【ウィズコロナ】店舗デザインの流行とトレンド 【換気】と【受動喫煙防止】がトレンドです。

客席の設計 ウィズコロナ時代の店舗デザイン
ウィズコロナ時代の店舗デザイン

ウィズコロナにおける飲食店の店舗デザインで悩まれているオーナーの方は多いのではないでしょうか。結論からいうと【ウィズコロナ】の店舗デザインは、コロナウイルス対策の「換気」と世界で促進されている「受動喫煙防止」に焦点をあてる必要があります。

この記事では、ウィズコロナの店舗デザインのトレンドである「換気」と「受動喫煙防止」の対策について詳しく解説していきます。また、コロナ禍での店舗改装リニューアルや新規出店の記事やコラムはこちらでまとめています。こちらも合わせてご参照ください。

店舗デザインのトレンド「換気」の基礎知識

飲食店の機械換気設備

コロナウイルス対策として、店舗の換気設備に注目が集まっています。そこで、この章では店舗で使用される2種類の換気設備について解説していきます。

飲食店の多くは、機械換気設備を取り入れています。機械が自動的におこなう換気は、第1〜第3種の種類に分けられており、それぞれに換気方法の特徴があります。

換気設備を多く導入することにより、新鮮な空気を多く取り入れ、空気の循環をよくすることができるため、コロナウイルスの空気感染を防ぐことができます。コロナ感染対策と換気設備の増設に関しては、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。合わせてご参照ください。

機械換気設備①第一種換気設備

現在、飲食店で多く採用されている機械換気設備は、第一種換気設備です。給気(空気を取り入れる)と排気(空気を外に出す)の両方を機械でおこなうのが、第一種換気設備の特徴です。

空気の流れを制御できる、給気・排気が確実にできるため、機械換気の中では一番高性能な換気設備になります。しかし、機能が優れている分、機械換気設備の中で一番コストが高くなります。

第一種換気設備のメリット・デメリット

メリット
・給気・排気ともに空気浄化ができる
・安定した換気量を確保できる
・すきま風を防げる
デメリット
・コストが高い

機械換気設備②第二種換気設備

第二種換気設備は、給気を機械でおこない、排気は自然でおこなう換気の方式です。強制的に給気することで、室内の気圧を高めることができるため、ドアを開けても外気が入りこんできません。しかし、給気が強く排気が弱いため「汚れた空気を取り込みやすい」「冬場は結露を起こしやすい」などのデメリットがあります。そのため、飲食店ではあまり使用されない換気方式で、主に手術室やクリーンルームで使用されます。

第二種換気設備のメリット・デメリット

メリット
・他の部屋からの空気の流入を防ぐことができる。
デメリット
・冬場は結露を起こしやすい
・排気が弱いため空調効率が落ちる
・給気が強いため汚れた空気を取り込みやすい

機械換気設備③第三種換気設備

第三種換気設備は、第二種換気設備の反対で、給気は自然に排気は機械でおこなう換気方法です。給気よりも排気が強く、屋外の寒い・暑い空気が室内に多く入いらないため、空調効率がいいです。また、第一種換気設備に比べて設置・ランニングコストが安いため、昔からある飲食店や戸建て住宅、集合住宅に多く使用されています。

第三種換気設備のメリット・デメリット

メリット
・設置・ランニングコストが安い
・汚い空気がこもりにくい
・寒い・暑い外気が室内に入りにくい
デメリット
・すきま風が入りやすい
・室内の空気浄化ができない

高機能換気設備

機械環境設備の第一種換気設備を進化させたものが、高機能換気設備です。高機能換気設備は、室内の温度を保ちつつ換気をすることができます。熱交換器を搭載し給気と排気を一台の機械でおこなうことができるからです。

また、窓を閉めたままでも換気ができるため、防音効果もあります。最近では、国が高機能換気設備の導入の支援をしているため、飲食店での導入が増えてきています。

高機能換気設備のメリット・デメリット

メリット
・室内の温度を保ったまま換気ができる
・光熱費を抑えられる
・防音効果がある
・屋外からの汚染空気を遮断できる
デメリット
・初期費用が高い

飲食店に最適な換気設備とは

店舗デザインのトレンド

機能面だけで考えれば、飲食店に設置する換気設備は、高機能換気設備にすれば間違いないと言えるでしょう。ただし、初期費用はかかってしまいます。

お客さま視点で考えると、寒い・暑いと感じるお店より、室内温度を一定に保っているお店の方が好感を持ちやすいです。そのため、室内温度の調節ができない第一種換気設備より高機能換気設備が飲食店には最適とも言えるでしょう。コスト面とお客さまの視点を考慮した上で、最適な換気設備を検討してみてください。

