飲食店の内装デザインは、店舗の「雰囲気」を左右する重要なポイント。そのため「内装デザインにはとにかくこだわりたい!」と考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし飲食店の場合、店舗の業態によって目指すべき雰囲気が異なるため、その業態にあった店舗デザインを選ぶ必要があります。その中でも居酒屋は、店舗のコンセプトによってさまざまなデザインがあるお店。
今回は居酒屋の店舗デザインで抑えておくべきポイント3選と題して、居酒屋の空間デザインのコツをプロのデザイナーがお教えいたします。居酒屋を開業予定の方や、飲食店の内装設計に興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
飲食店の店舗デザインの特徴
居酒屋のデザインを解説する前に店舗デザインの特徴をごく簡単に解説します。飲食店の皆さんは「飲食店」と聞いてどのような業態を想像しますか?多くの方が下記のような店舗を想像するでしょう。
- カフェ
- ファストフード店
- レストラン
- 居酒屋
これらの業態はすべて同じ「飲食店」であるものの、それぞれ内装の特徴が異なります。そして内装デザインを考える際には、これから解説するこれらの特徴を活かした設計が必要になるのです。
カフェの特徴
カフェの場合は、居心地の良さやお客様の集客率を考えた店舗デザインが重要になります。料金設定が低い場合は、より多くのお客様が座れるように席数を増やしたり、にぎやかで明るい印象を与えるデザインが好まれるでしょう。
一方で料金設定が高い場合は、座り心地のよいソファーなどを増やしたり、席数を減らしてゆったり過ごせる空間を演出しています。特に若い客層をターゲットとする場合、メニューだけでなく、店舗の雰囲気や見た目を重視します。そのため特に内装に気をつけなくてはならない業態です。
流行るカフェの店舗デザインはこちらの記事で解説しております。こちらも合わせてご参照下さい。
ファストフード店の特徴
ファストフード店の場合は、回転率を重視した店舗デザインが好まれています。照明や店内は入店しやすいように開放的で、一人客用のカウンターなどが充実している点も特徴です。
またテーブルなどはお客様で自由に動かしやすいタイプが多く、少ない店員でオペレーションできる工夫が盛り込まれています。
レストランの特徴
レストランの場合は、上述した業態よりも「食」を楽しむ場であるため、リラックスできる工夫が必要になります。また多くのレストランではランチとディナーで単価が異なるため、照明などの明るさを時間帯で変更して空間を演出する店舗が多くあります。
また不特定多数の方が訪れる場所なので、お子様連れや足が不自由な方々への配慮も必要です。こちらの記事では”和モダン”な店舗デザインのレストランに関して解説しております。こちらの記事もぜひご参照下さい。
居酒屋の特徴
居酒屋の場合は、お店の客単価によってデザインのテイストが異なります。安さを売りにした大衆居酒屋であれば、にぎやかな空間を演出するために、客席を増やしたりお客様同士の席間隔を狭めたりします。
一方で高級感のある居酒屋の場合は、プライベート空間を確保するために個室を多くし、ゆったりとくつろげる設計が重要です。
このように業態によってデザイン上の注意点が異なるため、飲食店を設計するときには「業態」と「店舗コンセプト」が鍵となります。とくに居酒屋の場合は、価格帯によって目指すべきデザインが大きく異なるため、まずはお店の基本情報をまとめましょう。
居酒屋の店舗デザインで重要な4つのポイント
居酒屋の店舗デザインの特徴の次に、店舗デザインの重要なポイントを解説していきます。大きなポイントは全部で4点です。
その1:雰囲気の伝わる外観にする
特に流動客を掴むために大切なのが、店舗の外観です。お店のファサードや看板を設置して、どの様なコンセプトや業態でやっているのかが伝わる外観デザインにしましょう。
例えば、気軽さが売りの大衆居酒屋ではにぎやかな雰囲気が好まれます。賑やかさを演出したい場合は派手な電飾や色彩豊かな看板、外観の一部をガラス張りにして店内の賑やかさが伝わるようにするとよいでしょう。
一方、客単価が高い店では逆にプライベートが保たれた、落ち着いた空間が好まれます。この様に、ターゲットとしている顧客層が求める価値を体現する事が重要です。
その2:回転率を考えた「レイアウト」にする
居酒屋にとって「回転率」は売上に直結する重要なポイントです。そのため単価や売り上げ目標を考慮し、店舗レイアウト(間取り)を決定しましょう。席数だけでなくスタッフの人数を考慮したオペレーションなども検討する必要があります。
この点については施主もしっかりと考える必要がありますが、プラン出しはプロのデザイナーの仕事なので、お客様は「こんな感じで使いたい」というご要望をまとめていただければ大丈夫です。
その3:お店のコンセプトにあった「内装」にする
お店の雰囲気を左右する内装仕上げ材は、店舗コンセプトに合わせて選ぶと居心地のよさが上がります。また予算の上限がある場合は、その旨をお伝えいただくとよりスムーズな設計が可能になります。
例えば落ち着きのあるお店を目指す場合は、少しトーンを落とした色味を使ったデザインがオススメです。にぎやかなお店を演出する場合は、明るい色味を使ったデザインが良いでしょう。
その4:雰囲気を演出するために「照明」にこだわる
内装仕上げ材と同様、照明は空間演出を左右する大切な要素です。そのため、業態に合わせて店舗の明るさや色温度などにこだわることをオススメします。
単価が高めの居酒屋の場合、あえて店内を暗くして料理が乗るテーブルにスポットを当てることもあります。このように照明設計を工夫すると料理がより美味しそうに見えたり、居心地のよい空間が完成するのです。
居酒屋の設計は「TO(ティーオー)」へご相談ください!
株式会社TO(ティーオー)は、飲食店の内装設計を得意とするデザイン事務所です。お客様にとって「心地よい空間とはなにか」という問いに対して真摯に向き合い、お客様に最適なプランニングをしております。
これまでも多種多様な飲食店の店舗デザインを承って参りました。その経験や実績を踏まえたアドバイスが可能です。店舗デザインに関して不安なことやお困りごとがございましたら、ぜひお気軽にご相談くださいませ。皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。