたり歪んでいるものも多いのが特徴です。しかし、耐水性がとても優れているので、野外用テーブルや看板などにも用いられます。

コンパネのサイズ規格

コンパネのサイズは、900mm×1800mmで厚さが12mmのものが多いのが特徴です。合板中で若干小さめな作りになっています。

コンパネの価格相場

コンパネは塗装ありと塗装なしのもので価格に大きく差が生まれます。無塗装のコンパネは1枚あたり2,000円〜からのものが多いです。

ウレタン塗装が施されているものは、1枚あたり10,000円〜になります。ウレタン以外の塗装は、1枚あたり3,000円〜が多いです。販売店によって価格はバラバラなので、最安値を探してみるといいでしょう。

まとめ

ベニヤ・合板・コンパネの特徴

この記事では、店舗の什器のなどによく使用されるベニヤ・合板・コンパネの違いや特徴について詳しく解説してきました。この記事の重要ポイントは以下です。

  • ベニヤ板は単層(1枚の板)からなる木材
  • 合板は2枚以上の複数の板を貼り合わせた素材
  • コンパネは合板の一種で、コンクリートの型枠に使用されるパネルの略称
  • ベニヤ板は住宅の天井や壁などに使用されることが多い素材
  • 一般的にベニヤ板の価格相場は500円〜
  • 合板は薄板の層が何枚も重なりあっており、あらゆる方向の衝撃に強い
  • ベニヤ合板のサイズ基準は910mm×1820mmでサブロクと呼ばれることが多い
  • 合板は特類、T1、T2、T3の4種類の等級に分けられる
  • 合板は一般的なサブロク(910mm×1820mm)で1,500円程度
  • コンパネは耐水性に優れているが表面が歪んでいたりガサついていることが多い
  • コンパネは塗装の有無で価格が大きく変わる

ベニヤ板・合板・コンパネは混同されることが多く、間違われやすい素材です。基本的にはベニヤ板から作らているということを理解しておくといいでしょう。また、それぞれ特徴が異なるので用途を考えて選ぶ必要があります。木材選びで失敗しないためにも、上記のポイントを参考にしてみてください。

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