意外と知らない階段の種類と名称についてご紹介いたします!

建築設計デザインの基礎知識
建築設計デザインの基礎知識

店舗改装や住宅の改装をしたことがある方の中には「階段の踏面が~㎜です。」「階段の蹴上が~㎜なので少し高いかもしれません」など聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。「階段」は非常に身近な存在ですが、意外と名称を知る機会は少ないと思います。今回は「階段」の名称について解説いたします。

階段の名称

階段にはパーツごとに名称は存在します。それらについて詳しく解説いたします。

階段の名称

踏面

階段の脚を乗せる部分になります。階段一段の奥行を聞かれた場合はこの部分が当てはまります。また建築基準法では住宅では150㎜以上とされています。しかし実際に150㎜をメジャーなどで確認してみると狭く使い勝手が悪いので200-300㎜程度ある場合が多いです。

踏板

踏面の材料となる板を意味します。一般的な木材や金属の他に樹脂など使う場合もあります。

段鼻

段の先端部分を意味します。多くの場合安全のために滑り止めなどが設けられています。

蹴上

階段一段の高さを意味します。建築基準法に寄り住宅の場合は230㎜以下と定められています。蹴上と踏面の寸法により使い勝手は大きく左右されます。理想的な寸法としては蹴上寸法をH、踏面寸法をDとしたときに「2H+D=歩幅」とされています。参考にして見て下さい。

蹴込板

オープン階段踏板と踏板を繋ぐ板を意味します。この蹴上板がない階段を「オープン階段」「透かし階段」などと呼びます。蹴込板がないことで開放的でスタイリッシュな印象にすることが出来ます。しかしスカートを履いている方が来店される場合や、高さに耐性がない方への配慮など注意点も発生するので、有無についてはしっかりと考える必要があります。

蹴込

段鼻の先端から下の段の蹴込板までの寸法を意味します。ここの寸法が大きいと上がりづらい階段になってしまうので注意しましょう。

側桁

階段の両側に斜めに通った板のことを意味します。

手すり

階段の手すりについて落下防止はもちろん、人が安全に行き来することは補助するために設けます。手すりの下の垂直材は手すり子と呼びます。デザインとしては木材を用いた温かみのあるデザインや、金属を用いた洗練したデザインなど多種多様です。また壁付けにするタイプや階段から直接伸びているタイプなどの種類もあります。

そして手すりの高さは850-900程度が使いやすいとされ、バーの部分は壁より40-50㎜離れていると手が入る隙間が生まれて使いやすくなります。また人間の握りやすい太さは30-40㎜程度となっています。

踊り場

階段が長く向きを変える際に生まれる広い階段を踊り場と呼びます。

階段の種類

①直通階段 

住宅で多く用いられるまっすぐで折り返しがない階段です。折り返しがないため段差が急にならないように気を付ける必要があります。

②かね折れ階段

途中でL時に折り返しして踊り場がある階段です。直通階段と比べて使用面積は広がりますが段数も増えるため緩やかな段差にすることが可能です。

③折り返し階段

途中でU字に折り返す階段です。かね折れ階段と同じく使用面積は広がりますが段数も増えるため緩やかな段差にすることが可能です。また折り返しているため落下した際に地面まで一直線で落ちることを防ぐことが可能です。

④螺旋階段

段が螺旋状に並んでいる階段です。意匠的にも優れているため住宅はもちろん店舗で用いられます。

まとめ

今回は「階段」についてまとめました。今回は「階段」の名称について解説いたしましたが、住宅にあるような木材の階段や、ビルなどで用いられる金属性のスタイリッシュな階段、博物館などで用いられる石を用いた階段などたくさんの種類があります。自分の店舗や住宅で「階段」を造りたいと考えている方は名称を完全に知っておく必要はありませんが、知っておくと役立つことも多いかと思いますので是非参考にしてみて下さい。

株式会社TOは店舗やオフィスなどの商業施設のデザインを多く取り扱っています。「お客様が望まれていること」さらに「お客様のお客様が望まれていること」を実現できるように誠心誠意取り組んで参ります。店舗改装や、新規出店、それ以外のことでも何かお困りのことございましたらご気軽にご相談下さい。皆様の理想を叶えるために尽力させて頂きます。