このように、店舗や住宅を建てたり改装する際に出てくる建具が理解できていない方は多いのではないでしょうか。この記事では、建具の基礎知識と建具の種類を詳しく解説していきます。
建具は建物の中で重要な部分のひとつです。建具が指す部分や建具の種類を知らないと、居づらい空間が出来上がってしまいます。建具を理解して快適な空間を作るためにも、この記事をチェックしてみてください。
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建具とは?
建具は建築用語のため、聞きなじみがあまりないでしょう。建具をかんたんにいうと扉です。部屋や玄関、庭などで使用される開け閉めが可能な戸や障子、ふすま、窓、門などが該当します。
建具の種類
建具の種類は主に以下4つです。
②窓建具
③外壁建具
④内部建具
それぞれがどのような用途で使用されるかを詳しく解説していきます。
①出入口建具
玄関に用いられる建具を出入口建具と呼びます。玄関に設置する引き戸やドアなどです。建物の内部と外部を仕切る建具のため、慎重に素材選びをする必要があります。
②窓建具
窓や窓枠のことを窓建具といいます。窓はガラス素材になることが多く、窓枠は主に金属製です。窓建具は防犯性や耐震性などを考慮して選ぶ必要があります。
③外壁建具
公共の敷地と所有している敷地を仕切るのが外壁建具です。庭や敷地にあるフェンスや門扉などが該当します。一般的に、全天候に対応できるよう金属製の建具が用いられます。人の目に触れることが多いため、デザイン性を重要視する方が多い建具です。
④内部建具
内部建具は部屋の仕切りに用いられます。ドアや障子、引き戸、ふすまなどです。内部建具は仕切る場所によって使用する素材を変える必要があります。
たとえば、飲食店の厨房を仕切る場合は、衛生面に優れているステンレスなどの素材を使用するといいでしょう。トイレなどの水を多く使用する場所は、防水性のある樹脂素材などが適しています。
建具の素材は2種類
建具の素材は大きく分けて木質系と金属製の2種類です。木質系は主に木と樹脂に分けられ、金属製は鉄とアルミニウム、ステンレスなどがあります。
木質系の建具は建物の内部で使用されることが多く、金属製は窓枠や外で使用されることが多いです。建具のそれぞれの特徴とメリット・デメリットをみていきましょう。
木
天然の木材をそのまま使用したむく材や加工して作る合板、集成材などさまざまな種類があります。どんな素材や色とも合いやすいため、内部建具に向いている素材です。一方、劣化が早くなる外部建具には向いていません。
・加工しやすい
・内装の壁や床の色に合わせやすい
・温かみがある
・天然木材は調湿効果がある
・雨や風、紫外線に弱い
・素材によって高価
・反り返る可能性がある
樹脂
結露しづらく衝撃に強いため、ガラスの代わりに利用されることが多いです。一般的に塩化ビニルやポリカーボネート素材が使用されます。キズが付きやすく割高なのがデメリットといえるでしょう。
・断熱性が高い
・軽い
・素材によって衝撃に強い
・キズが付きやすい
・費用が高い
鉄
鉄は防犯性の高さから外壁建具に用いられることが多いです。重たく断熱性が劣るため、内部建具には向きません。また、定期的な塗装のメンテナンスが必要になります。
・防火性が高い
・衝撃に強い
・防犯性が高い
・断熱性に乏しい
・結露しやすい
・サビやすい
アルミ
玄関や勝手口の扉のフレームに使用されることが多いです。防水性に優れているため、水がかかる場所に適しています。しかし、断熱性に劣るため結露しやすいです。
・耐水性に優れている
・軽いため取り付け・取り外しがかんたん
・価格が安い
・メンテナンス性に優れている
・耐久性に優れている
・断熱性が低い
ステンレス
高級感や衛生面に優れているステンレスは、窓建具のフレームや飲食店の厨房の内部建具に適しています。仕切る建具を全面ステンレス素材にすると冷たい印象になるため、注意が必要です。また、キズが付きやすいためキズ付きやすい場所の設置には向きません。
・高級感がある
・汚れに強い
・耐熱性に優れている
・衛生面に優れている
・耐久性に優れている
・キズが付きやすい
・費用が高い
まとめ
建具という言葉は日常であまり使用することはありませんが、店舗や住宅をデザインする際に使用されます。また、建具は店舗や住宅に必要不可欠な部分です。
建具の素材はさまざまあり、建具は設置する場所に合わせて素材を考慮する必要があります。快適な空間を作るためにも、この記事を参考にして建具の知識を深めてみてください。
木材に対する想い・木を使用したデザインの強みはこちらの特集ページでも詳しくご紹介しています。建材としての木材には、デザイン性の他にも様々なメリットがあります。木がお店に与えるデザイン的な効果と、部材としてのメリットを解説します。