敷居(しきい)とは?役割と象徴的な意義を解説!日本文化における特別な要素とは?店舗デザインの観点から解説します

建築設計デザインの基礎知識
建築設計デザインの基礎知識
「和室に取り付けられている敷居の役割ってなにがあるの?」
「敷居の店舗デザインのポイントを詳しく知りたい」

このように、敷居の役割や敷居の店舗デザインのポイントについて、詳しく知りたいと思っている方は多いのではないでしょうか。この記事では、敷居の基礎知識から敷居の店舗デザインのポイントを詳しく解説していきます。

敷居は「敷居が高い」などに使用されるように、日本人には馴染みの深い用語でしょう。用語だけでなく和の空間に欠かせない部分でもあるのが敷居です。敷居がどのような役割を果たすのかや敷居のデザインのポイントを押さえておくことで、店舗デザインに活かすことができるでしょう。

和風(和モダン)の店舗をデザイン・施工する場合の考え方と費用、デザイン事例については、下記バナーの特集ページでより詳しく解説しています。私たちTOは、和の伝統を現代に息づかせる和風の店舗デザインを得意としています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。

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敷居とは?

敷居とは

ふすまや障子などをはめ込む下の枠のことを敷居といいます。鴨居と対になることでふすまや障子を立てることができます。敷居は昔から和室には欠かせない部分であり、現在でも使用されることが多いです。

敷居の役割とは

敷居はふすまや障子を立てるためのレールの役割の他に部屋を仕切る役割も果たします。敷居を用いることで段差が生まれるため、部屋や空間を分けるのに効果的です。

また、畳と床の段差を埋める役割も果たします。段差を緩和するためスムーズな歩行ができるようになります。加えて、畳を床下の汚れから保護することができるため、畳の耐久性や清潔さを保つことが可能です。

敷居の種類

敷居にも種類があり、どれを使用するかによって空間の印象が大きく変わります。敷居の代表的な種類は以下の4つです。

①無目敷居→溝のない敷居
②薄敷居→厚みが一般的な敷居の8割ほどしかない敷居
③一筋敷居→雨戸などに使用される1本の溝の敷居
④差敷居→一般的な敷居より段差があり溝が深い敷居

無目敷居は敷居の段差を極力無くしたい場合や、洋室とミックスさせる際に使用されることが多いです。一方、差敷居は敷居を強調することができるため、部屋を分かりやすく区切りたい場合や和室の空間を強く演出したい際に適しています。

敷居の日本の文化的要素とは

敷居の日本の文化的要素

日本の文化として敷居は「内」と「外」を分ける境界として用いられてきました。日本の室内では靴を脱ぐという文化が敷居を作ることになったきっかけと言えます。一方、海外では靴を脱ぐ習慣がないため、「内」と「外」を分ける必要がありません。外国人の方にとって敷居は珍しいため、和の印象を与えるのに欠かせない部分になります。

敷居に使用される代表的な素材

摩擦が起こる敷居には摩耗に強く強度の高い木材が一般的に使用されます。敷居に使用される代表的な木材は以下6つが挙げられます。

・マツ
・ヒノキ
・サクラ
・ツガ
・クルミ

敷居で溝を作る際は滑りをよくするために木材に塗料をぬったり、加工を施したりすることが多いです。また、摩滅を防ぐために溝を埋木することもあります。

敷居の店舗デザインのポイント

敷居の店舗デザインのポイント

敷居を有効活用することで室内の印象を変えることができます。独自性が出るため、他店舗との差別化に有効的です。敷居の店舗デザインのポイント5つをしっかりと押さえておいてください。

敷居と鴨居の色を変えて注目させるようにする

敷居と鴨居の色を黒で統一するなど、あえて和のイメージからかけ離れた色を使用することで和モダンな空間を作り出すことができます。部分的に強調することもできるため、印象に残る空間作りに最適でしょう。

敷居にバリアフリーを取り入れる

敷居は車椅子などの障害になりかねません。バリアフリーを考えた店舗デザインにするためには、敷居の段差をなくすスロープを設置するといいでしょう。取り外しがかんたんにできるスロープを使用することで、敷居の良さを活かすことが可能になります。

差敷居を用いて和を強く演出する

溝が深く段差があると和の印象が強くなります。外国人をターゲット層する店舗に最適な店舗デザインです。段差が目に見て分かりやすくなるため、特別感のある一室という印象を与えられます。

無垢材を使用して木材の良さを引き出す

スギやヒノキの無垢材を敷居に使用することで、高級感のある空間を作り出すことができます。高級寿司店や高級日本料理店などで取り入れると効果的です。木材の香りや経年変化も楽しむことができます。無垢材のため表面をなめらかにする定期的なメンテナンスを施す必要があります。

木材以外の素材を利用してモダンな雰囲気を取り入れる

敷居に使用できる素材は木材の他にアルミやステンレス、真鍮などがあります。木材以外の素材を敷居に取り入れることで、独特な空間を作り出すことが可能です。木材に比べて耐久性が高いこともメリットと言えるでしょう。真鍮を取り入れると高級感のある室内になるため、高級感を出したい一室にだけ取り入れるのもひとつの手段です。

まとめ

敷居は日本の文化的な習慣から生まれた和に欠かせない部分

敷居は日本の文化的な習慣から生まれた和に欠かせない部分です。敷居のデザインを工夫することで、他店舗と差別化できる空間作りができるでしょう。この記事を参考にして敷居を店舗デザインで有効活用してみてください。

私たちTO(ティーオー)は、店舗・オフィスなど商業施設の設計を得意とするデザイン設計事務所です。店舗デザインに対して真摯に向き合い、無理のない最適なプランニングをしております。私たちのデザインの流れについてはこちらのページをご参照ください。