店舗デザインのトレンド「受動喫煙防止」

受動喫煙防止

2020年4月に一部が改正された「健康増進法」が施行されたことにより、ウィズコロナの店舗デザインのトレンドに「受動喫煙防止」があるといっても過言では無いでしょう。健康増進法の改正により、基本的に飲食店では室内での喫煙が禁止されています。

しかし、以下の3つすべてに当てはまる飲食店は、禁煙スペースを設け届出をだすことで室内での喫煙ができるようになります。

  1. 2020年4月1日以前から営業している飲食店
  2. 客席100平方メートル以下
  3. 資本金5000万以下

喫煙者のお客さまが来店しなくなると、売上が減るため飲食店にとっては痛手です。3つの項目すべてに当てはまるのであれば、受動喫煙の防止対策をして、喫煙者を集客できる方法を考えるといいでしょう。

店舗デザインのトレンド「受動喫煙防止」の対策

ウィズコロナの飲食店の運営で、受動喫煙を防止する対策は主に3つ。「店内に喫煙スペースを設ける」「お店の前に喫煙スペースを設ける」「店内・店外を全面的に禁煙にする」です。飲食で受動喫煙を防止する3つの対策をメリット・デメリット含めて解説していきます。

受動喫煙防止対策①店内に喫煙スペースを設ける

店内に喫煙スペースを設ける

初期投資はかかりますが、お店の集客・売上を考えるうえでは、店内に喫煙スペースを設けるのが得策です。飲食店の運営を中長期的に考えていくと、喫煙者のお客さまの売上は重要になります。

特に小規模な飲食店にとって、喫煙者のお客さまを集客できないのは、売上に大きく関わるため避けたところです。そのため、喫煙者と禁煙者の両方を集客できる店内の喫煙スペースの設置は、集客・売上を考えると有効的な手段となります。

メリット
・喫煙者と禁煙者の両方を集客できる
・他の飲食店と差別化できる
・喫煙者のリピーターが増える
デメリット
・初期投資がかかる(内装工事・換気設備の設置など)

受動喫煙防止対策②お店の前に喫煙スペースを設ける

お店の前に喫煙スペースを設ける

喫煙者を集客するために、お店の前に喫煙スペースを設けることは、一つの戦略としていいでしょう。灰皿スタンドを用意するだけなので初期投資がかからず、すぐに設置することができるのが利点です。

設置が簡単なため、2020年4月以降、お店の前に喫煙スペースを設ける飲食店が増えています。しかし、お店の前に喫煙スペースを設けてしまうと、禁煙者の集客が難しくなる、お店の前に煙がこもり近隣に迷惑がかかる場合があります。また、喫煙スペースを設置する場合は、地域環境やお店の前の広さを考慮してからにしましょう。

メリット
・喫煙者と禁煙者のお客さまを集客できる
・初期投資がかからない。
デメリット
・喫煙者からすると外に毎回出るのが面倒
・お店の前に喫煙スペースを取るのが難しい
・お店の前に煙がこもりやすい
・禁煙者がお店に入りにくくなる

受動喫煙防止対策③店内・店外を全面的に禁煙にする

健康増進法により、店内・店外を全面的に禁煙にする飲食店も増えてきています。店内・店外を全面的に禁煙にすると、禁煙者はタバコのない環境に安心感を得ることができます。そのため、禁煙者のリピーターが増える可能性が高いです。

しかし、当然のことながら、喫煙者の集客がしにくい点が大きなデメリットとなります。店内・店外を全面的に禁煙にする場合は、売上をに繋がる対策をしっかりと考えて取り組む必要があります。

メリット
・受動喫煙を完全に防止できる
・禁煙者への安心感
デメリット
・喫煙者の集客ができない
・売上を取りにくい

来店を増やすと同時にリピーターも獲得することが大切です。リピーターを増やすポイントはこちらの記事で詳しくまとめています。ぜひこちらもご参照ください。

まとめ

ウィズコロナのトレンドデザイン

この記事では、ウィズコロナの店舗デザインのトレンドである「換気」と「受動喫煙防止」の対策について解説してきました。この記事のポイントは以下です。

  1. 換気設備は、機械換気設備と高性能換気設備がある
  2. 機械換気設備は「第一種換気設備」「第二種換気設備」「第三種換気設備」の3種類
  3. 受動喫煙防止の対策は、「店内に喫煙スペースを作る」「店舗の前に喫煙スペースを作る」「店内・店外を全面的に禁煙にする」3つの方法

ウィズコロナの店舗デザインを考える上で、換気の基礎と受動喫煙防止の対策方法は重要な知識です。しっかり換気と受動喫煙防止の基礎を抑えた上で、店舗デザインを決めていきましょう。

コロナ禍の改装、リニューアル、新規出店へのコラムはこちらでまとめています。こちらも合わせてご確認ください。