飲食店の開業・運営に欠かせない売上予測の立て方をわかりやすく丁寧に解説します

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店舗独立開業のポイント

飲食店を経営するにあたって、日々考えなければならない「売上」。売上は飲食店に関わらず、どんな事業でも長く継続するためには必要な指標です。この売上を安定させるために、数値化して予測するのが「売上予測」です。

本記事では、飲食店の開業・運営に欠かせない売上予測の立て方を5分で分かりやすく解説します。これから、飲食店の開業や経営を考えられている方は、本記事を参考に売上予測を立ててみてください。

また、株式会社TO(ティーオー)はデザイン設計会社です。デザイン設計はもちろん、お店作りの構想段階からご相談に乗っていますので、売上予測や事業計画の立て方にお悩みや不安がある方はお気軽にご相談ください。

売上予測はデータに基づいた詳細な売上の予測データ

売上予測はデータに基づいた詳細な売上の予測データ

売上予測とは、さまざまなデータを元に導き出す詳細な売上の予測データです。飲食店経営時の、経営戦略や営業戦略などを考える際に必要なデータの1つとなります。主に、客数や稼働率などから分析し「どれくらいの期間で」「どれくらいの売上げを出せるか」などを数値化していきます。

一般的に1週間、1ヶ月、1年とさまざまな単位で作られる場合が多いです。また、数値化すると同時に、グラフやデータにするとより売上動向が可視化され、分析しやすくなります。

売上予測と売上目標との違い

売上予測と売上目標との違い

売上予測といえば、よく一緒に「売上目標」と比べられている場面が多いです。売上目標とは、現在の実績から希望とする売上の目標数値です。

違いとして、詳細にデータから分析して導き出した売上予測とは違い、経営者の感情や見込みから算出したデータのため正確性が異なります。しかし、売上目標も飲食店を経営する上で、モチベーションや経営戦略に必要となるデータです。売上予測を立てる際に、一緒に作成しておきましょう。

正確な売上予測を立てる重要性

正確な売上予測を立てる重要性

正確な売上予測を立てる重要性として、発注費や人件費の管理が必要になるためです。飲食店を経営する際、食材や調味料の在庫管理は重要となります。もし適当な売上予測を立ててしまい、発注してしまうと材料不足が起こったり、多く余らせて腐ってしまったりする可能性があります。

また、従業員のシフト作成の場合も回転率が低い時期に従業員を多く出勤させてしまい、人件費に大きな損失を生む可能性もあるでしょう。売上予測を立てる際には、より正確なデータでの作成をおすすめします。

飲食店の売上予測を立てる方法と必要な4つの要素

飲食店の売上予測の立て方

基礎的な飲食店の売上予測を立てる方法は、次の4つのデータと計算式で導き出せます。

売上予測=「客席数」×「客単価」×「回転率」×「客席稼働率」

売上予測を立てる際の上記の4つのデータを使用し、この4つを深く理解しておくと正確な売上予測が立ちやすいです。後ほど、4つのデータの意味や計算方法を詳しく解説していきます。

また、この計算式は1日の売上予測となるため、1カ月分を作成する際は「1日の売上予測×1カ月の稼働日数」で導き出せます。この際、休日の売上予測や連休の売上予測を立てておくと、より正確な売上予測が作成できます。

客席数

客席数は、飲食店内でお客様が座れる席の総数です。店舗の面積によって変化する数値で、間取りの組み合わせにより変化します。飲食店は、主に厨房と飲食スペースの2つに分かれており、双方の割合は飲食店の業種によって変化します。

この際、飲食スペースの割合としてカフェやバーは約80%、居酒屋や酒場は約70%、レストランや食堂は約60%の比率が一般的です。一部例外もありますが、FD比率のフード売上率が低ければ飲食スペースも広くなり、客席数も増やせます。また、カウンター席やテーブル席によって客席も変化するため、さまざまな間取りを検討しましょう。

客単価

客単価は、1度の来店でお客様の1人あたりの購入総額を意味します。例として、ハンバーグ定食1,000円とドリンク1杯300円を注文された場合、客単価は1,300円です。飲食店の客単価を上げる方法として、メニューの価格を高く設定しておいたり、セットメニューを準備して一食の客単価を上げるなどの方法があります。また、カップルや家族連れでの注文した際の客単価もあらかじめ考えておくと、より正確な数値が導き出せます。

回転率

回転率は、飲食店内の客席数に対して、何回その席でお食事をされたかの数値です。計算方法は「1日の客数÷客席数」で導き出せます。例として、客席数10席の飲食店に1日30組のお客様が来店した場合、「30人÷10席=3回転」となります。

回転数を上げるには、注文対応やレジ対応などのスタッフ業務をスムーズに行い、お客様に対して素早く対応する工夫が必要です。しかし、単純にお客様に早く食べてもらい帰ってもらうという訳ではありません。リピート率を上げるためにも、お客様第一のサービスを行いましょう。

客席稼働率

客席稼働率は、飲食店の客席がどのくらい使われているかを表す数値です。飲食店の客席数とお客様1組の来客数などによって大きく変化します。計算方法は「満席時の来客数÷客席数」で導き出せます。例として、4人掛けの3つテーブル(合計12席)に、2人組と3人組と4人組のお客様をそれぞれ席にご案内した場合、「9人÷12席=0.75」となり客席稼働率は75%です。

もちろん、カウンター席などの1人席や相席可能でのサービスを提供した場合、稼働率100%になる可能性が高いです。経営する飲食店のサービスやターゲット層を踏まえて1テーブルの関数を考えましょう。

より正確に売上予測を立てる3つのポイント

より正確に売上予測を立てる3つのポイント

より正確に売上予測を立てるポイントをご紹介します。

  • 従業員の能力を把握しておく
  • 時間をかけず素早く立てる

主に上記の3つのポイントが挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

従業員の能力を把握しておく

正確な売上予測を立てるには、従業員の能力を把握しておく必要があります。調理、レジ対応、接待、配膳、片付け、掃除など飲食店開店時にはさまざまなタスクがあります。従業員の作業スピードによって回転率に変化が起き、売上予測を立てる上では重要なデータになります。

特に、ピーク時の従業員の能力は回転率を上げるために大きくかかわります。能力を見誤ってしまうと、予測売上と結果がずれて大きな損失を生んでしまいます。能力を把握する方法として、日々の従業員の働きぶりを観察しておき、一人ひとりに回転率の重要性を理解させておきましょう。

時間をかけず素早く立てる

飲食店の売上予測を立てる際は、時間をかけず素早く立てましょう。時間をかけて売上予測を作成すると、予測データが古くなりズレが生じてしまいます。特に飲食業界は流行の変動スピードが早く、データが変化しやすいです。正確性のないデータで予測を立ててもいけませんが、最新情報で売上予測を立てるのも重要となるので、スピード感をもって売上予測を立てましょう。

正確な売上予測で飲食店を経営しよう

新型コロナウイルスなどの社会現象により、安定した売上が難しくなっている飲食業界。売上を安定させるには、過去のデータや最新情報などを元に予測を立てる必要があります。これから飲食店を開業・経営していく方は、より正確な売上予測を立て、持続可能なお店づくりを行いましょう。

株式会社TO(ティーオー)では持続可能なお店づくりを設計しています。ウィズコロナ時代に合わせた店舗デザインや開業のご相談などお気軽にご相談ください。