名板貸(ないたがし)とフランチャイズの違いとは?店舗運営の基礎用語をわかりやすく解説します

店舗独立開業のポイント
店舗独立開業のポイント
「飲食店の運営で耳にする名板貸とフランチャイズの違いはなんだろう?」
「名板貸とフランチャイズそれぞれのメリット・デメリットを知りたい」

このように、飲食店の開業を考える中で、名板貸またはフランチャイズを利用するか悩んでいる方は、多いのではないでしょうか。名板貸とフランチャイズの基礎知識や違い、メリット・デメリットを解説していきます。

名板貸とフランチャイズはそれぞれ異なった特徴を持ちます。なにも理解せずにどちらかの契約を結んでしまうと、のちに後悔する可能性が。飲食店の開業後に後悔しないためにも、この記事をチェックしてみてください。

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名板貸(ないたがし)とは?

名板貸とは

名板貸は、これから開業する飲食店が他の飲食店の商号を使用して営業することを指します。つまり、元からある飲食店がこれから開業する飲食店に対して、「うちの商号(店舗の名前)を使って運営していいよ」という許可を出すことです。

商号の使用を認める飲食店を名板貸人、商号の使用を許可された飲食店を名義譲受人と呼びます。名板貸人は、名義譲受人と連帯責務を負う必要があると、商法14条で定められています。したがって、名義譲受人がおこなった取引で借金が発生した場合について、弁済の責任を負わなければなりません。

フランチャイズとは?

フランチャイズとは

フランチャイズは、親会社と加盟店が契約をし、商標の利用やサービス販売の権利、商品の供給、経営ノウハウの提供や指導をおこなう形態です。

コンビニエンスストアやドラッグストアなどによく利用されます。親会社をフランチャイザー、加盟店をフランチャイジーと呼びます。加盟店は親会社からサポートを受けられるため、仕入れ先などを見つける必要がなく、スムーズな開業が可能です。

親会社はサービスの提供やサポートをする対価として、加盟店からロイヤリティーや加盟金をもらいます。フランチャイズチェーンの社名や店名などを使用するのが一般的です。

しかし、別の店名を利用する場合もあります。加盟店が親会社の社名や店名などを使用してトラブルが生じた場合、親会社が責任を負うケースもあります。

名板貸とフランチャイズの違いとは?

名板貸とフランチャイズの違い

名板貸とフランチャイズの決定的な違いは、「ノウハウやサポートの提供」と「責任の範囲」の2つです。それぞれの違いを把握しておきましょう。

ノウハウやサポートの提供の違い

名板貸は基本的に商号を使用する権利のみが許可されます。経営に関するノウハウや商品、仕入れなどのサポートを含んでいません。一方、フランチャイズ契約は、経営に関するノウハウから商品、仕入れのサポートなど全てが含まれます。

スムーズに開業をするには、フランチャイズ契約が最適でしょう。名板貸でも名板貸人の好意で、運営のサポートをしてくれる場合があります。

責任範囲の違い

名板貸は「名板譲受人によって生じた損失の一部を名板貸人が責任を負う」という特有の責任範囲があります。たとえば、商号を貸した「飲食店A」が経営不振で閉店になり、仕入れ先などの負債が残った場合、貸した側にも負債の責任が求められます。

一方、フランチャイズはほとんどの場合、親会社が責任を負いません。「親会社と加盟店は同じ名前だが、別の独立した事業者である」という取り決めがされています。加盟店によって発生した負債は、加盟店の責任のみになることが多いです。

名板貸のメリット・デメリット

借りる側のメリット

・知名度のある商号を掲げて運営できる
・運営や仕入れを自由にできる

借りる側のデメリット

・経営のノウハウや商品、仕入れのサポートを受けられない
・赤字でも商号を借りている料金を支払う必要がある

経営のノウハウやサポートをする余裕はない有名店は多く存在します。板貸を利用すると、ある程度の集客や売上に期待できるでしょう。

ただし、名板貸は、経営のノウハウやサポートを受けられないため、余裕をもった開業の準備と現実味のある収支計画をする必要があります。

フランチャイズのメリット・デメリット

加盟店のメリット

・運営ノウハウの提供や経営のサポートが受けられる
・未経験でも開業できる
・チェーン店のブランド力で集客できる
・広告は親会社がしてくれる
・サービスに最適な設備を提供してくれる
・銀行の融資が通りやすい
・開業資金を抑えられる

加盟店のデメリット

・他の店舗のトラブルによるリスクがある
・自由な運営や仕入れができない
・赤字でもロイヤリティを支払う必要がある

飲食店の経験がなくても開業できるのがフランチャイズを利用するメリットです。運営ノウハウや経営サポートを受けられるため、スムーズに開業できるでしょう。

また、銀行の融資が通りやすく、自己資金が少なくても開業できる可能性が高いです。ただし、フランチャイズは他の店舗で起きたトラブルが、直接的に集客や売上に影響します。

運営や仕入れは制限され、自由な経営ができません。自分自身の力で運営したい場合は、フランチャイズの利用はやめた方がいいでしょう。

まとめ

名板貸とフランチャイズそれぞれメリット・デメリットがあります。開業する飲食店に合わせて、利用を検討するといいでしょう。飲食店の開業で迷った際は、弊社TOにご相談ください。

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