みなさんは「和モダン」という言葉を耳にしたことがありますでしょうか。昨今、単に和風、洋風ではなく、和と洋をミックスさせた「和モダン」というデザインに注目が集まってきています。
古民家をリフォームした古民家カフェの様子がSNSで話題になっていたり、和モダンな部屋のつくり方が多く紹介されていたり、和モダン人気が広まってきています。今回は、和モダンな店舗の内装工事費用と和モダンな空間のつくり方について説明していきます。
こちらの記事で掲載している店舗の画像は、すべて私たち株式会社TOでデザインいたしました。気になるデザインがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
和風店舗デザインの内装工事費用相場
10坪のスケルトンテナントで飲食店、小売店、美容室の業態ごとの和風デザインの内装工事費用は以下のようになっています。一つの目安として、デザイン性と機能性が満たされ、設備を含む場合を例にあげます。
これよりも安い費用相場を解説している会社もありますが、坪単価20万円以下で店舗を計画された場合、ほぼ満足がいく店舗はできないと思います。
業種 | 坪単価 |
飲食店 | 60万円~80万円 |
小売店 | 30万円~40万円 |
美容室やエステサロン | 40万円~80万円 |
和モダンな飲食店の内装工事費用
和モダンな店舗の内装工事費用相場は一般的に以下のとおりです。
内装工事費用相場 | 1坪当たり60万円~80万円 |
また、内装工事費用は、工事する店舗が居抜き物件かスケルトン物件かによっても変わってきます。それぞれの費用相場は以下のようになっています。
スケルトン物件の場合 | 居抜き物件の場合 |
1坪当たり40万円~80万円 | 1坪当たり20万円~60万円 |
居抜き物件の場合は、すでに内装が出来上がっており、元からある部材を生かしながら内装を造り挙げることになります。そのため、居抜き物件の内装工事費用はスケルトン物件の内装工事費用よりも安くなります。
例外的に、居抜き物件でも大がかりな改装を実施するという場合は、費用は高くなります。しかし、そもそもそのような場合は、居抜き物件ではなくスケルトン物件を探しているはずですので、居抜き物件の方が安くなると考えておいて問題はありません。
ただし一般的に、飲食店の物件は、スケルトン状態で貸主に明け渡し(返却)を行うことになっている場合が多いです。内装工事費用を抑えたい場合には、居抜き物件を探すことをおすすめしますが、なかなか条件のそろっている物件が見つかるものではありません。そのため、開業予算を考えるときは、スケルトン物件の場合を想定して資金調達などを進めることをおすすめします。
和モダンな小売店の内装工事費用
小売店(物販)の場合は、平均的な店舗の大きさである10坪前後の店を想定すると、内装工事費用相場は30万円~40万円 / 坪です。
小売店の内装工事費用相場 | 1坪当たり30万円~40万円 |
飲食店の場合よりも相場が低めになっていますが、これは、飲食店で使用するような給排水設備や電気・ガス設備は必要なく、トイレや簡易的な給湯室だけで十分であるためです。
また、小売店の場合でも、居抜き物件の場合、スケルトン物件の場合で内装工事費用が変動し、居抜き物件で使いまわすことができる家具などが多い場合には、デザイン費用をさらに抑えることができます。
一般的に、小売店の場合は居抜きで退去することも多いです。内装に完璧にこだわりたいという場合以外は居抜きで探してみる方が費用を抑えることができます。
和モダンな美容室やエステサロンの内装工事費用
美容室やエステサロンの場合、比較的広めな店舗が多いです。20坪前後の店を想定すると、内装工事費用は坪単価40万円~80万円となり、工事費用としては800万円~1,700万円ほどとなります。
美容室の内装工事費用相場 | 1坪当たり40万円~80万円 |
美容室やエステサロンはお客様の滞在時間が長く、サービスの質のほかに店舗の雰囲気や居心地の良さが集客に大きく影響しますので、内装工事や使用する素材にお金をかけることになります。また、場合によっては保健所の規定をクリアしていなければならないなどの制約も出てきます。
美容室やサロンの場合には、居抜きで物件を確保できたとしても、お客様がくつろげる空間を作るために一度スケルトン状態にして工事しなおすということも珍しくありません。
このような場合には、解体工事が含まれる分スケルトン物件で工事する場合よりも費用が高くなる可能性がありますので、スケルトン物件を探すほうが良いです。
デザイン設計費用の算出方法の違い
和モダンのデザイン設計費用について説明していきます。
デザイン設計費用とは、デザイナーや設計士が内装工事に必要なイメージパース、設計図面などを作成する作業のことです。このデザイン設計費用は、会社ごとに算出方法が異なります。
総工費に対する割合で計算する
総工費に対する割合で計算する会社もあります。内装や外装、電気やガスの工事、インテリア家具や看板の制作費用など、総額の見積もりを実施してから、一定割合の設計費を割り出しています。
この割合は会社によって異なりますが、一般社団法人日本商環境デザイン協会(JCD)のマニュアルでは総施工費の10%~20%前後が推奨されており、これが相場となっていることが多いです。一般的にはこちらの方法が採用されていることが多いです。
坪単価で計算する
一方、坪単価で算出する場合もあります。この場合、単純に1坪ごとの「デザイン単価」を設定しています。会社によっては、一律坪単価3万円と設定していたり、10坪までは5万円、11~20坪は4万円、20坪以上は3.5万円というように店舗の広さによって坪単価を変えて設定していたりします。
和モダン(和風)なデザインの特徴と強み
和モダンとは、ノスタルジックな日本古来の「和」のテイストとスタイリッシュで近代的な「洋」のテイストを融合させたデザインのことで、機能性と見た目の美しさを両立させることが重要になります。
木材や竹、珪藻土や漆喰、和紙や畳など天然素材とクローゼットやカーテン、ベッドなど、洋風な家具などを絶妙なバランスで組み合わせて空間を作り上げていくことになりますので、緻密な計算やバランス感覚、和風建築の豊富なデザイン経験が必要となり、通常のデザイン費用よりも高くなりやすいです。
また、和モダンでは、天井や床、壁、テーブルや椅子などといったお客様の目に触れるところに質のいい素材を使用することが多く、素材の質が良い分値段も高くなります。
和モダンなデザインでは、限られた予算の中でどこにこだわりを持ち、どれくらいの予算を投入するのかが重要になってきますので、デザイナーと入念に相談しながら進めていく必要があります。
和モダンを採用するメリットとして、和のテイストを取り入れることで、落ち着きのある空間を演出できるほか、洗練されたデザインを作り上げることで、お客様の印象に残すという効果も期待できます。
和モダンで他店との差別化を図っていきましょう
今回は、和風店舗デザインの費用相場について説明してきました。単に純和風にするだけでは、差別化が難しく、現代的な様式になれた現代人には居心地が悪くなってしまう可能性があります。
そこで検討したいのが現在のスタンダードになりつつある和モダンです。昔ながらの良さを取り入れながら、現代の雰囲気も残している和モダンで他店との差別化を図っていきましょう。
和モダンデザインのことなら私たちにTOにご相談ください。
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