居酒屋の店舗デザイン費用の相場と予算の立て方|これまでの経験と実際の見積もり事例をもとに成功する居酒屋デザインについて解説します

飲食店の店舗デザイン
飲食店の店舗デザイン

みなさんは、居酒屋といってどのような雰囲気を想像しますか。海鮮居酒屋や大衆居酒屋、手羽先メインの居酒屋、特定の地方の料理をメインに提供する居酒屋など、様々なコンセプトの居酒屋が存在します。

今回は、居酒屋を開業するときのデザインと予算について紹介していきます。

こちらの記事で掲載している店舗の画像は、すべて私たち株式会社TOでデザインいたしました。気になるデザインがございましたら、お気軽にお問い合わせください

居酒屋の開業のために必要な「工事費用」と「デザイン費用」

居酒屋を開業するための費用として、工事費用と内装のデザイン費用があります。

デザインをどこに依頼するかによって、デザインだけのところもあれば、ワンストップでデザインと工事の両方を依頼することができる所もあります。

後者の場合には、工事費用として提示された見積もりの詳細の中にデザイン費用が含まれることになりますので、詳細は見積もりを確認してください。

居酒屋の「工事費用」

居酒屋の内装工事費用は、坪単価で目安となる金額が算出されており、工事する物件がスケルトン物件か居抜き物件かによって異なります。それぞれの内装工事費用の相場(坪単価)は以下のようになります。

スケルトン物件の場合 居抜き物件の場合
1坪当たり40万円~80万円 1坪当たり20万円~40万円

スケルトン物件の場合は、内装が何もない状態から希望する内装を作り上げることになり、電気工事やガス工事、空調工事など基本的な工事が必要となってきます。そのため、内装工事費用に加えて、工事費用が加算されることになります。

一方で、居抜き物件の場合は、電気やガス、空調などの設備が備わっている状態で、家具や内装も前の物件のまま置いてありますので使いまわせる所は使いまわすことができます。その分工事費用が安くなります。

ただし、居抜き物件の場合でも、すべて作り直す必要がある場合については、場合によってはスケルトン状態からの工事よりも費用が高くなる可能性がありますので、物件選びの際には注意が必要です。

また、工事費用は物件の規模によっても変わることがあります。一般的に広い方が工事費用が高く、狭ければ安くなるというイメージを持つかもしれませんが、逆に工事する物件が狭すぎると、工事に工具を使用できず、手作業での作業となるため坪単価が高くなり、工事する物件が広くなれば坪単価が低くなることがあります。

居酒屋の「デザイン費用」

デザイン費用は主に2種類の料金体系に分けられます。

1つ目は、デザイン費用の坪単価が設定されており、そこから算出する方法です。

もう一つは、総工費の10〜15%をデザイン費用として算出する方法です。

前者の場合は、デザインのみを請け負っている場合など、デザインする会社と実際の工事をする会社が分かれている場合によく採用されています。後者はデザインから工事までワンストップで受けている会社がよく採用しています。

また、ほとんどの設計事務所は、小規模案件に対して、最小設計料を決めているところが多いので、事前にその確認を取ることをお勧めします。最小費用は数十万円です。

それぞれの場合のデザイン費用相場は以下のようになりす。前項で述べたように工事費用は、工事する物件がスケルトン物件か居抜き物件かによって費用が異なりますので、それぞれの場合の費用を記載しています。

居酒屋の開業資金

一般的に居酒屋の開業費用の相場は、500万円〜1,000万円と言われています。

居酒屋を開業するときには前述の工事費用、デザイン費のほかに、物件を契約する費用、設備投資費用、運転資金(家賃、光熱費、食材などの仕入れ費用、宣伝広告費用)などの費用が発生します。

各費用の相場は以下のようになっており、それぞれについて主なものについて簡単に説明していきます。

開業費用の内訳 金額(目安)
物件契約費用 200万円〜500万円
設備投資費用 100万円〜400万円
運転資金
 家賃 3-6か月分
 光熱費 50万円
 仕入れ費用 3か月分
 広告宣伝費 20万円

物件契約費用

物件を契約するときには、一般的に前払いの家賃、敷金・礼金、仲介手数料が必要になり、相場としては合計で200万円〜500万円(家賃4〜10か月分の費用)が必要になると言われています。人通りの多い場所や駅などへのアクセスが良い場合には家賃は高くなりますし、依頼する不動産会社によって仲介手数料にも変動があります。

