寿司屋の店舗デザイン費用の相場を解説!予算はどれくらいあれば安心?これまでのデザイン経験をもとに、実際の見積もり事例と成功するポイントを解説します

建築設計デザインの基礎知識
建築設計デザインの基礎知識

みなさんは、寿司屋というとどのような店内を思い浮かべますか。カウンターのある落ち着いた雰囲気の店内を想像する方もいらっしゃるでしょうし、回転寿司のにぎやかな感じを想像する方もいらっしゃると思います。

今回は、寿司屋を開店するときのデザインと予算について紹介していきます。

こちらの記事で掲載している寿司店の画像は、すべて私たち株式会社TOでデザインいたしました。気になるデザインがございましたら、お気軽にお問い合わせください

寿司屋の開店にかかる費用・予算

寿司屋の開業資金

寿司屋を始めようとするとき、一般的には開業資金として約1,000万円~1,500万円が必要といわれています。また、開業資金は大きく「初期費用」と「運転資金」に分かれます。

寿司屋の初期費用

初期費用には、物件取得費用(物件の契約を行う際に発生する費用)や店舗投資費用(店舗の内装工事や厨房機器やエアコンなどを設置する費用)、広告宣伝費(開店を告知する広告を出す費用)などが含まれます。内装工事費用については後ほど詳しく掘り下げて紹介します。

寿司屋の運転資金

一方、運転資金とは、経営が軌道に乗るまでの間の食材費や家賃のための費用のことで、開店までに支払い必要があるものではなく開店してから必要になる費用をあらかじめ貯金しておくようなものです。

ある程度集客や売り上げの見通しがある場合には、少なくとも3ヶ月分、そうでない場合には開店から6ヶ月〜8ヶ月分の家賃と食材調達費用、従業員の給料などを準備しておくと安心です。

寿司屋の内装工事費用

先程説明した初期費用のうち、内装工事費用の相場としては、坪単価30~70万円が目安となります。あくまでも目安であり、内装を仕上げる物件の状態や立地、使用する資材によって工事費用は変動します。

例えば、工事を使用とする建物が築年数が古く、柱や天井に補強工事が必要となった場合には、別途費用が掛かりますし、日中の時間の工事が制限され夜間対応が必要になったり、工事する建物の前まで車を乗り入れることができず、建築資材の運搬に手間がかかったりする場合には、追加の工事費用がかかります。

また、使用する木材の種類や原産地を指定する場合には、材料費が通常よりも高くなりますので、工事費用の総額は上がります。

寿司屋の店舗の内装

冒頭でも述べたように、寿司屋といって想像する内装のデザインは人それぞれですが、今回は個人で開業することを前提に、回らない寿司屋のデザインについて考えていきます。

カウンター

寿司屋にはカウンターがあるとイメージする人も多く、寿司屋の顔であるといえます。カウンターはお客様が滞在中ほとんどの時間を過ごす場所ですので、材質や大きさ、高さなど考慮すべき点が多くあります。多くの場合木材を使用することになると思いますが、木材を使用することで、自然の温もりがお客様に心地よさとリラックス効果を与え、安心して食事を楽しむことができます。

また、近年ではSNSで良い写真を投稿したいと思うお客様も多く、投稿された写真がおいしそうに撮影されていれば、そこから集客を見込める事も珍しくありません。そのため、キズや汚れが目立ちにくい素材や色を使用し不衛生な印象を持たれないようにする、店内を全体的に薄暗くしカウンターにだけ照明を当てることで寿司を目立たせる、などの工夫はやっておくべきでしょう。

寿司屋にカウンターを設置するメリット

カウンターは職人さんが握っている姿を間近で見ることができ、出来立てをすぐに味わうことができる特等席です。近年では、SNSのショート動画などで、職人さんから手渡しされた寿司をそのまま食べるシーンを見たことがある人も多いと思います。

また、調理しているところを見ることができますので、衛生的に問題ないかを直接確認することができ、安心して口に運ぶことができます。目でも味でもお客様に喜んでもらえるという点で人気の高いカウンターですが、カウンターで寿司を提供する店側としても、お客様の反応を直に見聞きすることができるという利点があります。

