【飲食店】ユニバーサルデザインで誰でも入れる快適な店舗作り!意識するべきポイントをご紹介

店舗内装デザイン設計のポイント

ユニバーサルデザインという言葉を、きちんと理解できていて、店舗に取り入れられている方々はどのくらいいるのでしょうか。ユニバーサルデザインの中には、ちょっとしたことで誰もが安心して快適に飲食を楽しんでもらえるポイントがたくさんあります。

今回は、ユニバーサルデザインで誰でも快適な飲食店づくりのポイントをご紹介します。なお、飲食店の内装づくりに関してはこちらの記事でも詳しく解説しております。こちらも合わせてご参照下さい。

ユニバーサルデザインとは

ユニバーサルデザインとは、文化・言語・国籍や年齢・性別・能力などの違いにかかわらず、できるだけ多くの人が利用できることを目指した建築・製品・情報などのデザインのことであり、またそれを実現するための過程です。

年齢や能力、状況などにかかわらず、デザインの最初から、できるだけ多くの人が利用可能にすることが基本コンセプトです。

ユニバーサルデザインとバリアフリーの違い

ユニバーサルデザインが「バリアフリー」と異なる点は、デザインの対象を障害者や高齢者に限定していないところです。また現在、提唱されているSDGsの中の「誰ひとり取り残さない(No one will be left behind)」がユニバーサルデザインと考え方として近い概念といえます。

ユニバーサルデザインの7原則

ユニバーサルデザインには7つの原則があります。これら7つを考慮しながら、できるだけ多くの人が使いやすい飲食店を目指していきましょう。

・どんな人でも公平に使えること。(Equitable use / 公平な利用)
・使う上での柔軟性があること。(Flexibility in use / 利用における柔軟性)
・使い方が簡単で自明であること。(Simple and intuitive / 単純で直感的な利用)
・必要な情報がすぐに分かること。(Perceptible information / 認知できる情報)
・簡単なミスが危険につながらないこと。(Tolerance for error / うっかりミスの許容)
・身体への過度な負担を必要としないこと。(Low physical effort / 少ない身体的な努力)
・利用のための十分な大きさと空間が確保されていること。(Size and space for approach and use / 接近や利用のためのサイズと空間)

参考:ウィキペディア「ユニバーサルデザイン」
http://ja.wikipedia.org/w/index.php?curid=25885

飲食店でできるユニバーサルデザインのポイント

ユニバーサルデザインを踏まえた店舗デザイン

ここからは実際の飲食店で導入可能なユニバーサルデザインについて具体的に解説していきます。取り入れられそうなポイントがあれば是非試してみて下さい。

出入口のユニバーサルデザイン

飲食店の出入り口のデザイン

・段差はなくす・自動ドアにする

出入口の段差のポイント

小さな子どもや高齢者、車いすを利用する方々のことも考えて、まずは出入口の段差できるだけなくした方がよいでしょう。さらに出入口までの道に砂利や踏み石は、転倒の原因になったり、車いすやベビーカーの通行が困難なためやめましょう。

出入口のドアのポイント

出入口を自動ドアにすることで、スタッフがドアを開閉したり、お客様が自分でドアを開閉する負担がなくなり、スムーズな出入りが可能になります。荷物をたくさん持って来店されるお客様にも入りやすく、誰でも気軽に入れるお店になります。

自動ドアには、近づくと自動で開くタイプや手をかざすと開くタイプなどあるので、車いすやベビーカーでも十分通れる大きさも考え、それぞれの店舗にあったものを選びましょう。

今ある店舗で工事が難しい場合は、出入口付近には何も置かないなど、小さな子どもや高齢者、障害のあるお客様も安心して通行できるように工夫しましょう。

店内のユニバーサルデザイン

飲食店内のユニバーサルデザイン

・通路の幅は広く・段差はなくす・配置を変更できる席

店内通路のポイント

店内の通路は、幅を広くしましょう。一般的な車いすが通行できる幅は90cmなので、余裕をもって90cmより広めの幅がとれると安心です。その中でも1か所は旋回ができるように、180cmほどの広さがあるとスムーズに店内を移動することができます。

また、通路上の障害物にも注意が必要です。棚や床に置いてあるものが飛び出して通行の妨げになることもあります。階段などの段差は、転倒などに繋がるため危険です。小さな段差もなるべくない方が理想的です。

