持続可能なお店づくりを目指して

私たちTOは、これまで一貫して、長く愛されるお店づくりに向き合って参りました。持続可能なお店を実現するためには、
施主の「想い」が反映されたデザインと集客戦略、資金繰り、動線設計などのマーケティング視点の掛け合わせが必要です。
私たちは、施主様と一緒にこれらを徹底的に考え抜き、寄り添い、実践します。

TOの施工事例

有窓(ゆうそう)、無窓(むそう)とは?店舗の物件選びで気をつけたい、有窓・無窓居室について解説します!

建築設計業界の用語解説
建築設計業界の用語解説

皆さんは有窓居室、無窓居室という言葉を聞いたことはありますか?

聞いたことがないと言う方も多いかもしれませんが、店舗を開業するときのテナント探しの時、この無窓居室というもののせいで必要のなかった予算がかかってしまうことがあります。

そう言ったことを防ぐためにも有窓居室、無窓居室について今回は解説していきます。

私たちTO(ティーオー)は、店舗・オフィスなど商業施設の設計を得意とするデザイン設計事務所です。店舗デザインに対して真摯に向き合い、無理のない最適なプランニングをしております。私たちのデザインの流れについてはこちらのページをご参照ください。

そもそも有窓居室(ゆうそうきょしつ)・無窓居室(むそうきょしつ)とは?

この言葉を読んだとき、「無窓居室って地下みたいな窓が無い所でしょ?部屋に窓があるなら問題なし!」と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。

地下も無窓居室ですが、窓が有るような部屋でも無窓居室となり必要設備が増えて無駄なコストがかかってしまう場合があります。また、建築基準法上の区分けと消防法上での区分けでも違いがあります。

建築基準法上の有窓無窓判定

建築基準法では、その空間で過ごす人の健康を保つために必要最低限な環境を整えましょう!という判断のもと法律が定められています。建築基準法では3つのポイントがあります。

それは、「採光」「換気」「排煙」です。それぞれに見ていきましょう!

採光の有窓無窓判定

採光の有窓無窓判定

店舗やオフィスの場合、窓などの有効な開口面積が「床面積の1/20以上」必要となります。

住宅や病院、診療所(クリニック)などに店舗を改装したい!という方は、「床面積の1/7以上」と一般の店舗より多くの採光をとる必要があり、用途によって様々です。

採光の有効開口面積とは、窓などの「開口面積」×「採光補正係数」です。採光補正係数は、その建物の用途地域や、窓の高さ、隣地境界線との距離などによって変わってきますので、プロにお任せしましょう!

換気の有窓無窓判定

片開き窓

換気窓として有効な開口面積は、「床面積の1/20以上」必要です。有効な開口面積というのは、窓サイズめいっぱいの大きさで計算することはできません。

片引きの窓だった場合は、開けられる窓の面積は窓全体の半分の面積ですよね。このように窓の形状によって換気の有効開口面積が変わります。

排煙の有窓無窓判定

排煙の有窓無窓判定

排煙窓としての有効開口部分の面積は、「床面積の1/50以上」必要です。

火事が発生したとき、煙は部屋の上部に溜まっていきますよね。そのため有効開口面積は天井の下方から80㎝以内の開口部とされています。

つまり、どんなに広い窓を壁の下の方につけていても、無窓居室となってしまうということです。また、煙の逃げていくことが出来る「有効開口窓」と「居室の中で一番遠いところ」までの距離を30m以内にする必要があります。

消防法上での有窓無窓判定

有窓無窓判定

建築基準法では、その空間で過ごす人の健康を保つために必要最低限な環境を整えましょう!という判定でした。

しかし、消防法での有窓無窓の判定はもし災害があった時に消防士の方が助けに行ける経路が確保されているかという判定です。そして先ほどと違い、部屋ごとの基準ではなく階数ごとの基準となります。

窓のサイズをある一定のサイズにする必要があります。

【10階以下の場合】

①直径1mの円が入るような大きさの窓などの開口

②75㎝×120㎝以上の大きさの窓などの開口

この①、②のどちらかの窓などの開口が2つ以上必要です。

【11階以上の場合】

③直径50㎝の円が入るような大きさの窓

その開口面積が各階の床面積の1/30以上必要となります。

マンションなどではベランダへ出入りする窓、オフィスなどのビルでは開け閉めのできない固定の窓ガラスも対象です。

ただし、容易に割ることができない合わせガラスなどの固定窓(fix窓)は有効な開口に含まれないので防犯性を高くしたい!となっても設置できない場合もあるのでご注意下さい。

選んだ店舗の物件が無窓居室だった時の対処法は?

もし無窓居室だったとき、どんなことをすればよいのでしょうか?それぞれに見ていきましょう!

採光の無窓居室だった場合

採光の無窓居室

店舗の運営で採光が取れていなかった場合、建物の建てられる際にきちんと計画されているはずです!そうでない場合は基本的には建物は建ちません。ですので、意識する必要はないかと思います。

ただ、非常用の照明装置がちゃんと付いているかどうか球切れしていないかどうか確認すると良いかもしれません。

換気の無窓居室だった場合

換気の無窓居室

端的にいえば、換気設備をつければOKです!規定の換気設備をつければ、法適合された部屋となりますので問題ありません。

排煙の無窓居室だった場合

排煙の無窓居室

排煙設備をつければOKです。

排煙設備の場合は、本来設備をつけなければいけないものです。ただし煙が逃げていきやすく危険度が少ない場所だなというところにおいては緩和措置として排煙設備をつけなくていいよという法律になっています。

まとめ

有窓居室について

いかがだったでしょうか?今回は実は注意すべき採光、換気、排気の有窓居室、無窓居室について解説していきました。

お店をオープンする際に無駄に設備に費用がかかってしまう可能性もあります!店舗のテナントを選ぶ際に少し確認してみてもいいかもしれません。

弊社TOでは、店舗のテナント選びからサポートさせていただいております。ぜひお気軽にお声がけください!

こちらの記事で掲載している店舗の画像は、すべて私たち株式会社TOでデザインいたしました。気になるデザインがございましたら、お気軽にお問い合わせください