ツーバイフォー工法って何?メリットやデメリット、サイズなどをわかりやすく解説

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建築設計デザインの基礎知識

ツーバイフォー工法は、耐震性に優れているなど多くのメリットがあり、人気の高い工法の一つです。しかし、ツーバイフォー工法の全体像とデメリットの部分を理解していないと、建設後に後悔してしまう可能性があります。

この記事では、ツーバイフォー工法の知識からメリット・デメリットまで幅広く解説していきます。ぜひ最後までお読みください。

ツーバイフォー工法とは

ツーバイフォー工法とは

ツーバイフォー工法は1830年代に北米で生まれた建築工法です。1974年に日本で建設が認可されて以来、着工数を増やしています。ツーバイフォー工法の名前は、家を建てるときに2インチ×4インチのサイズの角材を多く使用するところからきています。

使用する部位に合わせて、2インチ×4インチの他に、2×6材、2×8材、2×10材、2×12材など、さまざまな種類の規格材を使用するのが特徴です。

また、ツーバイフォー工法で用いられる木材は、日本農林規格(JAS)や海外規格によって厳しく品質チェックがされています。以下がツーバイフォー工法で用いられる規格材一覧です。(2インチ×4インチですが、木材を乾燥させる工程などにより、0.5インチほど縮んでしまいます。)

  • 2×4材(38mm×89mm)
  • 2×6材(38mm×140mm)
  • 2×8材(38mm×184mm)
  • 2×10材(38mm×235mm)
  • 2×12材(38mm×286mm)
  • 4×4材(89mm×89mm)

日本の歴史ある在来工法との違いとは

日本の木造住宅の工法は主に2つ。枠組壁工法(ツーバイフォー工法)木造軸組工法(在来工法)です。ツーバイフォー工法は、コンクリートの土台にツーバイフォー材を用いて「面(6面)」を作って組み立てていきます。

一方、木造軸組工法(もくぞうじくぐみこうほう)は、コンクリートの土台に柱を立てて、「線」を作るようなイメージで組み立てます。使用するのは木材で一緒ですが、作る工程が「面」と「線」で大きく異なるのがポイントです。

ツーバイフォー工法のメリット

ツーバイフォー工法

ツーバイフォー工法のメリットは以下の5つです。

  • 耐震性に優れている
  • 耐風性に優れている
  • 防火性に優れている
  • 遮音性に優れている
  • 省エネ効果がある

これらを見てわかるように、ツーバイフォー工法で作られた建物は、物件の契約で重要視されるメリットが多いです。なぜこの5つのメリットが生まれるのかを、これから詳しく解説していきます。

①耐震性に優れている

ツーバイフォー工法で作られた建物は、地震によって引き起こされる縦揺れ・横揺れなど、外からの圧力を面全体で受け止め、荷重を地盤に逃がすのが特徴です。建物自体のねじれや変形を防ぐため、地震による倒壊や全半壊などが起きにくくなります。

ツーバイフォー工法で作られた建物は、阪神・淡路大震災や東日本大震災、新潟中越地震、熊本地震などで、被害が最小限に抑えれたと調査結果が出ているのも見逃せないポイントです。震災よってツーバイフォー工法が、どのくらいのダメージを受けたかの調査結果は、以下で確認してみてください。

②耐風性に優れている

ツーバイフォー工法の発祥の地である北米は、ハリケーンの被害が多いため、強風に耐えられる対策が昔からなされてきました。その一つが、「ハリケーンタイ」ツーバイフォー工法で建てられた建物の屋根に用いられるあおりどめ金具です。屋根と外壁を強固に固定し連結させるため、日本の台風や突風などの強い風に耐えられる強度を誇ります。

③防火性に優れている

ツーバイフォー工法の屋根

ツーバイフォー工法が防火性に優れている理由は2つ。「壁や天井の内側に石膏ボードを貼ること」「ファイヤーストップ構造」です。

前者の場合は、石膏ボードの中に含まれている結晶水がポイントです。火が当たると熱分解を起こし水蒸気を発散するため、火災が起きても構造材が着火点に達する時間を遅らせることができます。

また、後者のファイヤーストップ構造は、枠組み材が空気の流れを遮断する特徴を持っているので、火の燃え広がりを防ぎます。2つの特徴を持っているからこそ、防火性に優れているわけです。

④遮音性に優れている

ツーバイフォー工法のもつ「多重構造」と「気密性」によって、高い遮音性が備わっています。ツーバイフォー工法で作られた建物の外壁は、構造用面材や断熱材、石膏ボード、外壁材などが組み合わさってできている多重構造です。

音の出入りを防ぐ効果を高め、効率的に音を減退させます。また、ツーバイフォー工法の特徴である六面体構造が、気密性を高めて隙間をなくしているため、外から音が入ってきにくい作りになっています。

⑤省エネ効果がある

ツーバイフォー工法は六面体構造で建物の隙間をふさぐため、気密性・断熱性に優れていいます。気密性と断熱性に優れている建物は冷暖房効率が高いです。無駄な冷暖房を使用しなくてすむため、省エネ効果を発揮します。地域に合わせて断熱・気密仕様が選べるのもポイントです。

ツーバイフォー工法のデメリット

ツーバイフォー工法の壁

ツーバイフォー工法のデメリットは2つ。「内装デザインやリフォームに制約がある」と「カビやダニが発生しやすい」です。メリットに比べてデメリットは少ないですが、建てた後に後悔しないよう知識として頭に入れておきましょう。

内装デザインやリフォームに制約がある

「面」で建てている分、開口幅などが制限され、間取りの変更が難しいです。壁一面に窓を設置することや、壁を壊して部屋を広くするなどの融通がききません。

リフォームやプランニングに制約が多くなってしまうのが難点です。ツーバイフォー工法で建てる場合は、事前にどの程までならリフォーム等の手が加えれられるかを業者に確認するといいでしょう。こちらのページで業者の選び方に関する記事をご紹介しております。こちらも合わせてご参照下さい。

カビやダニが発生しやすい

気密性が高く断熱性に優れていることから、内部と外部の温度差が大きくなります。ゆえに、結露が生じやすくなり、カビやダニが発生・繁殖しやすい環境を作り出してしまいます。

マメに換気をおこない、湿気を外に出す結露の対策をするとともに、カビやダニの発生を防ぐ対策も必要です。建物を作る段階から結露が発生しにくい構造設計にするのも大切なポイントとなります。

まとめ

ツーバイフォー工法の骨組み

この記事では、ツーバイフォー工法の知識からメリット・デメリットまで幅広く解説してきました。ツーバイフォー工法は、災害に強いという面では日本の環境に適している工法と言えるでしょう。ツーバイフォー工法で理想の住宅やお店を建ててみてください。

株式会社TO(ティーオー)は、内装を得意とするデザイン事務所です。店舗デザインはもちろん内装設計に関してもご相談にのらせていただきます。

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こちらの記事では、ツーバイフォー工法を含む木造とその他の建築工法の違いについて解説しております。こちらも合わせてご参照下さい。