直接感謝の言葉をもらうこともありますし、場合によっては新メニューや人気のある食材を仕入れる手がかりをつかめることもあります。また、お客様に見られているという意識がありますので、常に適度な緊張感の中過ごすことになり、作業場を常に清潔に保つことで、厨房機器などを長く利用することができます。

小上がり席

小上がり席とは、ふすまやのれんなどで簡単に仕切られた、床から一段高くなっている靴を脱いで上がる畳敷きの客席のことで、いわゆるお座敷席と呼ばれる席のことです。

小上がり席はお客様がくつろげる空間を作ることが大事ですので、お店のコンセプトにあるくつろぎの空間を再現してみてください。

寿司屋に小上がりを設置するメリット

小上がりを設置することで、大人数での食事が可能になります。家族や親族などと集まって大人数で食事をするような場合には、カウンター席よりも多くの人数が顔を合わせて食事できますので、重宝されます。

また、区切られた空間があることで、多くのお客様にご来店いただくことができます。小上がりを作るかどうかは、開店する店の広さにも依存しますので、必ず設置しなければならないものではありませんが、広めの店を考えている場合には、小上がりを設置することを考えてみるのがいいでしょう。

ショーケース

カウンターの中には、ショーケースを設置するお店もあります。ショーケースには、既製品から選ぶ場合とオーダーメイドのショーケースを手配する場合とがあります。既製品を使う場合には、そのショーケースに合わせた設計を実施することになります。デザインを先行して決める場合には、それに合わせたショーケースをオーダーメイドする必要があります。

ショーケースに関しては、作業者が使いやすく、ネタがお客様にきれいに見えるようになっているものを選ぶことが必要になります。ネタを保管するものですので、きちんとした温度管理ができ、可能な限り省エネ対応しているものを選ぶというのも経営者としては必要な目線となります。

寿司屋にショーケースを設置するメリット

カウンターに座ったお客様の目に入るという点では、食材の新鮮さを直接確認してもらえるだけでなく、実際のネタを見てもらうことでお客様の食欲を刺激し注文につなげるという役割も果たしてくれます。また、店側からすれば営業中の在庫管理を実施しやすいというメリットもあります。

いけす

いけすは、店によって大きめの水槽であったり、小型のプールのようなものであったりと様々な種類があります。店の大きさによって設置できるいけすの大きさが変わってきますが、お客様に見せるのであれば、中がきれいに見えるようになっており、かつ清掃やメンテナンスがしやすいものを選ぶ必要があります。

いけすが汚れていると、中に入っている魚などが弱る原因になるだけでなく、お客様から不潔・不衛生に見え、足が遠のく原因となり得ます。日々の清掃やメンテナンスは忘れずに実施しましょう。また、いけすの設置には初期費用、ランニングコストともに比較的高めの金額が必要となりますので、よく考えて設置するようにしましょう。

寿司屋にいけすを設置するメリット

寿司屋に設置が必須というわけではありませんが、SNSなどでの写真映えや、外にある場合などは、通行人の目に留まりやすく、店の存在を認識してもらえる可能性が高くなります。

また、いけすがあることで、食材の新鮮さをアピールすることができ、お客様側も鮮度の高い食材を口にできます。さらに、活き造りや踊り食いなど通常の寿司屋では提供できないような料理をふるまうことが可能になり、他店との差別化を図ることにもなります。

寿司屋を開業するときのまとめ

今回は、寿司屋を開店するときの開店資金と内装で抑えるべきポイントについて紹介してきました。開店資金については、どのエリアでどの規模の店を開店するかによって大きく費用が異なりますので、自分が希望しているエリアの家賃相場や物価を考慮したうえで算出しましょう。

また、内装に関しても誰をターゲットにした、どのようなコンセプトの店にするのかによってデザインの内容や工事費用が大きく変動しますので、設計の段階でデザイナーと相談しながら進めていくことが成功への近道です。

もちろん、寿司屋の開業やリフォームは私たちにTOにお任せください。経験豊富なデザイナーがデザインから開業のご相談までサポートいたします。皆様からのご連絡をお待ちしております。