徹底解説!店舗のバリアフリー化のチェックポイント!みんなが使いやすいお店を目指しましょう

店舗デザインのポイント
店舗デザインのポイント

近年、バリアフリー化が進み、多くの店舗でもバリアフリーを取り入れるようになりました。バリアフリー化はお客様が店舗を快適に利用できるかどうか、大きなカギを握っています。これから店舗にバリアフリーを導入したいという方はどこをチェックしたらいいのか、この記事でポイントを確認してみましょう。

私たちTO(ティーオー)は、店舗・オフィスなど商業施設の設計を得意とするデザイン設計事務所です。店舗デザインに対して真摯に向き合い、無理のない最適なプランニングをしております。私たちのデザインの流れについてはこちらのページをご参照ください。

バリアフリーとは?

バリアフリーとは

まずは、バリアフリーがどういうものか知っておきましょう。バリアフリーは1990年代ころから日本でも注目されるようになった建築用語です。「バリア(壁)」「フリー(のぞく)」というもので、もともとは建物内の段差や障壁を取り除くものでした。

しかしバリアフリーは幅広い意味が使われるようになり「すべての方が安心・安全に利用できる設計」として今は定着しています。障がい者や高齢者の方にはもちろん、それ以外のすべての方も障壁を取り除いた設計は過ごしやすく生活しやすいという利点があります。

店舗がバリアフリーを取り入れるメリット3選

店舗がバリアフリーを取り入れるメリット

店舗がバリアフリーを取り入れるには、大きなメリットが3つあります。店舗側はもちろん、お客様の満足度も向上するので、バリアフリーを検討中の店舗はぜひ押さえておきましょう。

障害を持った方も利用できる安心感

障害を持った方は、バリアフリー化されていない店舗はさまざまな不便を感じます。先ほども触れたように、バリアフリーを取り入れている店舗はそう多くありません。

そんな中、たまたま入った店舗がバリアフリー化していたら、障がい者や高齢者の方も満足度があがるでしょう。「このお店は障がい者にもやさしいお店」という気持ちが、お客様に安心感を与えます。

お客様の新規獲得&リピーターの増加

バリアフリー化が進んでいるとはいえ、日本ではまだまだ取り入れていない店舗が多いのも事実です。

そのため、バリアフリーを取り入れている店舗なら、障がい者や高齢者も利用しやすいのでリピーターになってくれる可能性が大きくなります。また、口コミから新規のお客様が来店してくれることも考えられます。

店舗の信頼度が向上

店舗がバリアフリーを取り入れることで、お客様へ与える印象は「信頼」です。「障がい者や高齢者にも配慮した店舗」は、すべてのお客様が安心して利用できる店舗の証。その安心感が店舗への信頼にもつながっていきます。

2020年6月29日の検討会で示された「小規模店舗のバリアフリー化ガイドライン」

小規模店舗のバリアフリー化ガイドライン

バリアフリーに関する問題は、国が挙げて取り組んでいる問題でした。今までは床面積に応じてバリアフリー化を促すガイドラインがありましたが、2020年6月29日に検討会が行われ、小規模店舗に対するバリアフリー化ガイドラインの素案が示されました。

この素案により、床面積に限らず小規模の店舗でもバリアフリー化に取り組みましょうという動きが活発になりそうです。小規模店舗がバリアフリーを導入するには、以下の3点を押さえておけば問題ありません。

店舗の出入口および店内の段差 ・出入口は幅80cm以上にし、段差はなくす
お手洗い ・車いすでも使えるトイレを1つ以上設置する

・複合ビルの場合は共有スペースに1つあればよい

テービルと椅子 ・車いすでもテーブルが使えるよう、可動式の椅子を導入する

・可能な限りローカウンターを設置し、車いす利用者に配慮する

・テーブルの高さは下端65~70cm、上端70~75cm程度にする

こんな場所をチェック!店舗のバリアフリー化するポイント

先ほどの「小規模店舗のバリアフリー化ガイドライン」の素案を元に、店舗のバリアフリーは以下の点をチェックしてみてください。

店舗の出入口

店舗の出入口は、バリアフリー化がもっとも目立つ場所です。ここは、十分な広さがあるか、段差はなくしているかチェックしてみましょう。来店されるお客様は、車いすだけでなくベビーカーを利用する方も想定されます。そのような方ともスムーズにすれ違えるほどの広さがあるのが望ましいです。

段差とは別にスロープを設置することが理想ですが、床面積によっては難しいこともあるでしょう。その場合は、可動式のスロープを保管しておくだけでも十分です。

あわせてドアは自動ドア、もしくはスライド式にするのが理想。また視覚障害を持っている方に配慮し、開閉時に音が鳴るようにするといいでしょう。店舗の出入口にはなるべく物を置かず、すべてのお客様が安心して通行できるようにしてみてください。

店内の通路(動線)

店内の通路もバリアフリーの導入には欠かせません。大前提として店内は段差をなくすこと。フラットな状態の床にしておくと、車いすやベビーカーでの移動もスムーズです。万が一段差を撤去できない場合は、店舗の出入口同様、スロープを設置してみましょう。

お手洗い

店内の通路もバリアフリー

「小規模店舗のバリアフリー化ガイドライン」にもあったように、車いすでも使えるお手洗いの確保が必要です。また車いすの方に配慮し、洗面台や鏡も低い位置に設置するとよいでしょう。

駐車場のスペース

バリアフリーな駐車場のスペース

駐車場も完備した店舗であれば、駐車場にも気を配らなければいけません。障がい者等用駐車スペースは、店舗の出入り口にいちばん近い場所に設けるようにしてください。左右どちらからも乗り降り可能なように、十分なスペースを確保するとよいでしょう。

実は間違いやすいバリアフリーとユニバーサルデザイン

バリアフリーとユニバーサルデザインは、よく間違えられる言葉です。

2つの違いは、誰を対象としたものかということ。バリアフリーは障がい者や高齢者を対象としていますが、ユニバーサルデザインは世界中の人々です。ユニバーサルデザインは、年齢や国籍など問わず、誰でもわかるデザインを目指しています。

まとめ

バリアフリーを導入する店舗

高齢者の割合が多くなった日本では、バリアフリーを導入する店舗は年々増えています。国のガイドラインでも素案が示されたので、これを機にバリアフリー化を目指す店舗も一層増えるでしょう。

店舗がバリアフリーを導入するなら、まず初めに「出入口」「お手洗い」「テーブルと椅子」から取りかかるといいでしょう。自治体によっては助成金が下りるところもありますので、うまく活用してバリアフリーを導入してみてください。

私たち株式会社TOは、施主様と徹底的に向き合い、持続可能な長く続くお店づくりをミッションとしています。私たちがデザインした飲食店の生存率と受賞歴はこちらからご参照ください。