「お店でデリバリーとテイクアウトを始めようと考えているけど、必要な許可とかあるのかな?」
「デリバリーとテイクアウトを始める際に必要な許可が多すぎてよくわからない」
このように、飲食店を運営していて、デリバリーやテイクアウトを始めようと試みている、オーナーの方は多いのではないでしょうか。
この記事では、飲食店がデリバリーとテイクアウトを始める際に必要な許可一覧を解説していきます。昨今は、コロナウイルスの影響で、集客や売上の獲得に苦しんでいる飲食店が多いのが現状。現状を打開すべく、デリバリーやテイクアウトを始める飲食店が多くなってきています。
しかし、必要な許可を取らずにデリバリーやテイクアウトを始めてしまうと、後に罰則を受けることになってしまう可能性が。デリバリーとテイクアウト営業で違反をしないためにも、この記事で詳細をチェックしておきましょう
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デリバリーとテイクアウトの営業には許可が必要?
デリバリーとテイクアウトを始める際に疑問となるのが、飲食店営業許可の他に必要となる許可があるかどうかです。結論から言うと、飲食店営業許可だけで済む場合と、飲食店営業許可以外の許可が必要となる場合があります。
たとえば、いつも出しているメニューをデリバリーやテイクアウトとして提供する場合は、飲食店営業許可だけで済みます。一方、デリバリーやテイクアウトで販売する用に惣菜を多めに作ったり、肉の加工品を少しずつ販売する場合は、それぞれに義務付けられている許可が必要です。
飲食店営業許可以外の許可が必要かどうかの線引きは、難しい部分も多いので、事前に保健所に確認しておくといいでしょう。
デリバリーとテイクアウトの営業で必要な許可一覧
デリバリーとテイクアウトの営業で必要な許可は、「調理品」と「仕入れ品」、「その他」の3つに分かれます。それぞれ、細かい許可が義務付けられているので、許可の取り忘れに注意しましょう。
調理品のデリバリーとテイクアウト
調理品のデリバリーとテイクアウトで取得することが多い許可が以下3つです。
- 惣菜製造業の許可
- 食肉製品製造業の許可
- 菓子販売業の許可
上記それぞれの許可の内容を詳しく解説していきます。
惣菜製造業の許可
惣菜類(煮物や炒め物、蒸し物、揚げ物、酢の物など)を作りデリバリーやテイクアウトで販売する際に必要なのが惣菜製造業の許可です。製造施設や製造設備が都道府県知事が定めた基準に適していなければなりません。惣菜に当てはまる範囲は広いので、管轄の保健所に確認しておきましょう。
食肉製品製造業の許可
ソーセージやベーコン、ハムなどの食肉加工品を作りデリバリーやテイクアウトで販売する場合は、食肉製造業の許可が必要です。基本的に、出来上がっているソーセージやベーコンなどを炒める分には、食肉製品製造業の許可は必要ありません。しかし、食肉を50%以上含むハンバークやミートボールなども含まれるので、ハンバーグやミートボールを提供する場合は、許可が必要になります。
菓子販売業の許可
菓子販売業は、デザートになるケーキなどのお菓子やパンなどをデリバリーやテイクアウトで販売する際に必要になります。一般的な飲食店のデザートとしてケーキなどを提供する場合は、飲食店営業許可で済みます。しかし、テイクアウトやデリバリーとなると、菓子販売業の許可が必要となる可能性が高いので、事前に確認しておいてください。
仕入れ品のデリバリーとテイクアウト
仕入れ品のデリバリーとテイクアウトをする際に必要となることが多い許可が以下4つです。
- 食肉販売業の許可
- 魚介類販売業の許可
- 食料品等販売業の許可
- 酒類販売業免許
それでは、上記4つの内容について詳しくみていきましょう。
食肉販売業の許可
焼肉店がテイクアウトやデリバリーで焼肉セットやすき焼きセットを販売する場合は、食肉販売業の許可が必要となります。食肉販売業の保健所のチェックは厳しいので、事前に管轄の保健所に確認しておくといいでしょう。
魚介類販売業の許可
魚がメインの居酒屋やレストランなどで、仕入れた魚をそのままテイクアウトとして販売する場合は、魚介類販売業の許可が必要です。焼き魚や刺身などをテイクアウトやデリバリーで販売する際も必要になります。
食料品等販売業の許可
仕入れた弁当類や惣菜類、乳製品、食肉製品、魚介類加工品などをデリバリやテイクアウトで販売する場合は、食料品等販売業の許可が必要になります。他の業者に委託して商品を作ってもらう際は、必須の許可となります。
弁当類が含まれるので、多くの飲食店がデリバリーやテイクアウトをする際に取得することの多い許可の一つでしょう。食料品等販売業は、包装食品を販売する場合や販売店舗が条件に満たしていると、保健所の定めている施設基準が緩和されます。事前に管轄の保健所に確認しておくといいでしょう。
酒類小売業免許
デリバリーやテイクアウトで未開封または開封済みの酒類を販売する場合は、酒類小売業許可が必要になります。都道府県を超えないデリバリーとテイクアウトに限り販売が可能です。
また、コロナ禍の飲食店の救済処置として、2020年から期限付酒類小売業免許を国税庁が許可しています。期限付酒類小売業免許は、通常2ヶ月ほどかかる手続きを後回しにでき、取得日から6ヶ月間の期限付きで酒類を販売できるようになります。
長期で酒類をデリバリーとテイクアウトする際は、通常の酒類小売業免許を取得するのが最適といえるでしょう。酒類小売業免許は、保健所ではなく、税務署になるので注意してください。
その他必要な許可
デリバリーを行う際に気をつけなければならないのが、貨物自動車運送事業の許可です。特定の者の需要・他人の需要に応じて有償で自動車を使用して貨物を運搬する場合は、貨物自動車運送業の許可を得なければなりません。
従って、デリバリーで自動車を使用する際は、国土交通大臣が定めている貨物自動車運送業の許可が必要ということになります。許可を得ないでデリバリーを行なっていると罰則の対象となるので注意しましょう。なお、デリバリーを自転車やバイクで行う際は、貨物自動車運送業の許可を取る必要はありません。
まとめ
この記事では、飲食店がデリバリーとテイクアウトを始める際に必要な許可一覧を解説してきました。この記事の重要ポイントは以下の通りです。
- デリバリーやテイクアウトを始めるとき飲食店営業許可の他に許可が必要になる場合がある
- 惣菜製造業の許可はデリバリーやテイクアウトを行う際に必要となる可能性が高い
- 食肉を50%以上含むハンバークやミートボールを作って販売する場合は食肉製品製造業の許可が必要
- 焼肉セットやすき焼きセットを販売する場合は食肉販売業の許可が必要
- 焼き魚や刺身などをテイクアウトやデリバリーで販売する際は魚介類販売業の許可が必要
- 製造を委託して商品を仕入れてデリバリーやテイクアウトで販売する場合は食料品等販売業の許可が必要
- コロナの影響に伴い2020年から期限付酒類小売業免許を国税庁が許可している
- デリバリーを自動車でする場合は、貨物自動車運送業の許可を取る必要がある
デリバリーとテイクアウトを始める際は、事前に何の許可を取得しておくべきかを確認しておく必要があります。無許可で運営していると罰則の対象となるので注意しましょう。上記のポイントを押さえて、デリバリーとテイクアウトをスムーズに初めていただけたらと思います。
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