設備投資費用

設備費用としては、100万円〜400万円ほどが相場です。居酒屋を開業する場合、食材を保管する冷蔵庫・冷凍庫やドリンクを入れておくショーケースなどの厨房設備やテーブル、イスなどの家具やインテリアなどが必要になります。居抜き物件の場合には、ある程度揃っており使い回せるものもありますが、スケルトン物件の場合には全てを揃えなければなりませんので、コストが膨らみます。

運転資金

家賃

店を開業した直後はある程度の売り上げを見込めるかもしれませんが、そこから店が軌道に乗るまでは不安定な売り上げとなりますので、3-6か月分の家賃も用意しておくと安心です。ただし、ある程度安定した売り上げを見込めている場合には、6か月分の家賃を前もって準備しておく必要はありませんが、2か月分ほどは確保しておくと安心です。

光熱費

店を営業していく上で不可欠なのが光熱費です。電気やガス、水道など毎月固定でかかる費用であり、どれか一つでも欠けると営業できなくなりますので、支払いが停滞しないようある程度の資金を確保しておく必要があります。しかし、これらの費用は前もって予想しておくしかありませんが、1ヶ月50万円ほどで考えておいたらいいかもしれません。

仕入れ費用

居酒屋を営業していく上では食材や酒類のほか、洗剤やトイレットペーパー、おしぼりなどの消耗品を仕入れていく必要があります。開業する居酒屋がメインで何を取り扱うのかによって食材や酒類の仕入れ費用は変わると思いますが、開業前に試算した仕入れ費用の3か月分は確保しておくのが望ましいです。

広告宣伝費

居酒屋を開業する前に店の存在を知ってもらうために広告を作成しポスティングしたり、プレオープンを含めた期間でドリンクの割引等のプロモーションを実施することがあります。こちらについては開業の時だけですので、余剰に確保しておく必要はありません。

開業資金の調達方法

開業資金が200〜300万円程度であれば自己資金だけで賄える可能性もありますが、1,000万円ともなるとなかなか自己資金だけで賄うのは困難です。

開業資金に占める自己資金の割合は2割〜3割程度が平均と言われており、全額自分で用意する人は少ないことがわかります。

融資と補助金、助成金の主な違いは以下です。

融資 補助金 助成金
申請先(支払元) 金融機関 国・地方自治体
返済の有無 あり なし
支払い条件 各金融機関の審査次第 運営母体の審査次第 申請条件を満たしていること
申請時期 随時 指定期間のみ 随時
支払い時期 随時 申請から1年後など

融資を受ける場合、日本政策金融公庫が新規開業向けの商品を多く取り扱っていますので、一度どのようなものがあるか確認してみてください。

日本政策金融公庫

また、各商工会議所で融資に関する相談をすることも可能ですので、一度相談してみてもいいかもしれません。

補助金や助成金については、国が実施しているもののほかに、市区町村など地方自治体が独自に設定しているものもありますので、管轄の自治体の窓口やホームページで確認してみてください。

補助金や助成金の申請方法

補助金や助成金については、各自治体が独自に設定している場合があり、申請方法についてもインターネットからの申請や郵送での申請、窓口での受付などさまざまです。

助成金については、必要書類をそろえ申請すれば、処理完了後給付されますが、補助金については少し事情が異なりますので申請方法を説明します。

①実施計画の申請

補助金の支給要件に基づき、活動内容を示す実施計画を作り、提出します

②採択

補助金の場合は申請後、採択結果が出されます。採択されれば計画実行後支給されますが、採択されなければ支給はありません

③実施

提出した実施計画通りに活動を実行します

④支給申請、支給

活動終了後など、ルールに従って支給を申請し、要件を満たしていれば支給されます。

ただし、補助金や助成金は申請から支給までに1年ほど時間がかかることがほとんどですので、開業時に受け取れるものは多くなく、支給時期を見越した計画を立てるようにしてください。

居酒屋を開業するときのまとめ

今回は、居酒屋の開業費用とデザインについて紹介してきました。昨今様々なコンセプトの居酒屋ができ、どこに行くか決めるだけでも一苦労というような状況になってきています。

このような中で選ばれる店となるような店づくりをデザイナーと相談しながら作り上げていくことが店を長く続けていく秘訣です。

居酒屋の開業やリフォームのことなら私たちにTOにご相談ください。経験豊富なデザイナーがデザインから開業のご相談まで一貫してサポートいたしますので、安心してお任せください。ご連絡をお待ちしております。