漆喰(しっくい)とは?和を演出する際の内装建材として人気の理由を店舗デザインの観点から解説します。

漆喰の店舗デザイン 飲食店の店舗デザイン
飲食店の店舗デザイン
「漆喰は内装の素材として向いているの?」
「漆喰を内装に使用するメリット・デメリットを知りたい」

このように、漆喰を内装に使用するか検討していませんでしょうか。漆喰は和の雰囲気を出す上で最適な内装素材となります。メンテナンスがしやすく防火対策ができるなどのメリットも多くあります。

しかし、漆喰を内装に使用するデメリットを知らないと、のちに後悔する可能性が。そこで、この記事では、漆喰を内装に使用するメリット・デメリットから内装の使用に向いているのかを解説していきます。内装に漆喰を使用して後悔しないためにも、この記事を最後までお読みください。

こちらの記事で掲載している店舗の画像は、すべて私たち株式会社TOでデザインいたしました。気になるデザインがございましたら、お気軽にお問い合わせください

漆喰を内装に使用するメリット6つ

漆喰を内装に使用するメリット

漆喰は内装の素材に向いているさまざまな特徴を持っています。漆喰のメリットを把握して、内装の使用に向いているか検討してみてください。

①デザイン性に優れている

デザイン性に優れている

デコボコとした奥行きのある仕上げやコテの跡を残した仕上げなど、デザインのバリエーションが豊富です。仕上げ方は無数にあるため、店舗に合う理想の仕上げが見つかるでしょう。仕切りのある個室ごとに仕上げ方を変えると、独自性のある店舗になります。

②耐久性が高い

漆喰の耐用年数は100年とも言われており、耐久性の高い素材です。キレイな状態を長く保てるため、基本的にメンテナンスは必要ありません。一般的な壁紙と比べると経年劣化が少なく、メンテナンスにかかる費用は少なくすむでしょう。

③メンテナンスがしやすい

静電気を溜め込まない漆喰は、ほこりやゴミが付きにくく掃除の手間がかかりにくいです。また、まんがいち壁が汚れてしまったとしても、汚れた部分の上に漆喰を薄く塗るだけできれいな状態に戻ります。ちょっとした汚れは消しゴムを使用するときれいに消せます。

④抗菌性が高い

抗菌性が高い

漆喰の原料である消石灰は強アルカリ性のため、抗菌性が高いです。付着した菌を活性化させない効果を発揮します。店舗内で起こる可能性があるシックハウス症候群の対策が可能です。

⑤防火性に優れている

漆喰は消石灰という不燃性の無機質な炭酸カルシウムが主成分です。火に強いため日本では昔から神社仏閣、城などに使用されてきました。

漆喰は表面が燃えることがあっても、内部まで火を通しません。一般的な壁紙は樹脂素材でできており、火事で燃えると有害物質が発生します。

しかし、漆喰は無機質であるため、まんがいち燃えても有毒ガスが発生しにくいです。店舗の守ってくれる防火対策ができる素材のひとつになります。

⑥日本らしいデザインにできる

日本らしいデザインにできる

漆喰は日本で昔から使用されてきた伝統的な素材です。漆喰が内装にあるだけで、和の雰囲気をかんたんに演出できます。日本料理屋や外国人をターゲットとしている店舗に最適でしょう。

漆喰を内装に使用するデメリット5つ

漆喰のデメリット

漆喰にもデメリットがあります。内装に使用した後に後悔しないためにも、漆喰のデメリットを把握しておきましょう。

①費用が高い

漆喰は材料費だけでなく左官職人の人件費もかかります。難しい仕上げ方になると、腕のある職人に依頼しなければならないため、費用が高額になるでしょう。

漆喰の壁の相場は、1㎡あたり4,000円〜8,000円ほどになります。一般的に使用されるビニールクロスは1㎡当たり1,000円〜2,000円ほどです。漆喰はビニールクロスの約4倍ほどの費用がかかると考えるといいでしょう。

②施工に時間がかかる

漆喰の施工

漆喰の壁は下塗りをした後に仕上げ塗りをする工程を経て完成します。貼るだけで終わる一般的な壁紙と比べて、手間と時間がかかります。

漆喰の壁にしたい場合は、内装工事に時間の余裕を持つようにしましょう。左官職人も少なくなっているため、職人を探す時間も考慮して、内装工事の計画を立ててみてください。

③汚れが目立ちやすい

漆喰は水をはじかないため、お茶やコーヒーなどがついてしまうとシミになりやすいです。多少のシミであれば削ったり上塗りで対処できます。広範囲な汚れになると大掛かりな補修作業となり、費用が高くなるでしょう。

④白い粉が落ちる可能性がある

漆喰をこすったり強い衝撃を与えると、白い粉が落ちる可能性があります。落ちた白い粉は掃除すれば問題ありません。しかし、お客様の服に付く可能性があるため、注意が必要です。漆喰の壁にする際は、白い粉がつく可能性があると注意喚起をするといいでしょう。

⑤ひび割れが起こる可能性がある

下地の状態や施工環境によってひび割れを起こす可能性があります。特に、慣れていない左官職人が施工すると起こりやすいです。また、施工後も地震の衝撃や湿度などによってひび割れを起こす可能性があります。ひび割れは薄く上塗りをすることで補修が可能です。

漆喰は内装に向いているのか?

漆喰の内装

日本で昔から城や神社仏閣に使用されてきた漆喰は、店舗の内装に向いている素材です。特に、和の雰囲気を演出したい店舗デザインを計画している場合は、最適でしょう。

どの内装素材を使用してもデメリットはあります。耐久性の高い漆喰はトータルで見るとコストパフォーマンスに優れている素材でしょう。

まとめ:漆喰を内装に取り入れて和の空間を作ってみてください

和の雰囲気を演出するのに漆喰素材は有効

和の雰囲気を演出するのに漆喰素材は有効です。メリット・デメリットを考慮した上で、内装に取り入れるか検討してみてください。漆喰を内装に使用するか悩んでいる場合は、弊社TOまでご相談ください。

私達の照明に対する想いと設計のポイントはこちらの特集ページでも詳しくご紹介しています。実際の事例(店舗やオフィスの照明設計)をもとに、解説していますので、ぜひこちらも合わせてご参照ください。