RC造とは?RC造の基礎知識やメリット・デメリットを詳しく解説します!

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建築設計デザインの基礎知識

お店や戸建ての住宅を建てようとしていて、RC造に関する詳しい知識を求めている方は、多いのではないでしょうか。RC造を用いた建物は、現代の日本で頻繁に起こる地震や火災などの災害に強い特徴を持っており、人気が高いです。

しかし、RC造のデメリットの部分を知らないと建築費用がかさんでしまうことも。そこで、この記事では、RC造の基礎知識からメリット・デメリットまでを詳しく解説していきます。ぜひ最後までお読みください。

建築用語でよく使われるRC造や木造の違いを知っておきましょう。こちらの記事でRC造や木造の違いについて詳しく解説しています。ぜひご参照ください。

RC造とは?【RC造の基礎知識】

RC造の基礎知識

RCは「鉄筋コンクリート」の略称。英語の「Reinforced Concrete」からきています。RC造は、建物の主要な部分となる梁や柱、床、壁が鉄筋とコンクリートで構成されます。鉄筋で組んで型枠を作り、コンクリートを流し込んで固めて建てていく方法です。

少し前までは、主にビルなどの高い建物を建てるさいに使用されていました。最近では、耐震や耐火などの優れた性能や内装のデザイン性の自由度の高さから、店舗や戸建て住宅など幅広い建物に採用されています。

RC造のメリット

RC構造のメリット

RC造のメリットを簡単にまとめると、耐久性の高さデザイン性の高さです。現代の建物に重要視されている複数のポイントを、兼ね備えているといっても過言ではないでしょう。それでは、RC造のメリットを詳しく解説していきます。

耐震性に優れている

鉄筋とコンクリートはそれぞれ強度面で以下の特徴を持っています。

・鉄筋→引っ張る力に強い
・コンクリート→圧縮に強い 

上記2つの強度が組み合わさることにより、高い耐震性を発揮します。また、RC造の「面」で支える構造も注目すべきポイントです。一般的な構造は、建物の重量を枠で支えるのに対し、RC造は建物全体の重量を「面」で支えます。地震の揺れによる建物の負荷を分散し、ダメージを最小限にとどめてくれます。

耐火性に優れている

建物の火災による外壁の温度は1000度に達すこともしばしば。しかし、1000度の炎に数時間さらされても強度が下がらず、材質が燃えないのがRC造です。材質が燃えないため有毒ガスなども発生しません。耐火構造としても認められているので、木造などの他の建物と比べて火災保険の料金を1/3程度にできます。

冷暖房効率がいい

一般的に、コンクリートが使用されている建物は、冬に底冷えをしてしまう印象を持っている人が多いでしょう。確かに、コンクリートは断熱性の低い素材です。熱伝導率が高く、木材と比べると4〜10倍ほど熱を伝えやすい素材になります。しかし、RC造は気密性が高いため、外気が侵入しにくく冷暖房効率がいいメリットを持っています。

RC造の気密性を活かし、断熱性能を高める発泡ウレタンの吹き付けや断熱ボードなどを加えることで、断熱性があり冷暖房効率がいい空間を作ることができるでしょう。省エネにつながるのため、積極的に導入してみてください。

 遮音性に優れている

RC構造は遮音性に優れている

コンクリートを流し込むことによって造られるので、隙間ができにくく音を通しにくくなります。また、RC造ならではの気密性の高さが、遮音性を高める要因です。外の騒音や雑音が気になりにくくなり、中の音も漏れにくくなるため、快適な空間を作り出すことができるでしょう。

耐用年数が長い

まずは、以下の法定耐用年数を確認してみてください。

RC造(鉄筋コンクリート)→47年
S造(重量鉄骨)→34年
S造(軽量鉄骨)→19年〜27年
W造(木造)→22年

上記を見てわかるように、RC造の建物は木造の2倍以上の法定耐用年数を誇ります。法定耐用年数が長いと、長期にわたって減価償却費を経費計上できるため、節税につながります。

デザイン性に優れている

大きな空間を作るにはRC造が最適でしょう。木造でも曲線や円形などのデザインを施すことは可能です。しかし、木造の場合は規模に制限がつきもの。木造でのデザインには限界があります。

一方、RC造はデザインの制限がかかりにくく、木造では造れないダイナミックな曲線や円形を造れます。また、仕切りや柱のない開放感のある空間を作り出すのにぴったりです。

メンテナンス性に優れている

木造や鉄骨造は、経年変化や地震による腐食やひび割れなどによって、修理工事や建て替えを余儀なくされることがあります。しかし、RC造の場合は、経年変化や地震により傷やひび割れが入る可能性はありますが、補修材等で簡単に直すことが可能です。

時間をかけず傷やひび割れに対処できる面が、メンテナンス性に優れているといっていいでしょう。こちらの記事では店舗改装やリノベーションの注意点をまとめてあります。ぜひこちらもご参照ください。

RC造のデメリット

RC造のデメリットは、高性能な特徴がもたらす「費用」と「時間」でしょう。デメリットを理解した上で、RC造が思い描く理想のお店や住宅と合うかを考えてみてください。それでは、RC造のデメリットを詳しく解説していきます。

工期が長い

一般的なRC造の建物の工期の目安は、5〜6ヶ月です。木造の目安は4ヶ月くらいです。木造と比べるとRC造は、工期が長い傾向にあります。理由は、基礎工事に時間がかかるためです。

RC造の場合は、木造と比べて重量があるので、重さに耐えられる強固な地盤を造らなければなりません。基礎工事はRC造の建物に必要不可欠であり、入念に造る必要があるので工期が長くなります。

建築費用が高くなりやすい

以下が造それぞれの全国平均の坪単価です。

W造(木造)→55万〜65万
S造(軽量鉄骨造)→78万〜83万
RC造(鉄筋コンクリート)→82万〜87万

上記を見るとわかるように、RC造は坪単価で木造の1.5倍ほどの費用がかかります。RC造の費用が高くなる理由は、部材が高いのに加え、工期が長いことによって人件費がかさんでしまうことです。

また、強固な地盤が必要なRC造は地盤が弱い立地に建てる場合、地盤改良工事が必要となるため、さらに費用がかさむでしょう。しかし、初期費用は高いですが、耐用年数の長さなどの面からみると、他の造と比べてもトータルコストは高くないでしょう。

結露やカビが発生しやすい

RC造の気密性の高さが結露やカビの発生を促してしまいます。加えて、木造には木材ならではの調湿機能がありますが、RC造にはないため湿気がこもりやすくなります。

そこで、ポイントとなるのが換気。高性能の換気システムの設置や日々の換気をこまめすることが重要です。換気をすることにより、RC造の気密性をコントロールすることができ、結露やカビの発生を抑えることができます。

まとめ

RC構造の基礎知識まとめ

この記事では、RC造の基礎知識からメリット・デメリットまでを詳しく解説してきました。RC造の建物は、これからも人気が高まっていくこと間違いないでしょう。

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また、理想のイメージを伝えたと思っても実際、思い通りにならなかったということがあります。こちらの記事ではデザインイメージの伝え方について詳しく解説しています。合わせてご参照ください。