サイディングとは?主な種類と特徴、メリットとデメリットを店舗デザインの観点から解説します。

建築設計デザインの基礎知識
建築設計デザインの基礎知識
「店舗の改装を考えているけど、サイディングってなんだろう?」
「外壁をサイディングにするメリット・デメリットを詳しく知りたい」

このように、店舗の新設や改修で候補にあがるサイディングについて、詳しく知りたいと考えている方は多いのではないでしょうか。この記事では、サイディングの種類と特徴、サイディングにするメリット・デメリットを詳しく解説していきます。サイディングは現代の外壁に欠かせない素材です。

サイディングを知らないと店舗の新設や改修で後悔する可能性が。サイディングの知識を深めるためにも、この記事をチェックしてみてください。

私たちTO(ティーオー)は、店舗・オフィスなど商業施設の設計を得意とするデザイン設計事務所です。店舗デザインに対して真摯に向き合い、無理のない最適なプランニングをしております。私たちのデザインの流れについてはこちらのページをご参照ください。

サイディングは外壁の仕上げ材

サイディングは外壁の仕上げ材

建物の外壁の仕上げに使用されるのがサイディングです。サイディングボードと呼ばれる板を壁の広さに合わせてカットし、壁に貼って外壁を完成させます。つなぎめにはシーリングと呼ばれるすきまを埋める材料が使用されます。

外壁の施工方法は「乾式」と「湿式」の2種類があります。サイディングは乾式の施工方法です。一方、湿式はタイル張りや塗り壁などがあげられます。

サイディングの耐用年数

サイディングは外壁のため経年劣化が起こります。一般的なサイディングの耐用年数は以下です。材質によって耐用年数は異なります。

窯業系→20年~30年
金属系→20年~30年
樹脂系→20年~30年
木質系は15年~25年

サイディングの交換は以下の状態がみられたタイミングにおこないます。

つなぎ目がはがれる
サイディングボード自体が反り返る
サイディングボード自体がひび割れる
チョーキング現象が起きる

サイディングは定期的なメンテナンスが必要です。サイディングボードに塗られている塗料は、一般的に7年〜8年でのメンテナンスが必要になります。また、つなぎ目に使用されるシーリングは5年〜10年でのメンテナンスが必要です。

サイディングの種類と特徴

サイディングの種類

サイディングは主に以下4種類に分類されます。

・窯業系サイディング
・金属系サイディング
・木質系サイディング
・樹脂系サイディング

それぞれの特徴を詳しくみていきましょう。

窯業系サイディング

セメント質と繊維質を組み合わせた板が窯業系サイディングです。近年の住宅のほとんどは窯業系サイディングが採用されています。汚れにくいように加工されたものやデザイン性に優れたものまで、さまざまな種類があります。

特徴
・デザインが豊富
・施工できる業者が多い
・初期費用が安い
・メンテナンス費用が高い
・全面張替の費用が高い
・熱を吸収しやすい

金属系サイディング

金属系サイディングはスチールやアルミニウム、ステンレスなどの銅板からできています。金属のため天候や気温に左右されることがありません。寒い地域に向いているサイディングです。

特徴
・耐久性が高い
・メンテナンスが簡単
・古い外壁にも対応できる
・断熱性・遮音性に優れている
・窯業より費用が高い
・デザインがシンプルになりやすい

木質系サイディング

天然の木材に塗料を塗って作るのが木質系サイディングです。木目調のおしゃれな外観にできます。しかし、水に弱いため雨や雪が多い地域には適していません。また、水を含んだままにすると劣化の原因になりやすいため、こまめなメンテナンスが必要です。

特徴
・高級感をだすことができる
・耐熱性に優れている
・サイディングの中でもっとも高い
・メンテナンスが費用が高い

樹脂系サイディング

塩化ビニル樹脂を主に原料として作られるのが樹脂系サイディングです。海外での人気が高く、アメリカでは外壁材全体の50%以上のシェア率を誇っています。

シーリングを必要としないため、シーリングのメンテナンスを気にする必要がありません。サイディングの中でもっとも軽いですが、軽い設計のため遮音性に劣るのが特徴です。

特徴
・サイディングの中でもっとも安い
・色あせがない
・シーリングが不要
・日本での導入実績がほぼない
・デザインが限られている
・遮音性に劣る

サイディングを使用するメリット

サイディングを外壁に使用するメリット
サイディングを外壁に使用するメリットは以下の9つがあげられます。

①工事費用を抑えられる
②種類・デザインが豊富
③レンガ調・タイル調・木目調・石積調など
④品質が安定している
⑤施工時間が短縮できる
⑥経年劣化しにくい
⑦メンテナンスがかんたん
⑧耐震性に優れている
⑨防火性に優れている

他の外壁の施工方法に比べて、デザインを自由自在にできるのがサイディング最大のメリットです。また、窯業系サイディングと金属系サイディング、木質系サイディングは日本の業者が慣れているため、安定した品質が担保されます。

サイディングを使用するデメリット

サイディングのデメリットは以下3つです。

①外壁につなぎ目ができる(樹脂系サイディングを除く)
②防水性能が低い
③定期的なメンテナンスが必要

外壁につなぎ目ができるため、見た目が悪くなる可能性があります。また、劣化したつなぎ目から水が入る可能性があり、防水性が他の外壁より劣ります。劣化対策の定期的なメンテナンスが必要なため、メンテナンス料金もかさむのもデメリットでしょう。

まとめ

サイディングのデザイン

サイディングは近年の外壁にもっとも利用されている仕上げ材です。サイディングを知っておくと、外壁のデザインの幅が広がるでしょう。理想の外壁にするためにも、この記事を参考にしてサイディングを取り入れてみてください。