このように、飲食店の店舗数のセントラルキッチンの導入を検討している、オーナーの方は多いのではないでしょうか。この記事では、セントラルキッチンの基礎知識からセントラルキッチンを導入するメリット・デメリットを詳しく解説していきます。
飲食店の多店舗展開をする際に検討すべきなのがセントラルキッチンの導入。セントラルキッチンを導入すると作業効率が上がるなど他店舗展開の飲食店にはメリットが多いです。
しかし、セントラルキッチンのデメリットをしならないと、のちに後悔することになってしまう可能性が。セントラルキッチンの導入を成功させるためにも、この記事をチェックしてみてください。
セントラルキッチンとは?
セントラルキッチンは、料理の調理工程を一ヶ所に集め、調理を効率化させる調理施設のことです。野菜のカットや魚をさばいたり、惣菜を作ったりするのを一ヶ所でまとめてやり、その後各店舗に配送するのをイメージするとわかりやすいでしょう。
セントラルキッチンから配送された各店舗は、盛り付けをしたりするだけで、すぐに料理を提供できるようになります。セントラルキッチンの導入には、メリットとデメリットがあるので次の章以降で詳しく見ていきましょう。
セントラルキッチンに向いている店舗
チェーン展開を考えている店舗は、セントラルキッチンの導入が向いているでしょう。チェーン展開の場合は、品質が落ちない大量の調理が求められます。セントラルキッチンを導入することで、効率的な店舗運営が可能になるでしょう。
一方、チェーン展開を考えていない店舗は、セントラルキッチンの導入は向いていません。配送の料金がかかってしまったり、鮮度が落ちてしまう可能性があるので効率的ではないでしょう。
セントラルキッチン導入のメリット
飲食店にセントラルキッチンを導入するメリットは以下5つが挙げられます。
- 製造できる数の上限が上がる
- 料理の品質を統一できる
- 人件費を削減できる
- 衛生管理がしやすくなる
- 原価を削減できる
上記5つのメリットを詳しく見ていきましょう。
製造できる数の上限が上がる
一ヶ所でまとめて調理ができるので、実店舗で調理をするより製造できる数が多くなります。セントラルキッチンでは、広い厨房を確保することができ、調理の担当を決めて製造するので一つの調理に集中できるためです。
また、持ち帰り用のお弁当などを提供するのであれば、お弁当の製造をセントラルキッチンにして、店舗で提供する料理の調理は店舗でおこなう分業制にすることができます。分業にすると効率が良くなるので、お弁当の製造数と店舗の料理の提供数が増えるでしょう。
料理の品質を統一できる
セントラルキッチンは、一ヶ所で大量な仕込みをして各店舗に発送されるので、料理の質が店舗によって変わることがありません。店舗数が増えると、店舗によって料理の質がバラバラなんてことがよくあります。
作る人が違ければ多少なりとも料理の質は変わってくるでしょう。いつでもどこでも同じ品質を提供できるのがセントラルキッチンのだいごみです。
人件費を削減できる
セントラルキッチンを導入すると、各店舗は盛り付けをするだけでいいので、仕込みを省略できます。早朝のアルバイトなどを雇う必要がなくなるでしょう。また、料理を提供するまでの作業効率もアップするので、無駄な人件費をかけなくて済むようになります。
衛生管理がかんたんになる
一ヶ所でまとめて調理をするので、衛生管理がかんたんです。店舗数が多いと問題になるのが衛生面。店舗によって衛生管理にばらつきが出てくることもあるでしょう。
セントラルキッチンの衛生管理を徹底しておけば、各店舗は盛り付けをするだけなので、各店舗の衛生管理のばらつきを防ぐことができます。安心・安全の営業ができるようになるでしょう。
減価を削減できる
セントラルキッチンは、各店舗の食材を一括で仕入れるため、仕入れ値を交渉できます。一般的な仕入れ値より安く仕入れられるでしょう。仕入れで浮いた資金を販売促進費などに回すことができるのできます。
セントラルキッチン導入のデメリット
飲食店にセントラルキッチンを導入する際のデメリットは以下5つです。
- 食品ロスが多くなる
- 料理の鮮度が落ちる
- 初期投資が高額になる
- ランニングコストが高額になりやすい
- 食中毒などのリスク増加
上記5つのデメリットを考慮した上で、セントラルキッチンの導入を検討してみてください。
食品ロスが多くなる
一括して調理をするセントラルキッチンは、注文を受けてから調理する店舗に比べて、食品ロスが多くなる可能性が高いです。作りすぎてしまうのが原因で、残った料理は他の料理に代用できないからですね。
また、一般的な店舗は、お客さまから注文がなければ作らないので、食品ロスが発生しても食材のみです。しかし、セントラルキッチンはある程度までの加工をしているため、食材費に加えて人件費、光熱費が上乗せされます。各店舗の必要数の分析を徹底する必要があるでしょう。
料理の鮮度が落ちる
調理してから発送をともなうセントラルキッチンは、その場で調理する店舗より料理の鮮度が落ちます。また、手作り感などがなくなってしまうので、盛り付けや味付けなどで工夫すべきでしょう。
初期投資が高額になる
セントラルキッチンを作るとなるとネックになるのが初期費用。業務用の中でも大型の厨房設備を設置する必要があるので、初期費用は高額になるでしょう。
また、広い物件を借りないといけないので、物件を借りる際の初期費用も高くなる可能性が高いです。小さい規模のセントラルキッチンでは、500万程度。中規模〜大規模なセントラルキッチンでは、1000万〜を見積もっておくといいでしょう。
ランニングコストが高額になりやすい
セントラルキッチンの規模は大きくなりやすいので、家賃や光熱費などのランニングコストが高額になりやすいです。2、3店舗の運営であれば各店舗で調理をした方がコストパフォーマンスが高い場合もあります。
また、セントラルキッチンは発送費も考慮する必要があります。セントラルキッチンの導入で損をしては意味がありません。コスト面を考慮した上での導入を検討すべきでしょう。
食中毒などのリスク増加
セントラルキッチンで食中毒などが起きると、全ての店舗の運営がストップしてしまいます。各店舗で調理している形態と比べて食中毒などのリスクが高いでしょう。
一ヶ所に調理を集中させることは効率的な一方、衛生面での問題が発生した際に各店舗の営業ができなくなるリスクを頭に入れておいてください。
まとめ
この記事では、セントラルキッチンの基礎知識からセントラルキッチンを導入するメリット・デメリットを詳しく解説してきました。この記事の重要ポイントは以下です。
- セントラルキッチンは料理の調理工程を一ヶ所に集め、調理を効率化させる調理施設
- セントラルキッチンの導入は他店舗展開している店舗に向いている
- 調理を一ヵ所でまとめておこなうので料理の品質が安定する
- 仕込みを省略できるので人件費を削減できる
- 作りすぎによる食品ロスが多くなる可能性がある
- 調理から提供までのタイムラグが発生するため食品の鮮度が落ちる
- セントラルキッチンを作る初期費用とセントラルキッチンを運営するランニングコストが高額になりやすい
- セントラルキッチンで食中毒などが起きるとすべての店舗の運営がストップしてしまう
セントラルキッチンは、他店舗展開をしている飲食店を効率よく運営する手段として最適でしょう。しかし、セントラルキッチン導入のデメリットも考慮する必要があります。上記のポイントを押さえて、セントラルキッチンの導入を検討してみてください。