プレハブ工法とは?特徴やメリットデメリットを徹底解説

プレハブの骨組み 建築設計デザインの基礎知識
建築設計デザインの基礎知識

建物を建てるには技術や時間が必要で、専門性が高く求められています。その中で、効率的に手軽に建築できるプレハブ工法が開発されました。プレハブ工法はほかの建築工法とは異なり、経済的で簡単に建築できる方法として注目されています。

この記事では、プレハブ工法の基礎知識をご紹介します。プレハブ工法の特徴やメリット・デメリットも説明していますので、今後取り入れたい方はぜひ参考にしてみてください。

プレハブ工法とは

プレハブ工法とは一種の建築工法

プレハブ工法とは建築工法のひとつです。大きな特徴は、建築で使う材料を工場で大量生産すること。現場では、工場で加工した部品を組み立てるだけなので、手軽に建物を建てられます。

プレハブ工法は部品を組み立てるだけなので、専門的な知識は必要ありません。また簡単に建てられる特徴を生かし、プレハブ工法は仮設住宅や仮設事務所といった一時的に利用する場でも多く用いられている工法です。

プレハブ工法で使われる3つの工法

プレハブ工法は軽量鉄骨造を用いたものが多いのが特徴です。とはいえ、厳密には3つの工法があり、用途に合わせて工法が使い分けられています。ここでは、どんな工法が使われているのか簡単に説明します。

木質系プレハブ工法

画像出典:林野庁

木質系プレハブ工法とは、木材の枠組みを使った工法です。大きな特徴は、断熱性や気密性に優れること。パネルの内側には、不燃建材の石膏ボードが使われることが多いため、火災にも強く安心です。また、木質系プレハブ工法は歪みが起きにくい構造のため、自信や台風などから建物を守ってくれます。

ユニット系プレハブ工法

プレハブ工法とは

ユニット系プレハブ工法は、木の柱や不燃パネルなどを使って箱型ユニットを作る工法です。大きな特徴は、工場での作業がメインであるということ。

箱型ユニットは、工場で配線やキッチンセットなどを設置します。現場では箱型ユニットを組み立てるだけなので、プレハブ工法の中でいちばん工期が短く済みます。またユニット系プレハブ工法は増築も可能のため、将来的に増築を検討されている方はこの工法を選ぶといいでしょう。

鉄骨系プレハブ工法

鉄骨系プレハブ工法とは、工場で溶接した鋼材を骨組みとして使っている工法です。現場ではボルトを固定するだけなので、簡単に組み立てられるのが特徴。

また鋼材はほかの材料に比べてコストも安定していることから、近年では主流のプレハブ工法です。鉄骨系プレハブ工法は金属を使っている関係上、錆が気になりますがあらかじめ防錆塗装をしておけばその心配もいりません。

プレハブ工法の3つの特徴

プレハブ工法があらゆる現場で使われているのは、3つの特徴が関係しています。「早い・安い・安定」の三拍子そろったプレハブ工法の特徴を、それぞれ見ていきましょう。

天候に左右されずほかの建築工法より工期が短い

プレハブ工法の大きな特徴は、多くの工程が工場で行われていること。そのため雨や風などの天候に左右されることもなく作業が進みます。必要な部品は工場で作るため、現場では設置や組み立てをするだけ。この特徴から、ほかの建築工法より短時間で建てられます。災害時の仮設住宅がスピーディーに作られるのも、この特徴が大きな理由です。

材料費や建築費のコスト削減が可能

プレハブ工法で使われる材料は、工場で大量生産されることがほとんど。工場ではなるべく端材が出ないよう工夫されているため、無駄な材料費がかかりません。また多くの工程が工場で関係するため工期が短く、その結果、人件費も削減可能です。

作り手の経験や技術の差が出にくい

プレハブ工法がほかの建築工法と大きく違うのは、大工や職人といった専門技術が必要ないこと。プレハブ工法は工場で必要な材料が作られているため、現場ではボルトやナットなどを使って組み立てや設置をするだけで完成します。また、建物によって必要な材料が変わることがないため、誰が設置しても一定のクオリティになるのが特徴です。

プレハブ工法のメリット・デメリット

プレハブ工法のメリット・デメリット

プレハブ工法は利便性も高いことから、さまざまなシチュエーションで利用されています。その分メリットも多くありますが、どんな場所にも適用できるわけではありません。プレハブ工法にはどんなメリットやデメリットがあるのか、ここでおさらいしておきましょう。

メリット

プレハブ工法のメリットは下記の通りです。

  • 工期が短い
  • 総合的なコストが安い
  • 技術の差が出にくい

簡単に組み立てられるプレハブ工法は、工場での工程がメイン。必要な材料を現場で組み立てるだけなので、緊急を要する場面で大活躍します。また、コストも安いため、経費を抑えられるのもメリットです。プレハブ工法は専門的な技術が不要のため、誰が建てても一定の品質を保った建物に仕上がるのも安心ですね。

デメリット

プレハブ工法は、どんな場所にも建てられるというわけではありません。じつは、敷地にある程度の余裕がなければその場所に設置しにくいといわれています。プレハブ工法を利用するときは法規制があり、特殊な許可を受けることが大半です。土地形状によって使えない工法だということは知っておきましょう。

また規格品を大量生産しているプレハブ工法では、柔軟な施工対応はできません。個性を生かした建物にしたいときは、ほかの工法を選ぶ必要があります。また、耐震性に優れていて人気の高いツーバイフォー工法と言うものがあります。こちらの記事ではツーバイフォー工法について詳しく解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。

まとめ

プレハブの店舗

プレハブ工法は、特徴的な建物は建築できないものの、メリットはたくさんあります。コスト面が優れていることや工期が短いのは、緊急を要する場面で必要な工法です。仮設住宅や仮設事務所に使われることが多いプレハブ工法ですが、店舗やオフィスを持ちたい方も大いに役立つと思います。

「なるべく安く抑えたい」「すぐにでも店舗やオフィスを持ちたい」という方は、プレハブ工法を利用してみるのも一つの方法です。プレハブ工法のメリットやデメリットを納得した上で、候補の一つに取り入れてみませんか。

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また、店舗や家づくりをするなら基礎工事は欠かせません。こちらの記事では基礎工事の流れを徹底解説しています。ぜひ合わせてご参照ください。