店内にもともと段差がある場合は、できるだけスロープに変更しましょう。スロープにするのが難しい場合には、事故を未然に防ぐためにも、段差がある場所を照明で明るくし、手すりを付けましょう。

テーブルのポイント

固定式の座席にしてしまうと、車いすの人や小さな子どもを連れたお客様が利用できないこともあります。椅子は移動しやすいものを選び、車いすやベビーカーを置いても窮屈と感じないテーブルにしましょう。また、子ども用の椅子やカトラリーも用意しておくことで、より安心して利用してもらうことができます。

トイレのユニバーサルデザイン

トイレ内のユニバーサルデザイン

・衛生的で使いやすい・多機能トイレの設置

使いやすさと衛生面を考慮したいトイレでは、便器の自動洗浄や自動で水が流れる洗面台などがとても活躍します。トイレの流し忘れや蛇口の閉め忘れを防ぐメリットもあります。

また、高さの低い洗面台を作ったり、各所に手すりを設置するといった工夫があるとより良いです。広い多機能トイレが1つあると、おむつを交換出来たり、車いすに乗ったまま入ることが出来たり、オストメイト対応があることで、さらにたくさんのお客様が安心して利用することができます。

「オストメイト(Ostomate)」とは、病気や事故などの原因で消化管や尿管が損なわれた人々のことです。腹部などに排泄のための人工肛門・人工膀胱があるので、そうした方々も安心してトイレを使用できるよう配慮があるとよいです。

店舗の案内表示・メニューのユニバーサルデザイン

飲食店の案内表示・メニューのユニバーサルデザイン

・一目見ただけでわかりやすいデザイン

デザイン性の高いおしゃれなメニューは、わかりにくいことがあるのでフォントにも注意が必要です。ユニバーサルデザインでは、すべての人に分かりやすく、利用しやすいことが重要になります。

そのため店内の案内表示やメニューは、ひと目見ただけで分かりやすいデザインにしましょう。文字は大きめにし、背景との明度差に気をつけて見やすい配色にしましょう。さらにメニューは、写真やイラストを多く使い、アレルギーがある方への食品使用表示もわかりやすく記載しましょう。

配色のポイント

お客様の中には、色を判別しにくい方もいるので、色の組み合わせにも配慮するとより良いです。中でも多いのは、赤緑色覚異常といわれています。この色覚異常は、赤、緑、紫が見えません。また、ピンクはグレーに見え、青と紫は青に見えます。さらには全体的に黄色と茶色の多い光景となります。

判別しやすい色は、白と黒、黒と黄色、黄色と青、暗い緑と明るい緑色などがあります。色数はあまり多くせず、色の明るいものと暗いものを組み合わせるなどして、誰でも見やすいメニューや案内表示にしましょう。

多言語に対応したポイント

海外からの旅行客や在住外国人の利用も考えた表示やメニューも心がけましょう。英語や中国語など他言語を併記する方法か、ピクトグラムを用いるのがおすすめです。ピクトグラムは国際的にある程度意味が統一されており、禁煙や非常口といった情報を図や記号で多くの人に伝えることができます。

また、口頭による注文が難しいお客様には、筆談や指差しで注文が出来たり、店員を呼べるボタンを各テーブルに設置することも大切です。メニュー表に書かれているものが分からないお客様には点字のついたメニューを用意したり、必要に応じて、対応がとれるように工夫して事前に準備しておきましょう。

まとめ

飲食店の建物フロア案内図

改めて、今回紹介してきたポイントをまとめます。これらの店舗を快適に利用できるような小さなポイントが、お客様の満足度にも繋がっていきます。誰にでも分かりやすく、使いやすいデザインはお客様のスムーズな店舗利用に繋がり、結果として店舗運営の効率も上がっていきます。

  • 出入口はできるだけ段差をなくし、自動ドアにする
  • 店内の通路は広く、段差をなくし、配置を変更しやすい席にする
  • トイレは衛生的で使いやすさを大切に、多機能トイレも設置する
  • 店内の案内表示やメニューは、わかりやすい配色やフォントにする

株式会社TO(ティーオー)は、内装を得意とするデザイン設計事務所です。お客様にとって「心地よい空間とはなにか」という問いに対して真摯に向き合い設計を行っております。ユニバーサルデザインを積極的に取り入れたデザインをお考えの方は、ぜひ一度我々にご相談下さい。

こちらの記事では子連れを面とした客層へ向けた店舗デザインづくりの解説をしております。ユニバーサルデザインを重視するのであればこちらの記事もご参照下さい。

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