美容室の店舗デザインの費用相場は?|実際に掛かる費用をこれまでの経験と実例をもとに解説します

物販店の店舗デザイン
物販店の店舗デザイン

これから美容室を開業しようという方に、店舗デザイン費用は大きな問題といえるでしょう。なるべく費用は抑えたいものの、妥協した店舗デザインでは、今後の経営にも大きな支障が出てしまいます。

美容室の店舗デザインの費用相場とポイントについて解説します。内装工事費を左右する項目や、店舗デザインを抑えるコツなども紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

こちらの記事で掲載している店舗の画像は、すべて私たち株式会社TOでデザインいたしました。気になるデザインがございましたら、お気軽にお問い合わせください

美容室の店舗開業にかかる費用相場

一般的な広さと言われる18坪〜25坪程度の美容室の店舗開業にかかる相場は、500万円~1,500万円程度です。坪単価30万円~60万円と見ておくのが妥当と言えるでしょう。ただし、入居する物件の状態、店舗の広さや立地、使用する部材によって大きく異なりますのであくまで目安としてお控えください。

また、近年の材料の高騰により、相場よりも高くなる可能性もありますので常にチェックしておきましょう。事項では、費用の内訳を解説します。

美容室の店舗開業にかかる費用のおもな内訳

美容室の店舗開業にかかる費用は、おもに3つの費用に分けられます。それは、内装工事費用、デザイン設計費用、設備費用です。具体的にそれぞれの内訳について見ていきましょう。

内装工事費用

内装工事費用

店舗デザイン費用の中でも大きな割合を占めるのが、内装工事費用です。

18坪〜25坪程度の店舗で、居抜き物件の場合だと、相場は200万円~600万円ほどです。スケルトン物件の場合だと、1,000万円から最大で3,000万円程度かかります。

当然、これらの費用は店舗の大きさやなどによって変動します。内装工事費用は、さらに建築工事費と設備工事費とに分かれます。

建築工事費

建築工事費は、壁や床の張り替え、塗装仕上げ、建具やガラス工事、造形家具の製作などです。使用する部材のグレードやレイアウトによって建築工事費は大きく変動します。また、夜間工事や短期間での工事など、工事する時間に限りがあると、人工が必要になり費用が上がります。

設備工事費

設備工事は、インフラ工事(電気ガス水道の引き込み)や防災、空調工事などがあたります。カットスペースごとにコンセントを設けたり、シャンプー台などを複数設置したりする場合、設備工事費が上がります。

デザイン設計費用

デザイン設計費用

設計費用とは、依頼者と施工主の話し合いの元、依頼主の要望やイメージから図面を作製する際にかかる費用です。設計費用は、面積から決める場合と総施工費から決める場合が一般的です。

面積から決める場合の相場は、坪単価3.5万円~12万円程度となります。一方で総施工費から決める場合は、総施工費の10%~20%が相場です。

設計費用には、商品棚や椅子の配置、空間デザインなども含まれます。基本的に店舗が狭いほど坪単価は高くなります。また、ほとんどのデザイン事務所では、デザイン設計の最低請負金額を設定しています。狭小店舗などでは、前述の計算ではなく、最低請負金額が適用される場合が多いです。

設備費用その他の費用

設備費用その他の費用

美容室の場合、設備導入にも多くの費用が必要です。例えば、カット用の椅子(スタイリングチェア)は一つにつき約10万円〜20万円、シャンプー台は50万円〜100万円程度かかります。これらの機材を何台購入するかによって、必要な初期投資額が大きく異なります。

20坪程度の美容室で、新品で一式を揃える場合は、200万円〜300万円程度がかかると言われています。主な費用相場は以下になります。ただし、中古品などもあり、かなり変動が激しいため、あくまで大まかな目安相場としてお控えください。

美容機器 相場価格
シャンプー台(椅子とボウル一体型) 50万円~100万円
シャンプー椅子のみ 30万円~50万円
シャンプーボウルのみ 5万円~20万円
スタイリングチェア
※手動と電動で大きく異なる
2万円~30万円
パーマ器具 10万円~40万円

他にも、空家賃や追加の施工費がかかる場合もあります。開業資金は余裕をもって準備しておきましょう。

美容室の内装工事費を左右する3つの項目

美容室の内装工事費

美容室開業にかかる費用について紹介しましたが、いずれも費用相場は大きな開きがあります。その開きを左右するのが、店舗の広さ、物件の種類、工事内容です。3つの項目についてそれぞれ解説します。

店舗の広さ(坪単価)

美容室の内装工事費は、当然、店舗の広さによって坪単価が変わってきます。一般的な美容室の広さは18~25坪です。しかし、それよりも狭い美容室はたくさんあります。では、店舗の広さによってどのくらい坪単価が変わるのでしょう。以下は坪単価の一般的な相場目安となります。

  • 10坪の坪単価・・・約50万円〜
  • 15坪の坪単価・・・約40万円〜
  • 20坪の坪単価・・・約30万円〜

この坪単価は、内装工事だけでなく、設備工事にも大きく関わってきます。例えば、エアコン1台設置するのにも、坪単価から算出されるため、設置費用も10坪と20坪では異なるのです。

物件の種類

物件の種類は、大きく分けて居抜き物件、新築物件、改築物件に分かれます。この中でもいちばん費用を抑えられるのが居抜き物件です。新築物件は、すべてをイチから作り上げるため、費用は何千万円とかかることもあります。また、改築物件は新築物件に比べ費用はかかりませんが、スケルトン物件など、全面改築する場合は費用が高くなります。

