店舗の内装デザインを決めるさい内装に化粧板の使用を検討しているけど、化粧板についてよく理解できてない、オーナーの方は多いのではないでしょうか。
この記事では、化粧板の特徴から種類、店舗デザインで使用する用途までを詳しく解説していきます。化粧板は店舗の内装から家具などさまざまな用途で使用されることが多い素材です。種類やデザインも豊富なので人気の高い素材でもあります。
しかし、化粧板の特徴を理解せずに使用してしまうと、のちに後悔してしまう可能性が。店舗デザインで化粧板をうまく利用するためにも、この記事をチェックしてみてください。
化粧板とは?
板状のものに化粧加工を施して、表面をキレイな状態にしたのが化粧板です。合板や石膏ボードの表面に塗装や化粧紙、樹脂フィルムなどを貼り付けたりしたものを指します。
化粧板は家具や什器などの表面に使用されることが多く、需要の多い素材です。店舗デザインにも使用されることが多いので、化粧板の特徴と種類を頭の片隅に入れておくといいでしょう。
化粧板の特徴はメリットが多い?
化粧板は天然の木材である無垢材などと比べてメリットが多いといわれています。たしかに化粧板は多くのメリットを有しています。
しかし化粧板は、多くのデメリットのある素材であることも忘れてはなりません。化粧板の特徴であるメリット・デメリットを以下にまとめたので、確認してみましょう。
・価格が安価
・耐熱性・耐水性がある
・汚れにくい
・丈夫で長持ちしやすい
・デザインが豊富
・仕上がりにバラつきがある
・加工形状に制限がある(硬い素材のため)
・天然素材にこだわりがある店舗には向かない(作りもの感が出てしまう)
・経年劣化が起きる
化粧板の種類
化粧板の種類は数多く存在しますが、その中でもよく使用される以下8つを紹介していきます。
- 高圧メラミン化粧板
- 低圧メラミン化粧板
- ポリエステル化粧合板
- プリント化粧板
- オレフィン化粧板
- 突き板化粧板
- ダップ(DAP)化粧板
- 塩ビ(PVC)化粧板
上記8つそれぞれの特徴と店舗デザインで使用するさいの用途をみていきましょう。
高圧メラミン化粧板
化粧紙にメラミン樹脂を浸み込ませてできた層と、クラフト紙にフェノール樹脂を浸み込ませた層からなるフェノールパッカーを高圧でプレスをしたものが高圧メラミン化粧板です。かんたんにいうと、高圧メラミン化粧板は上からエンボス→表面紙→化粧紙→コアの4層になっています。
耐熱性や耐水性、耐摩耗性、耐汚染性などに優れた高機能性を持つ化粧材。木目調や単色など柄や色が豊富です。
カウンター、テーブルの天板、什器、家具など
低圧メラミン化粧板
化粧紙にメラミン樹脂を浸み込ませてできた層と、木質素材であるMDF(中質繊維板)やパーティクルボード(木材のかけらを接着剤と混合して熱圧成型したもの)を低圧でプレスしたものが低圧メラミン化粧板です。
低圧メラミン化粧板は高圧メラミン化粧板と同じく、耐熱性や耐水性、耐摩耗性、耐汚染性などに優れた高機能性を持つ化粧材。木目調や単色など柄や色が豊富です。
カウンター、テーブルの天板、什器、家具など
ポリエステル化粧合板
合板の上に化粧紙を貼り合わせてポリエステル樹脂を塗り、その上からフィルムでプレスして固めたのがポリエステル化粧合板です。
化粧紙のほかにも顔料インクで色付けをすることもあります。ポリエステル化粧合板は、什器や家具の表面材として使用されることの多い素材です。
木目調や単色、柄物まであり色や柄が豊富。メラミン化粧板よりも表面強度が低くなりますが、お手頃な価格で手に入ります。
壁材、建具、家具、什器など
プリント化粧板
パーティクルボードやMDFなどの繊維板を基材として、ウレタンコート紙などの薄葉紙を貼りあわせたものがプリント化粧板です。
耐汚染性や耐熱性に優れておりカラーバリエーションが豊富ですが、表面強度が弱いです。ツヤ感があるため、家具の垂直面に使用されることが多いです。
家具、什器、建具、壁材
オレフィン化粧板
オレフィン化粧板は、パーティクルボードやMDFなどの繊維板を基材として、その上にポリエチレンなどからなる非塩ビシートを貼りあわせたものです。
耐水性や耐汚染性に優れており、色や柄のバリエーションに富んでいます。傷や熱に弱いのが難点ですが、環境に優しい素材です。
壁材、建具、什器、家具
突き板化粧板
パーティクルボードやMDFなどの繊維板と天然木材や木目が美しい木材をスライスした突き板を貼り合わせたのが突き板化粧板です。
天然の木材が持つ自然な味わいや深みを表現できる素材です。厚みがあると高級感が増し、無垢材などと比べると反りなどが少ないのが特徴です。
フローリング、壁材、造作材、家具など
ダップ(DAP)化粧板
パーティクルボードやMDFなどの繊維板を基材として、化粧紙にDAP(ジアリルフタレート)樹脂を浸み込ませた化粧層をプレスで固めたものがダップ(DAP)化粧板です。
耐熱性や耐湿性、耐摩耗性、耐汚染性に優れておりホルムアルデヒドを含みません。電気を通さない性質も持ち合わせているため、キッチンの家具など内装の幅広い場面で使用される素材です。
カウンター、テーブルの天板、家具など
塩ビ(PVC)化粧板
パーティクルボードやMDFなどの繊維板を基材として、塩ビシートを貼りあわせたのが塩ビ化粧板です。塩ビ化粧板の中には高級な質感を出すタイプのものも存在します。
耐水性や耐汚染性に優れており、カラーバリエーションも豊富です。加工性にも優れています。エンボス仕上げとフラット仕上げ2種類の表面仕上げから選ぶことができます。
壁材、建具、家具、什器など
まとめ
この記事では、化粧板の特徴から種類、店舗デザインで使用する用途までを詳しく解説してきました。この記事の重要ポイントは以下です。
- 板状のものに化粧加工を施して、表面をキレイな状態にしたのが化粧板
- 化粧板はお手頃価格で手に入り耐久性に優れている
- 化粧板は、経年劣化を起こしたり天然木材と比べて作り物感が出てしまう
- ポリエステル化粧合板は価格が安価なため、家具によく使用される
- 突き板化粧板は化粧板の中で最も美しい仕上がりになり、厚みがあると高級感がでる
- 化粧板はカラーバリエーションが豊富なものが多い
化粧板は家具をはじめとする幅広い部分に使用される万能な素材です。種類も多くお手頃な価格で購入できることから、店舗の内装素材として適しています。店舗の内装に適した化粧板を選ぶためにも、上記のポイントを参考にしてみてください。