お店の配色で「居心地」が決まります!店舗にあった配色にするポイント3選

愛知県のテイクアウト店のデザイン デザインコンセプトの決め方
デザインコンセプトの決め方

私たちの周りにはたくさんの色があります。そのため無意識に色から得ている情報も多いのです。お店にとっての配色は、居心地や印象を決める大事なポイントとなります。今回は、居心地の良いお店にあった配色にするポイントをご紹介します。

木材に対する想い・木を使用したデザインの強みはこちらの特集ページでも詳しくご紹介しています。建材としての木材には、デザイン性の他にも様々なメリットがあります。木がお店に与えるデザイン的な効果と、部材としてのメリットを解説します。

色が持つ心理的効果のポイント

色にはイメージを連想させる心理的な力があります。店舗の配色を選ぶときは、まずは基本となる寒色と暖色、膨張色と収縮色を理解しておきましょう。これらの色の心理効果をデザインに用いることで、伝えたいお店のイメージがお客様へ伝わりやすくなります。

寒色と暖色

例えば、飲食店では食欲を減退させる寒色は、内装にはあまり使われません。赤や黄色、オレンジなどの暖色を使い食欲を増進させる色が多く使われています。

寒色

青や青に近い色を寒色といい、視覚から寒い印象を与えます。寒色は副交感神経にも働きかけるので、リラックスできる空間を演出するのに効果的です。

暖色

赤や黄色、オレンジなどを暖色といいます。太陽や火をイメージさせ、暖かい印象を与えます。暖色は交感神経に働きかけるので、アクティブな空間を演出するのに効果的です。

中間

色寒色にも暖色にも属さない色のことを中間色といい、紫や緑などを指します。

膨張色と収縮色

例えば、天井や壁に膨張色を使うと、店内が広く見えるため開放的な店内になります。反対に収縮色を使うと店内が引き締まって見え、落ち着いた雰囲気をつくることができます。

膨張色

膨らんで大きく見える色のことを指し、白や暖色系の色を膨張色といいます。

収縮色

引き締まって小さく見える色を指し、黒や寒色系の色を収縮色といいます。

店舗のイメージにあった色選びのポイント

3色程度で統一感や落ち着きのある色を組み合わせる

店舗のイメージにあった色選びのポイント

寒色と暖色、膨張色と収縮色の効果を頭に入れたら次は配色を考えます。色の組み合わせを全く無視したお店は、まとまりがなく、落ち着かない空間になってしまいます。統一感や落ち着きのある色を選んで組み合わせることがポイントです。
まずは店舗のイメージと合わせた色を選びましょう。店内の配色は、お客様の来店頻度や購買意欲にも関わってくるのでとても重要です。
色のバランスは全体の面積のうち70%をメインカラー(床、壁、天井など)、25%をアソートカラー(テーブル、椅子、カーテンなど)、5%をアクセントカラー(クッション、観葉植物、絵など)にすると配色がうまくいくといわれています。
店舗の業種によって使い分けをすることもあります。例えば、アパレルの店舗や子ども関係のお店では、黄色、オレンジ、ピンクなどをメインカラーにするとポップで明るいイメージになります。クリニックやマッサージなどの癒しや清潔感を大切にする店舗では、緑、水色、茶色などをメインカラーにすると店舗のイメージを表現することができます。

統一感とインパクトを両方出せるコンプリメンタリーカラー

統一感とインパクトを両方出せるコンプリメンタリーカラー

メインカラーを決めた後は、デザインを強調したい所にコンプリメンタリーカラーを用いると効果的です。コンプリメンタリーカラーとは、補色とも呼ばれ、色相環図上で対局にあたる色をいいます。

例えば、コンプリメンタリーカラーを使った配色は、黄色と青、緑と紫という組み合わせです。コントラストをはっきりさせることができるため、統一感を出しつつ、視覚的にインパクトも与えることができます。

統一感と柔らかい印象を与えられるアナロガスカラー

アナロガスカラー

アナロガスカラーも意識しましょう。アナロガスカラーとは、類似色とも呼ばれ、近い色同士のことです。例えば、アナロガスカラーを使った配色は、赤・オレンジ・黄色、水色・青・濃紺といった色の組み合わせです。アナロガスカラーを合わせることで、視覚的に柔らかい雰囲気をつくることができます。

