お店で天井を見上げると全てフラットな状態や、何か部分的に出っ張りや凹みがある状態など様々だと思います。実は天井の形状には梁の高さが大きく関係してきます。今回はそんな梁と天井高の関係についてご紹介いたします。
などとお考えの方は是非参考にして見て下さい。
梁とは
梁とは構造材の一つで、床や屋根の荷重を支えるための横方向の部材を意味します。柱と柱を直接繋ぐ大きな梁は「大梁」と言い、その間にあるような小さな梁は「小梁」と言います。また梁自体の幅を「梁幅」、梁の高さを「梁せい」と呼びます。
梁についての詳しい解説はこちらの記事を是非参考にしてみて下さい。
梁と天井高の関係
梁は天井高を決定する際に重要な要素の一つです。今回は梁と天井の関係について解説いたします。天井高は建築基準法により2.1m以上と定められているのでその範囲内でデザイン的にどうするかというお話になります。
RC造の場合
天井高の設定
初めに新築時の図面が存在するか確認を行います。図面がある場合はその図面を元に現場調査を行い現場との違いを確認して現状の図面に追記、修正を行います。
図面がない場合は一からメジャーとレーザーを用いて壁、天井、建具等全てを計測して現状図面を書きあげます。この計測した寸法をもとに天井高の設定を行います。
この際に図のように天井と梁が干渉しない所で天井を設けるのが一般的で、これがフラットに出来る天井の最大高さになります。またRC造の場合は敢えて天井を造らずにスケルトン状態で空調、照明器具を吊る方法も人気です。
RC造の天井例
また弊社が手がけたお寿司屋さんでは、間接照明を仕込む位置を決める際に敢えて梁の出っ張りを利用したデザインとして空間のアクセントとしています。また別のお店では敢えて天井をつくらずに梁部分に額縁を設置することで、シンプルな空間に彩りを与える役目をしています。
木造の場合
天井高の設定
木造の場合、梁はRC造と比べて複雑になっています。新築の場合は初めから天井高も決定した上で計画に基づいて構造計算を行うので問題はありません。しかし改装で既にある建物を改装する場合は梁を把握するのは少し大変な作業になります。
まず建物の躯体図が存在するのかを確認します。そして図面がある場合はそれを元に、ない場合は一から計測を行います。
居抜きで天井が既にある場合はその高さを維持することもありますが、既に解体済みの場合、天井高を変えたいなど希望がある場合は天井高を再度決定していきます。
木造の場合も梁と干渉しない部分で天井高を設定するのが一般的です。さらに天井高を確保したい場合は梁を一部露出して天井を上げる例もあります。また古民家を改装する際などは敢えて構造体が見えるように一部天井を造らないといったやり方も多いです。
天井と照明器具との関係
天井高を考える際は間接照明との関係も意識する必要もあります。間接照明でよく使われる例として図のような壁を照らす照明(コーニス照明)があります。この場合に間接照明を設ける位置は部分的に天井高が高く必要になりますので梁と干渉しないか注意が必要です。
天井と空調器具との関係
天井内に納める空調は機器自体がおおよそ350㎜程度の高さなります。そのため多くの場合梁と梁の間に納まるように計算をして、なるべく天井高を下げないような配置がされます。無理に天井内に納めようとすると全体の天井高を下げることになってしまうので、その場合は天井から吊る形にするなどにします。
まとめ
今回は梁と天井高の関係についてご紹介いたしました。「なるべく天井が高い開放感溢れる空間にしたい」「少しこじんまりとした落ち着ける空間にしたい」など要望は様々だと思いますが、それぞれのご要望に答えられるようなアプローチの仕方を考えさせて頂きます。もしお悩みの際は是非ご気軽にご相談下さい。
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