補修工事や基礎工事の有無

店舗に限ったことではありませんが、工事は、お客様の目に触れる部分と隠れている部分の工事があります。店舗の場合、どうしても目に触れる部分に工事の焦点をあてがちですが、実は目に見えない隠れている部分の工事も大切です。

隠れている部分は、おもに土台を修復する工事です。物件が古い場合、劣化している個所も多いため、補修工事が必要になることもあります。

美容室の店舗デザイン費用を抑えるコツ

美容室にとって、店舗デザインは集客を大きく左右すると行っても過言ではないと思っています。飲食店と違い「料理」で差別化ができないため、人を惹きつけるデザインや居心地の良いデザインなどが集客のカギとなります。

安かろう悪かろうの店舗デザインの妥協はおすすめできません。もし、予定よりも費用がかかるようなら、以下の方法で店舗デザイン費用を抑えてみましょう。

居抜き物件を活用

店舗デザインにかかる費用でも説明しましたが、居抜き物件を活用すると大幅に費用を削減できます。居抜き物件とは、前の借主が使っていた設備や内装が残ったままの物件です。

例えば、前の借主が美容室であれば、設備や銃器をそのまま使える可能性が高くなります。また、内装工事の工期も短くなるのも大きなメリットです。

ただし、居抜き物件は前のテナントのイメージが残っていることが多く、評判も引き継がれる可能性が高くなります。美容室を開業するにあたって、イメージの脱却や評判の払拭など、尽力的に活動することが求められます。

施工全般に対応した業者選び

店舗デザインでは、さまざまな業者がかかわってきます。費用を抑えるのにおすすめなのが、デザイン設計と施工工事全般をトータルで請け負っている業者です。

というのも、デザインだけ、工事だけ、とそれぞれの業者に依頼した場合、どうしてもマージンがかかり費用がかさみます。また、設計費用に関しても、トータルで請け負っている業者の方が安い傾向にあるのです。

弊社TOはデザインから施工・店舗プロデュースまで、弊社のパートナーと一気通貫で請け負っております。

複数業者からの見積もり

業者選びで大切にしたいのが、複数業者からの見積もりです。1社だけの見積もりでは、相場(価格)や、クオリティに関する情報、プロデュース範囲、担当者との円滑なコミュニケーション、施工期間などは分かりません。

いくつかの業者から見積もりを出してもらい、そのコミュニケーションの中から上記のような項目を判断するといいでしょう。複数業者からの見積もりは、他の業者にも見積もり依頼していることを伝えるのがマナーです。場合によっては、価格交渉しやすい状況になります。

使用する素材の見直し

サロンの店舗デザイン

近年は、物価高騰により使用する素材も高くなっています。そのため、使用する素材も見直してみるといいでしょう。高級な素材ばかり使うと、店舗デザイン費用も莫大に跳ね上がります。

例えば、お客様の目に触れない場所に価格の安い素材を使うだけでも、費用は十分抑えられます。材料費を抑えるためには、使用する素材のメリハリをつけることも大切です。

美容室の内装業者を選ぶポイント

ここからは、美容室の店舗デザインを手掛ける内装業者の選び方について、ポイントを紹介していきます。トラブルに見舞われないためにも、事前に確認しておきましょう。

豊富な施工実績があること

美容サロンのデザイン

まずは、豊富な実績のある業者を選ぶようにしましょう。経験の浅い業者へ依頼すると、トラブルや品質の低下などのリスクが伴う可能性があります。豊富な施工実績があると、適切なコストを算出でき、無駄のない工期を組むことができます。

そのためにも、気になる業者のホームページは要チェックです。過去の実績はもちろん、お客様の声を載せている業者もあるので、今後の参考になるでしょう。

得意なデザイン

床屋のデザイン

どの業者へ工事を依頼するのか悩んだら、業者の得意なデザインを参考にしてみるのもおすすめです。内装業者は、それぞれデザインの得意不得意があります。自分のイメージにあったデザインを採用していたら、打ち合わせ時も話がスムーズに進むでしょう。

過去にどんなデザインを採用しているかは、各社のホームページで確認できます。美容室のデザインがあればいちばんですが、他業種のデザインを見るだけでも、その業者の強みが見えてくるのでおすすめです。

コミュニケーション体制

美容室のデザインに強い名古屋の事務所

店舗デザインはもちろん、予算や工程などに関しても依頼主に寄り添ってくれる業者かも、重要なポイントです。

依頼主の要望を聞くのはもちろんですが、専門家ならではの意見も取り入れてくれると安心するでしょう。依頼主とのコミュニケーションを大切にしている業者あれば、工程期間中でも適切なアドバイスを受けられます。

美容室の店舗デザインはTOにお任せください

美容室サロンのモダンなデザイン

美容室の店舗デザインにかかる費用相場は、物件の種類や地域に、店舗の広さによって異なります。その中でも、内装工事や設備工事などは費用にかかる割合が大きいため、安心、信頼できる業者へ依頼しましょう。

美容室の店舗デザインは、お店の顔といっても過言ではありません。どれだけ居心地のよい空間をお客様に提供できるかによって、集客も大きく左右されます。

店舗デザインに関しては、納得いくまで費用をかけてください。その分、コストカットできるところは、業者と打ち合わせをして費用をおさえてみるといいでしょう。

私たちTO(ティーオー)は、店舗・オフィスなど商業施設の設計を得意とするデザイン設計事務所です。店舗デザインに対して真摯に向き合い、無理のない最適なプランニングをしております。私たちのデザインの流れについてはこちらのページをご参照ください。