落ち着きのあるアースカラー

アースカラー

落ち着きのある色として、アースカラーをご紹介します。アースカラーとは、大地や植物など自然をイメージさせるベージュやオリーブ色などを指します。アースカラーで構成された配色は、居心地の良い落ち着いた空間をつくりやすいです。

どの世代からも親しみのある色なので、全国展開されている飲食店やアパレル店でも多く使われています。また、アースカラーはレンガや木材などの内装に使われる素材や観葉植物からも取り入れることができます。

どのような配色にするかによって得られるイメージは異なります。まずは店舗のコンセプトやターゲットを明確にして、イメージがはっきりさせ、メインカラーから店舗デザインの配色を考えましょう。

デザインコンセプトの決め方はこちらのカテゴリーで詳しく解説しています。ぜひこちらもご参照ください。

居心地の良い配色パターンのポイント

色のバランスを考えながら配色パターンを使いさらに居心地のいい空間へ

居心地の良い配色パターンのポイント

バランスよく色を組み合わせてお店にさらに統一感を出すには、配色パターンも使いこなしていきましょう。配色パターンに則ってデザインされた店舗は、多くの人に安心感を与えますので、居心地の良い空間になります。また、お店や商品のブランディングにも繋がるので多くの人にお店を覚えてもらいやすくなります。

お店に似合う色使いを見つけるためにも、配色パターンとそれぞれの効果を知っておきましょう。以下は、代表的な配色パターンの例とそれぞれの効果です。店舗の配色イメージがなかなか思いつかない場合には、配色のパターンに当てはめながら色を選び試してみると、今まで思いつかなかった店舗にピッタリの配色を見つけられるかもしれません。

様々な業種で使用可能なカマイユ配色

カマイユとは単色画という意味です。色の濃淡と明暗のみを使ったの配色のことをカマイユ配色といいます。例えば、濃い赤・薄い赤、濃い青・水色などの配色です。

同じ色でも素材を変えることでカマイユ配色になります。シンプルに見えますが、まとまった空間を演出できます。カマイユ配色よりも色相やトーンに差をつけた「フォカマイユ配色」もあります。飲食店やエステサロン、クリニックまで、さまざまな業種に使用することができます。洗練されていて、やわらかい印象の配色にしたい場合に最適です。

店舗のイメージを伝えやすいドミナントカラー配色

ドミナントカラー配色

ドミナントとは支配という意味なので、近い色相で統一する配色をドミナントカラー配色といいます。色と色の明るさの差をなくすことでより統一感が増します。色が持つ効果がはっきりと出るため、お店のイメージやコンセプトが伝わりやすいのが特徴です。アパレル店舗や美容室などのファッションや美容系の業種に最適な配色です。

おしゃれで控えめなドミナントトーン配色

床ロゴデザイン

近い色調で統一する配色をドミナントトーン配色といいます。似たトーンの色を組み合わせることで統一感が出るため取り入れやすいです。さらに、色の組み合わせがたくさんあるため業種を選ばずに使える配色です。美容室など、にぎやかでおしゃれですが、統一された印象が求められる業種に向いています。

インパクトがあるトライアド配色

色相環を正三角形につないだときに頂点にある色の組み合わせをトライアド配色といいます。例えば、赤・緑・青、黄色・水色・紫などの組み合わせです。

カラフルでまとまりがないように感じますが、3色の割合をしっかり考えることで、おしゃれな印象を与えられます。上級者向けの配色ですが、インパクトが強く、お店の印象が残りやすいです。特にアミューズメント店やアパレル店などにおすすめの配色です。

まとめ

リニューアルで店舗の内装を変更する

ご紹介した3つのポイントをまとめます。

①寒色を収縮色を使いリラックスして落ち着ける空間作り
②3色程度で統一感や落ち着きのある色を組み合わせる
③色のバランスを考えながら配色パターンを使いさらに居心地のいい空間へ

これから新店舗をオープンする予定の方、リニューアルで店舗の内装を変更する方は、ぜひ居心地の良い店舗デザインのために色にもこだわってみましょう。

デザインは選びの参考に、ぜひ私たちのデザイン設計事例をご参照ください。デザイン設計事例はこちらのページからご参照いただけます。気になるデザインがございましたら、お気軽にお問い合わせください