店舗や住宅にはドアや窓など様々な建具が存在します。多くの場合は枠があり、その中に建具が納まっていると思います。その枠にも「トメ(留)」や「イモ(芋)」といった納まりの種類があるとご存じでしょうか?身近にあるものですが意識して見ている方も少ないのではないでしょうか?今回はそんな納まりについてご紹介いたします。
などとお考えの方は是非参考にしてみて下さい。
納まり(おさまり)とは
「納まり」とは、各部材の接合部分の取り合いや仕上がり具合を意味します。接合部分が合理的で美しく完成された際は「納まりが良い」、大きさや高さが合わない、美しくないといった場合に「納まりが悪い」等の使い方がされます。今回は主に建具枠の納まりについてご紹介いたします。
建具枠の納まりについて
まず枠には「見付」「見込み」「散り」「小口」といった部位が存在します。「小口」とは部材の横断面の切り口を表しています。枠を納める際にこの小口を見せるか見せないかで納まり方が異なります。今回は頻繁に登場する「イモ」「縦勝ち」「横勝ち」「トメ」といった納まりについてご紹介いたします。
また先程ご紹介した「見付」「見込み」「散り」といった用語に関してはこちらの記事でご紹介しているので興味がある方は是非参考にしてください。
https://www.tototo.biz/staffblog/what-is-a-find/
建具枠の納まりの種類
建具枠は主に「三方枠」と「四方枠」が存在します。三方枠は扉などに設置される上に横一本と左右縦1本ずつの枠組みです。四方枠は上下に横1本ずつ、縦一本ずつの枠組みです。
家にある扉を囲んでいる枠は「三方枠」で窓は「四方枠」と想像して頂くとわかりやすいと思います。これらの角部分を納め方についてご紹介いたします。
①イモ
二つの部材を直角に接合する納め方です。この縦枠が伸びている納め方を「縦勝ち」、横枠が伸びている状態を「横勝ち」と呼びます。多くの建具枠ではこの納まりが使用されています。
建具の場合は施工が簡単であることや、木材が縮んだ場合の隙間が見えにくいことから「縦勝ち」で施工されることが多いです。皆さんのお家にある窓枠や扉枠の多くも縦勝ちで施工されていると思います。
②トメ
二つの部材を45度に切断して合わせる方法です。これは主に小口を見せたくない場合に用いられます。イモと比較すると手間もかかりますが小口が見えないので美しく納まります。
額縁を想像して頂けると角がそれぞれ小口を見せずに納まっているのがわかりやすいと思います。テーブル天板の框や窓枠の納まりなどで使用されることが多いです。
その他の納まりについて
今回ご紹介した「イモ」「トメ」の納まりは建具枠だけではなく造作家具やフローリングの納まりなど様々な場面で登場します。家具の場合は天板だけ横勝ちにしてその他は縦勝ちにする方法が一般的です。
またフローリングの場合はデザインによって「トメ」「イモ」を選択することが必要です。「トメ」はスタイリッシュに納まりますがコストがかかるケースも多く何を優先させるのか考える必要があります。
まとめ
今回は納まりについてご紹介いたしました。普段あまり気にしない部分だとは思いますが、細かい部分にまで目を向けると様々な納まりが見えてきて面白いと思うので是非日常で注目してみて下さい。また納まりについてお困りの方も是非ご気軽にご相談ください。
株式会社TOは店舗やオフィスなどの商業施設のデザインを多く取り扱っています。「お客様が望まれていること」さらに「お客様のお客様が望まれていること」を実現できるように誠心誠意取り組んで参ります。
店舗改装や、新規出店、それ以外のことでも何かお困りのことございましたらご気軽にご相談下さい。皆様の理想を叶えるために尽力させて頂きます。