「飲食店を開業する予定だけど、開業するのに必要な届け出って何があるのかな」
「飲食店の開業に必要な届け出の内容を詳しく知りたい」
このように、飲食店の開業にあたり必要な届け出について悩んでいるオーナーの方は多いのではないでしょうか。この記事では、飲食店の開業に必要な届け出の一覧を、個人営業と法人営業に分けて解説していきます。
飲食店の開業には、多くの届け出がつきもの。届け出に漏れがあると営業停止になってしまったり、罰金を取られてしまう可能性があります。届け出の漏れを防ぎ、スムーズな開業をするためにも、この記事を参考にしてみてください。
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【飲食店開業】届け出は個人営業と法人営業で異なる
飲食店を開業する際の届け出は、個人営業と法人営業で共通しているものもあれば、異なるものもあります。それぞれの違いを理解して届け出を出さないと、後に損をしてしまったり、届け出のやり直しを命じられてしまう可能性があるので注意しましょう。
個人営業・法人営業ともに必要な届け出一覧
飲食店の開業で個人営業・法人営業ともに必要な届け出は、主に12種類(うち6つは該当する飲食店のみ)です。それぞれの届け出を「どこに」「いつまでに」提出すればいいのかを、これから詳しく解説していきます。
飲食店営業許可
飲食店を初める際に第一に提出すべきが、飲食店営業許可です。申請書や店内のレイアウト図、食品衛生責任者の資格証明書、申請料などを、店舗が完成する10日前までに、管轄の保健所に届け出る必要があります。
防火管理者選任届
収容人数が30人以上の飲食店の場合は、防火管理者選任届を管轄の消防署に届け出なければなりません。不特定多数の人が集まる飲食店で家事が起きると、大惨事を招きます。まんがいち火事が発生した場合に、安全な誘導・対処ができるように防火管理者を選任する必要があります。
防火対象物使用開始届
建物や建物の一部を使用する際に届け出なければならないのが、防火対象物使用開始届です。内装業者が届け出てくれることが多いですが、届け出が出されているかを必ずチェックしましょう。届け出は、使用を始める7日前までに管轄の消防署に提出する必要があります。
火を使用する設備などの設置届
火を使用する場合は、火を使用する設備などの設置届を出さなければなりません。防火措置が、適切に取られているかを確認する書類の提出が求められます。厨房機器などの設備設置前に管轄の消防署に届け出る必要があります。
労災保険・雇用保険・社会保険
飲食店を運営していく中で、従業員を雇うこともあるでしょう。そこで必要となるのが、労災保険・雇用保険・社会保険の届け出です。
- 労災保険→雇用した翌日から10日以内に労働基準監督署に届け出る
- 雇用保険→雇用した翌日から10日以内に公共職業安定所に届け出る
- 社会保険→開業後すぐに管轄の年金事務所に届け出る
3つとも届け出先が異なるので、間違わないように注意しましょう。
深夜酒類提供飲食店営業開始届出書
お酒を提供する飲食店で、深夜0時を超えて営業する場合に必要な届け出が、深夜酒類提供飲食店営業開始届出書です。お酒を提供しない食事を主とする飲食店は、届け出る必要はありません。営業を始める10日前までに管轄の警察署に届け出る必要があります。
菓子製造許可
飲食店を開業するにあたり、店内で食べるだけでなく店舗で作ったお菓子などを販売する場合は、菓子製造許可届けを出さなければなりません。テイクアウトが流行しているので、該当する飲食店も多いでしょう。営業開始日の15日前までに管轄の保健所に届け出る必要があります。
酒類販売業免許
バーなどの飲食店で、酒を提供すると同時に販売する場合は、酒類販売業免許の届け出を出す必要があります。届け出は、酒類を販売する前にすみやかに管轄の税務署に提出することとなっています。
麺製造業許可申請
ラーメン屋などで自家製の乾麺や生麺を販売する予定がある場合は、麺製造業許可申請をしなければなりません。該当する場合は、営業開始の2週間前までに、管轄の保健所に届け出てください。
食品の冷凍又は冷蔵業許可申請
冷凍食品や魚介類を冷凍・冷蔵販売する予定の飲食店は、食品の冷凍又は冷蔵業許可申請が義務付けられています。該当する場合は、管轄の保健所に営業開始日の2週間前までに、届け出を出しましょう。
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申告書
源泉徴収税を年2回にまとめて支払うために提出するのが、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申告書です。基本的には、源泉徴収税は毎月支払わなければなりませんが、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申告書を提出していれば、年2回にまとめられて楽になります。適用を受ける際に管轄の税務署に届け出る必要があります。
青色申告承認申請書
確定申告の方法は、白色申告と青色申告の2種類があります。法人の場合は青色申告一択ですが、個人の場合は白色と青色のどちらかを選ぶことができます。
青色申告の方が複雑な帳簿付けをしなければなりません。しかし、「赤字繰越」「減価償却費の計上」など税金が安くなるメリットがあります。個人事業の場合は、管轄の税務署に開業から2ヶ月以内に届け出る必要があります。
個人で開業する場合に必要な手続き
個人で飲食店を開業する場合は、「個人事業主の開廃業届出書」と「個人事業税の事業開始等申告書」の2つの届け出が必要となります。それぞれを詳しくみていきましょう。
個人事業主の開廃業届出書
よく耳にする開業届が個人事業主の開業届出書です。飲食店の開業後1ヶ月以内に管轄の税務署に届け出る必要があります。
個人事業税の事業開始等申告書
事業を開始した際に個人が、都道府県知事に申請しなければならないのが、個人事業税の事業開始等申告書になります。開業後1ヶ月以内に都道府県地方税務庁に、申告する必要があります。
法人で開業する場合に必要な手続き
法人で飲食店を開業する場合は、「法人設立届出書」と「給与支払事務所等の開設届出書」を提出する必要があります。
法人設立届出書
法人の設立を知らせる届け出になります。「税務署」「都道府県税事務所」「市町村役場」の3つに同じ届け出を提出しなければなりません。
- 法人税のための届け出→税務署に開業後2ヶ月以内に提出
- 地方税のための届け出→都道府県税事務所と市町村役場に開業後1ヶ月以内に提出
それぞれ期限が異なるので、間違わないように注意しましょう。
給与支払事務所等の開設届出書
従業員を雇用した際に提出義務になるのが、給与支払事務所等の開設届出書です。雇用してから1ヶ月以内に管轄の税務署に届け出る必要があります。
まとめ
この記事では、飲食店の開業に必要な届け出の一覧を、個人営業と法人営業に分けて解説してきました。この記事の重要ポイントは以下です。
- 飲食店営業許可、防火対象物使用開始届、火を使用する設備などの設置届、労災保険・雇用保険・社会保険は、飲食店の開業で必ず届けなければならない
- 収容人数が30人以上の飲食店の場合は、防火管理者選任届を出す
- 深夜0時を超えて営業する場合は、深夜酒類提供飲食店営業開始届出書を届ける
- 菓子製造許可、酒類販売業免許、麺製造業許可申請、食品の冷凍又は冷蔵業許可申請それぞれ該当する場合は、届け出る
- 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申告書を届けると、源泉徴収税を年2回にまとめて支払える
- 青色申告にすると「赤字繰越」「減価償却費の計上」など税金が安くなる
飲食店の開業をするには、多くの届け出が必要となります。スムーズな開業にするためにも、上記のポイントを参考にして、事前に届け出の提出の計画を立ててみてください。また、2022年ウィズコロナ時代の店舗改装リニューアルや新規出店の記事やコラムはこちらでまとめています。こちらも合わせてご参照ください。