店舗の立ち上げや改装で必要となってくるのが内装工事です。内装工事は坪単価が基準となって割り出されるのはご存じですか?
店舗の内装工事は細かく分けられているため、費用の内訳を知っておくことが大切です。
この記事では内装工事にかかる費用の内訳から、業種別の坪単価の相場を紹介。内装工事ではどのくらい費用が必要なのか参考にしてみてください。
まずは店舗の内装工事にかかる費用の内訳を知っておこう
店舗の内装工事は大きくわけると3つに区分されます。これから紹介する工事費の合計が、内装工事費として請求されるので、内訳をあらかじめ知っておけば削減できるところも見えてくるでしょう。
1.設計費やデザイン費
内装工事にかかる設計費やデザイン費が内訳として計上されます。この費用は依頼する会社によって算出方法はまちまち。
内装工事の総費用から算出する場合は、工事費の10~15%が相場です。ほかには坪単価から算出する方法。こちらは店舗の坪数に設計やデザイン費の単価をかけ合わせたものが請求されます。
最後は人件費から算出する方法です。この方法はおもに特殊な技術が必要な場合に用いられることが多く、工事に関わった人数によって費用が決まります。
また、特殊な技術を使うことから、技術料が別で追加される場合がほとんどです。
2.内装や設備工事費
店内全体の工事が入る内装や設備工事は、坪単価から算出されることがほとんど。坪単価は業種によって異なりますので、のちほど詳しく相場を紹介します。
ここの費用で気をつけたいのが飲食店。飲食店は設備工事費がほかの業種よりも高くなる傾向があるため、坪単価も割高になります。
内装や設備工事費は、物件の状態によっても坪単価に変動があるのが特徴。まっさらな状態のスケルトン物件は、イチからそろえる必要があるため高くなりがちです。
反対にある程度設備が整っている居抜き物件は、同業種であれば安く抑えられるのがメリット。借りる物件の設備に大きな変動がなければ、工事費を抑えられるでしょう。
3.備品購入費
内装工事の一環として、備品購入費も請求に含まれます。設備機器によっては設置費も別に請求されるので、事前に相場を確認しておくといいでしょう。
機器や備品は、インターネットやカタログで簡単に調べられます。もし自分たちで用意できるものがあれば、見積もりのときに省いてもらうのといいですね。
業種別に紹介!店舗の内装工事による坪単価の相場
ここからは業種別に内装工事の坪単価相場を紹介します。業種によって坪単価は大きく変わってくるので、自分の店舗がどの業種に当てはまるのか確認してみましょう。
飲食店の場合
飲食店は展開する種類によっても、坪単価が大きく変わってきます。また、設備計画の内容にも大きく左右されます。
また、飲食店で内装工事を依頼する場合は
- 店舗の広さ
- 必要な厨房設備
によって変動することを覚えておいてください。
※坪単価は、店舗が小さくなるほど上がります。
物販店の場合
物販店が安く抑えられる理由は、必要な設備機器がほとんどないこと。商品を陳列するショーケースは安いので、ほかの業種よりも工事費がかかりません。
とはいえ、物販店でも高級感を演出しなければいけないような店舗は例外です。なかには坪単価100万円ほどかかることもあるので、扱う商品によって相場が変動します。
美容関係の場合
今回紹介する業種のなかでいちばん坪単価が高いのが美容関係です。物販店と違い、美容関係は必要な設備が多いことが高い理由の一つ。
とくにエステティックサロンの場合は大型機材がメインのため、美容室よりも高めになるケースが多くなります。
あまりに質素だと集客へも影響してくるため、ほかの費用で節約できないか業者と話し合ってみてください。
店舗の内装工事を考えるときの大切なポイント
適正な坪単価を割り出してもらうためにも、内装工事を依頼する前に注意する点があります。
重要なのは業者の言いなりにならないこと。ある程度知識を入れておけば、不正な請求をされることも少なくなります。
内装工事は予算を決めておく
内装工事を依頼する前に決めておきたいのが予算です。
先ほど紹介したように、店舗の業種によって坪単価の相場は大きく違います。必要な機材の価格を自分でも調べておけば、ある程度の予算は組めるはず。
お店のコンセプトによっては設備をあえて中古品を使うのもあり。
コンセプトと客層が決まれば、複数の業者に見積もりを依頼してみましょう。見積もりからも平均相場が見えるので、予算の組み換えもしやすくなります。
業者との打ち合わせは入念にする
依頼する業者が決まったら本契約を進める前に、入念な打ち合わせをしてください。
お店のコンセプトはもちろん、客層やテーマなど考えていることを伝えるのは大切です。業者は依頼主の要望をもとにレイアウトや材料を選ぶので、予算に合ったものか納得いくまで話し合ってみましょう。
また業者に依頼するときに注意したいのが、施工経験が豊富なスタッフがいるかどうか。経験が未熟だと、完成したときに不安が残ります。
スタッフが担当した過去の実績を見せてもらうのもいいかもしれませんね。
物件の状態によって費用が変わる
費用の内訳でも軽く説明しましたが、坪単価は物件の状態によっても大きく変わります。まずは契約する物件がスケルトンなのか居抜きなのか、ご自身でも把握しておいてください。
スケルトンの場合、イチから店内を作り上げるため費用がかさむほか工期も長くなります。居抜きであれば、費用も安く工期も短く済むため、結果として坪単価も安くなる傾向。
物件を借りるときは同業者が利用していたところを狙って探してみるのがいいでしょう。
店舗の内装工事は業種によって坪単価が大きく変わる
店舗の内装工事は、単なる坪単価だけで算出されるわけではありません。必要な設備や店舗のイメージによっても大きく異なるので、業種別に相場を見るのがいちばんです。
また必要な設備は削減できるものもありますので、業者と話し合って決めてみてください。