コロナ禍の影響で急増した持ち帰り専門店。日常が戻りつつある今でも、持ち帰り店の勢いは止まりません。それと同時に広がっていったのがイートインスペースです。イートインスペースは気軽に利用できるスペースとあって、持ち帰り店でも導入しているお店が多くあります。
イートインスペースを導入したいと考えている方はメリット・デメリットを知って、持ち帰り店でもうまく活用できるか検討してみましょう。この記事ではイートインスペースの概要とともに、集客が見込みやすい店舗デザインのコツを紹介します。
イートインスペースとは
イートインスペースとは、食料品を購入しそのまま店内(店舗の敷地内)で飲食することです。イートインスペースはコンビニを始め、スーパーやデパ地下など、さまざまな場所で見かけます。
また、持ち帰り店でもイートインスペースを設けているお店が多いです。イートインスペースの導入には基準が設けられており、許可も必要です。税率の問題もあるため、ここはしっかり押さえておきましょう。
イートインスペースの基準
イートインスペースは、飲食に利用できる設備が整っていることが条件。つまり、テーブルと椅子があれば、どの飲食店でも導入は可能です。設置は簡単に見えるイートインスペースですが、問題なのが税率。日本では軽減税率が導入されてから「外食」と判断される場合、軽減税率は対象外となり商品に対して10%の消費税が適用されます。
一方で「持ち帰り」となった場合は、軽減税率が対象となり消費税は8%。お店によっては、商品を購入するお客様に持ち帰りなのか店内飲食なのか聞くところもありますが、毎回確認するのは意外に手間がかかります。そのため、レジにはお客様から店内飲食を申し出てもらうよう、張り紙をしている店舗もあります。
イートインスペースに必要な許可
イートインスペースを導入する場合「飲食店営業許可」を取得しなければいけません。飲食店営業許可を取得するためには、次の2つが条件となります。
- 食品衛生責任者を置くこと
- 施設の基準を満たしていること
食品衛生責任者は、必ず1名以上置くことが義務づけられています。また、施設の基準は自治体によって異なるため、条例に従って施設を整えなければいけません。それ以外にも、提供する商品によってほかの許可が必要となる場合があります。詳しくは各自治体に確認してみるといいでしょう。
イートインスペースを導入するメリット・デメリット
イートインスペースの導入には、どんなメリット・デメリットがあるのでしょう。それぞれの要素を確認し、店舗で導入して集客が見込めるか確認してみてください。
メリット
イートインスペースの最大のメリットは、出来立て商品をその場で食べられること。とくに温度が重要な食品なら、なおさらその場で食べたくなるはずです。またイートインスペースでお客様が飲食している姿は、通りがかりの人にも「このお店は繁盛しているな」と良い印象を与えます。
デメリット
イートインスペースのデメリットは、手間がかかることです。テーブルと椅子を設置するため、清掃は欠かせません。お店の繁盛具合によっては、人を雇わなければいけないこともあります。さらにスペースの確保が必要です。空いたスペースをイートインにする場合も、お客様の動線の妨げにならないよう、配置にも気を配る必要があります。
イートインスペースの店舗デザインで気をつけること
飲食店の設計によって、イートインスペースでの店舗デザインも気をつける点が変わってきます。
ファザード(出入口)でお店の存在をアピールする
持ち帰り店は、狭いスペースで営業しているところがほとんどです。そのため、イートインを設けているのか、お客様にわかりづらくなります。お客様に店内でも飲食ができることをアピールしなければいけません。ファザードにわかりやすい看板を設置したり、メニューを表示したり工夫してみましょう。
店内にイートインスペースを設けるなら広さを感じられるデザインにする
持ち帰り店は、店内スペースも限られているお店がほとんど。店内にしかイートインスペースを設けられないなら、少しでも窮屈さをなくすようにしましょう。外の景色が見えるよう大きな窓を付けたり、照明を利用して遠近感を出したりするのもおすすめの方法。テーブルと椅子を設置する分どうしても狭くなるため、視覚で広さを演出するようにしてみてください。
まとめ
今では当たり前のように見かけるイートインスペース。持ち帰り店でも導入しているお店は多くなりました。お客様の大半は「気軽にその場で食べられる」ことを求めています。イートインスペースにはデメリットもありますが、お店の宣伝や集客を狙うなら取り入れてみるのもおすすめです。
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