ガラスの種類と特徴とは?店舗のファサードに多く使われるガラスについて詳しく紹介します。

店舗テーブルデザイン 建築設計デザインの基礎知識
建築設計デザインの基礎知識

店舗で使うガラスには、暖房費や冷房費を抑えるための機能が欲しい!防犯性の良いものにしたい!など用途に合わせて選びたいですよね。

断熱性が高いものや耐火性の高いもの、防犯性の高いものなどガラスの種類はたくさんあります。本記事では、どんなガラスがあるのか、それぞれどんな機能があり、どう使い分ければ良いのかご紹介します。

【特性別】店舗内でのガラスの選び方は?

日射遮蔽性

日射遮蔽性:熱線反射ガラス、熱線吸収ガラス、Low-Eガラス

日射遮蔽性とは、太陽からの日差しを遮る能力を言います。夏の強い日差しの暑さを和らげ、冷房による電力消費を減らすことが出来ます。西日の強い場所などに使うと効果が高いと思います。

断熱性

断熱性:複層ガラス、Low-Eガラス

店舗や施設など新築を建てる場合、省エネ法が義務付けられているので省エネの機能の高いものを選ぶことをお勧めします。

防火性

防火性:網入りガラス、耐熱強化ガラス

飲食店舗など火を使うところの近くには防火性の高いガラスを使うと良いかもしれません。また、隣地からの火災被害等にも建築基準法上、使用しなければならない箇所がありますので設計する方と相談していくことが重要です。

耐衝撃性

耐衝撃性:強化ガラス、耐熱強化ガラス

店舗で特に気をつけたいのは防犯対策ですよね。特に高価なものを売るお店などではファサードのガラスを防犯性の高いものにしたいという方が多いと思いますので、耐衝撃性の強いガラスがオススメです。

安全性

安全性:合わせガラス

特にお子さんや動物などがいる場所では、ガラスが割れた時でもけがをしないように注意したいですよね。そのためには、ガラスの飛散防止機能があるものがオススメです。

店舗で多く使われているガラスの種類とは?

フロートガラス

最も一般的なガラスのことを言います。約3㎜程度の透明なガラスです。

型板ガラス

型板ガラスとは表面に模様や凹凸をつけたガラスです。ガラスの向こう側を見えにくくし、光を通すため1950~1970年代の一般住宅で多く普及しました。窓のガラスだけではなく食器棚のガラス扉や室内のドアなどにも多く使われていました。

その後、需要が減り希少なものとなっていましたが、近年の昭和レトロの流行もあり、様々なデザインがあるので需要が高まっています。

デメリットとしては、フロートガラスに比べてどうしても室内に取り込める光が暗く見えてしまうことです。また生産普及時期が短かったこともあり、一度ガラスが割れてしまうと同じ商品がない可能性が高いです。

また型板ガラスは、強度が低く雨風の強い場所での使用は不向きでしたが、型板強化ガラスというものも出てきたのでそちらを使うことも可能となりました。

すりガラス

すりガラスはガラスのサンドブラストなどで表面を傷つけて室内を見えにくくしたガラスになります。ガラスが乳白色のような色となり、柔らかい光を取り入れることができます。

デメリットとしては、すりガラスはフロートガラスに傷をつけて生成されているため、汚れが取りにくい傾向があります。またフロートガラスに比べて多少強度が落ちるので使用する場所には注意が必要です。そして水に濡れた際に透けてしまうという特性もあります。

改善策としては、フロートガラスにガラスフィルムを貼るなどしてすりガラスのような風合いを出すこともできます。

網入りガラス

網入りガラスは、ガラスの中に金網が入ったガラスです。防火、飛散防止の効果があります。

建築基準法により防火地域や準防火地域である一定の範囲内では防火指定のガラス、つまりこの網入りガラス等を必ず使用しなければいけません。デザイン的に変更したいとしても、法に反してしまいますので注意する必要があります

また、勘違いされやすいですが、この網入りガラスは防犯効果が低いです。そして、金網部分が熱を通しやすいことから、熱割れを起こしやすいというデメリットもあるので覚えておくと良いかもしれません。

耐熱強化ガラス

耐熱強化ガラスとは、遮熱性・耐熱性に効果があるガラスです。網入りガラスのような金網がなく、透明のガラスで熱割れもおこしません

網入りガラスの時にお話しした防火指定のガラスの認定が下りている商品もあるので、外観のデザインにこだわりたい方にお勧めです。ただし初期コストがかかってしまうため予算に合わせて選んでみてください。

強化ガラス

強化ガラスは、フロートガラスの3~5倍の強度がでるよう加工されたガラスです。防犯や飛散防止に役立つガラスです。基本的にオーダーメイドで納期がかかり、費用もかかってしまうのがデメリットとなっています。

合わせガラス

合わせガラスは、2枚のガラスに合成樹脂を挟み込み貼り合わせたもので、防犯、防音、飛散防止、合成樹脂による紫外線UVカットにも効果があります

また色を合成樹脂の部分に色をつけることでデザインの幅を広げることも可能です。ただし複層ガラスと違い、断熱性や結露軽減性があるわけではないので注意しましょう。

複層ガラス(ペアガラス)

複層ガラスとは、2枚ガラスの中間に空気層を設けているガラスになります。合わせガラス同様2枚のガラスを使用するのですが、空気層を設けることにより、断熱・遮熱効果、結露軽減に効果があります。その他、防犯、紫外線UVカットの効果もあります。

デメリットとしては、値段が高いということと、一般の窓より重い、分厚いという点があります。改装工事により窓を交換したい場合は、ガラスに厚みがある分、サッシまで交換する必要があるのでより一層費用がかさむ点に注意しましょう。

複層ガラスの豆知識

ちなみに、複層ガラスの機能をつかさどっているのは空気層の部分です。しかし空気層を厚くすれば断熱効果が高まるかといわれると一概にそうとは言えません。空気層が一定の厚み(12㎜)を超えると効果が変わらなくなります。

Low-eガラス

複層ガラスの一種です。Low-eとは、ガラスに特殊金属の加工を施した物になります。それを室内側と室外側のどちらにも使用した物をLow-eガラスといいます。

複層ガラスよりも断熱・遮熱性、紫外線UVカットに優れています。ただし、複層ガラスの中でも値段の高い物となるのでコストに見合った選択をする必要があります。

欲しい性能に合わせてガラス選びをしよう!

いかがだったでしょうか?ガラスでも様々な種類があり、それぞれ特性があることがお判りいただけたかと思います。

店舗の業態だけではなく、立地やオーナー様がご希望される性能次第でガラスを選んでいただけたらと思います。ぜひ参考にしてみてください。

株式会社TOでは、デザインだけではなく性能や品質にもこだわって様々な店舗の内装・外装の改装・新築工事をおこなっております。ぜひお気軽にご連絡ください。