店舗の建設協力金方式(リースバック方式)とは?メリット・デメリットと契約時の注意点を解説します

店舗独立開業のポイント
店舗独立開業のポイント
「飲食店の開業に係る、リースバック方式ってなんだろう?」
「リースバック方式で出店するメリット・デメリットを知りたい」

このように、店舗の出店でリースバック方式が気になるけど、よく分かっていない方は多いのではないでしょうか。リースバック方式を上手く活用すると、希望する店舗を建てられたり、月々の支払いが安くなったりするメリットをもたらします。

しかし、リースバック方式のデメリットを把握しないで利用すると、のちに後悔する可能性が。この記事では、リースバック方式の基礎知識からメリット・デメリット、契約を結ぶ際の注意点について解説していきます。リースバック方式を上手く活用するためにも、ぜひ最後までお読みください。

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リースバック方式とは?

リースバック方式とは

貸し付けられた資金で土地の所有者が、事業主の希望に沿った店舗を建てて、賃貸借契約を結ぶ事業形態です。以下の流れでリースバック方式はおこなわれます。

①事業主は出店・開業したい希望の土地の所有者に対して、建設資金(建設協力金)を貸付けます
②土地の所有者は貸付けられた資金で、事業主の希望に沿った店舗を建てます
③店舗が建設されたら、土地の所有者は事業主と店舗の賃貸借契約を結びます
④契約締結後、事業主は店舗を開業します

リースバック方式で用いられる貸付け金は、低金利または無利子になる場合が多いです。また、建物を建設する資金を用意するのは難しく、個人事業主での利用は少ないです。

基本的には、フランチャイズ契約などで用いられます。フランチャイズ契約を結ぶと、リースバック方式の店舗を紹介される可能性があるでしょう。

リースバック方式のメリット

リースバック方式のメリット

リースバック方式を利用するメリットは以下4つが挙げられます。

・希望する建物を建築できる
・長期にわたって物件の使用ができる
・造作買取請求権の対策ができる
・月々の支払いが安くなる

リースバック方式を上手く活用するためにも、メリットを把握しておきましょう。

希望する建物を建築できる

建設協力金を貸付けて店舗を建ててもらうため、借主の理想に沿った外装や内装ができあがります。一般的なテナントでは、希望通りの土地や外装、内装である可能性は極めて少ないため、大きなメリットといえるでしょう。最初からリースバック方式にすると、物件探しの手間がかかりません。

長期にわたって物件の使用ができる

リースバック方式の場合は、貸主が5〜20年ほどかけて貸付け金を返済します。したがって、借主が中途解約をしない限り長い間契約を続けることが可能です。長期にわたり物件の使用ができるため、事業計画が立てやすく経営を効率的に進められるでしょう。

造作買取請求権の対策ができる

一般的な賃貸借契約を結ぶ際、土地の所有者が借主に対して、契約終了時に建物を時価で買い取ってもらう造作買取請求ができます。したがって、場合によっては契約終了時に建物を買取る必要がでてきます。一方、リースバック方式の場合は、契約時に造作買取請求権の放棄が可能です。造作買取請求権を放棄すると、契約終了時に建物を買取る必要がなくなります。

月々の支払いが安くなる

貸主からの貸付け金の毎月の返済分が家賃と相殺されます。よって、毎月の家賃は少なくなります。加えて、店舗の所有者は貸主になるため、固定資産税や修繕費などもかかりません。家賃以外の固定費も抑えられるでしょう。

リースバック方式のデメリット

リースバック方式は以下3つのデメリットをもたらします。

・利用できる事業主が限られる
・中途解約をすると保証金が戻ってこない特約を結ばれる
・建築費用の高騰でトラブルになる可能性がある

のちに後悔しないためにも、必ずデメリットを考慮した上で検討するようにしてください。

利用できる事業主が限られる

店舗を一から建てる場合、高額な資金が必要になります。個人事業主の方が用意するのは困難な場合が多いでしょう。よって、リースバック方式を利用できる事業主は、限られてしまうのがデメリットとして挙げられます。

中途解約をすると保証金が戻ってこない特約を結ばれる

一般的に貸主は、借主が中途解約をした際、貸付け金の残債の支払いの免除をする特約を付けます。したがって、契約が満了する前に解約すると、大きな損失を被る可能性があるでしょう。

建築費用の高騰でトラブルになる可能性がある

建設材料の高騰により着工後にトラブルを招く可能性があります。たとえば、着工時点の見積もりより材料の値段が上がり、貸主に請求するケースです。貸主が請求を承諾し、事業主に対して追加の貸付け金を要求すると、トラブルに発展するでしょう。事前に話し合っておくことで、トラブルを防ぐことができます。

リースバック方式の契約時の注意点

リースバック方式の契約時の注意点

リースバック方式で契約する際は、「メンテナンス費用が含まれているか」と「返済期間」をチェックするようにしましょう。基本的に、貸主は家賃にメンテナンス費用を含めます。メンテナンス費用が高すぎないかを必ずチェックしてください。

また、返済期間を確認しておくことで、いつ損失なく解約できるのかが分かります。飲食店を経営する上で重要なポイントとなるため、必ず確認するようにしてください。

まとめ

リースバック方式は、上手く活用すると安定した経営が可能になるでしょう。ただし、デメリットを考慮した上で利用しないと、後に後悔するでしょう。店舗の開業で悩んでいる場合は弊社TOまでご相談ください。

私たち株式会社TOは、施主様と徹底的に向き合い、持続可能な長く続くお店づくりをミッションとしています。私たちがデザインした飲食店の生存率と受賞歴はこちらからご参照ください。